小5国語「よりよい学校生活のために」板書の技術

今回の教材は「よりよい学校生活のために」です。本単元では、「たがいの立場を明確にして、話し合おう」を目指します。そのため、振り返りを通して学習課題と学習計画を明確にする、「考えを広げる話し合い」と「考えをまとめる話し合い」の2つの段階を明確に示し、それぞれの段階のポイントを可視化するなどの板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立小学校主幹教諭・園田 萌(せせらぎの会)
単元名 たがいの立場を明確にして、話し合おう
教材名 「よりよい学校生活のために」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全6時間)
第1次 課題を設定し、学習の見通しをもつ。(1時間)
1 これまでの単元に入るまでの話し合いを振り返って学習課題を設定し、学習計画を立てる。
第2次 話し合いの仕方を確かめ、互いの立場を明確にしながら話し合う。(4時間)
2 よりよい学校生活になるために自校の学校生活を振り返り、学校生活を話題にして新たにしてみたいことや解決したい身近な課題を見付け、話し合う議題を決める。
3 議題について自分の考えを出し、分類したり関係付けたりして、自分の考えをまとめる。
4 教科書を手掛かりにしながら、立場を明確にした話し合いの仕方を確かめ、進行計画を立てる。
5 互いの立場を明確にしながら計画に沿って話し合い、考えを広げたり、まとめたりする。
第3次 単元全体の学習をまとめる。(1時間)
6 話し合った様子について振り返り、単元全体の学習をまとめる。
板書の基本
〇子供の振り返りを通して学習課題と学習計画を明確にする板書
これまでの話し合いの経験を丁寧に振り返り、子供たちが自らの「現在地」を認識して学習課題を共有し、単元のめあてと学習計画を明確にします。振り返る際には、よい点と課題点を明確に分類して板書することで、自身の経験を客観的に見つめ直すきっかけにします。
教師が課題を提示するのではなく、子供自身の経験に基づいた振り返りから課題を導き出すことで、学習への内発的な動機付けを促します。
〇「考えを広げる話し合い」と「考えをまとめる話し合い」の2つの段階を明確に示し、それぞれの段階のポイントを可視化する板書
「考えを広げる話し合い」と「考えをまとめる話し合い」という2つの段階を大きな柱として板書を構成し、それぞれの段階の具体的なポイントや視点を明確に提示し、話し合いの進行を支援します。子供たちはこの板書を見ることで、自分が今、話し合いのどの段階にいるのか、次は何をすべきか、どのように思考を深めればよいかを理解して話し合いに参加することができます。