小4国語「ごんぎつね」京女式板書の技術

今回の教材「ごんぎつね」の目標は、「『ごん』と『兵十』の関わりや、気持ちの変化をとらえて、物語の結末についての感想を書こう。」です。本時は、「ごんぎつね」の文章表現に着目し、1つの文のみでなく、前後の文とつなげて読むことで、風景や場面の様子を表す表現が登場人物の心情を表していることに気付く板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教頭・砂崎美由紀
単元名 気持ちの変化に着目して読み、感想を書こう
教材名 「ごんぎつね」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全10時間)
- 「ごんぎつね」を読み、学習の見通しをもつ。初読の感想を書く。
- 全文を読み、登場人物や場面を確かめる。
- 1、2場面を読み、ごんの人物像をつかむ。
- 3、4場面を読み、ごんのつぐないを読む。
- 5、6場面を読み、兵十が知ったことを読む。
- 情景や場面の様子がよく分かる表現を読む。
- 情景や場面の様子がよく分かる表現を読み、心情を考える。
- 表現から分かる心情の変化を考える。
- ごんと兵十の心情の変化について考えたことをもとに、物語の結末について感想を書く。
- グループで感想を読み合う。
板書の基本
〇授業が始まる前に考えること
教科書34ページの「学習・たいせつ」には、「行動や会話とともに、情景や場面の様子が分かる表現からも、登場人物の気持ちの変化をそうぞうする。」とあります。このページを子供たちと一緒に読みます。描かれている情景を味わうために、本文を音読し、目で読み、声を出し、耳で聞き、全身で表現の美しさを味わうことを大切にします。
〇板書計画で考えておくこと
本時では、教科書33ページの下段②「言葉に着目しよう」を扱います。物語のはじめの、ごんが元気いっぱいの場面と、物語の終わりの、ごんが兵十にうたれた場面です。この対照的な2つの場面を、黒板で左右に分けて書こうと思いました。学習の視点は「表現に着目して」ですが、2つの場面を並べることで、同じ色の表現でも、違う心情を表すことに気付くよう、可視化することを考えました。