「やることリスト」を整理して、研究の全体像をつかもう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑥~


生徒たちが研究に取り組むうえで、最終的にめざすべき「最終ゴール」が決まったら、次はそのゴールにたどり着くために必要な実験や調査の項目を洗い出すことが大切です。これはいわば「やることリスト」をつくる作業です。
執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章
【連載】探究のすすめ方 ~方法論編~ <中学校・高等学校>
過去の記事はこちらから!
中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~
課題研究の実現可能性をチェックしよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう②
先行研究をチェックして、研究テーマにストーリーをもたせよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう③
研究テーマが決まったら、研究の道すじを考えよう─中・高等学校の【課題研究】はこう進めよう④
研究の「最終ゴール」を明確にしよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑤~
目次
最終ゴールに向けて、何をすべきか?
最終ゴールに向けて具体的な動きを効果的に開始するには、「やることリスト」をつくるイメージで、必要な実験や調査項目をあらかじめ洗い出して整理しておくことが有効です。なお、こうした個別実験・調査項目が、どのような順番・関係で並ぶか(「直列型」と「並列型」とも言える2つのパターンがあるかと思います)によって、研究の進め方も変わってきます。
【直列型】
・各項目が前の項目の結果に依存する
→ 例:Aの実験結果を利用して、Bの実験を行う
【並列型】
・項目ごとに独立して進められる
・最後に統合・比較して結論へ
→ 例:AとBを別々に調べて、最後に情報を統合
「個別ゴール」を意識してみよう
個別実験・調査項目が直列的に並ぶパターンであろうが、並列的に並ぶパターンであろうが、それぞれの個別実験・調査には「何が分かれば終わりなのか?」「何ができれば終わりなのか?」という「個別ゴール」が必要です。これがはっきりしていないと、生徒は「とりあえずやってみる」状態になり、目的意識が薄れてしまいがちです。最終ゴールはもちろん大事ですが、それに向かう個別のステップごとの小さなゴールも意識させることが、研究の筋を通すうえで大切です。