小1体育「鉄棒を使った運動遊び【器械・器具を使っての運動遊び】」指導アイデア

文部科学省教科調査官の監修による、小1体育科の授業案です。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。今回は「鉄棒を使った運動遊び【器械・器具を使っての運動遊び】」の単元を扱います。
執筆/東京都公立小学校主幹教諭・堀友泰孝
監修/国立教育政策研究所教育課程調査官・塩見英樹
元東京都公立小学校校長・森孝
目次
単元名
おはなし てつぼう ランド
年間計画表
単元目標
●知識及び技能
鉄棒を使った運動遊びの行い方を知るとともに、支持しての揺れや上がり下り、ぶら下がりや易しい回転をして遊ぶことができるようにする。
●思考力、判断力、表現力等
鉄棒を用いた簡単な遊び方を工夫するとともに、考えたことを友達に伝えることができるようにする。
●学びに向かう力、人間性等
鉄棒を使った運動遊びに進んで取り組み、順番やきまりを守り誰とでも仲よく運動をしたり、場や器械・器具の安全に気を付けたりすることができるようにする。
授業づくりのポイント
①運動の特性
器械・器具を使っての運動遊びは、「固定施設を使った運動遊び」「マットを使った運動遊び」「鉄棒を使った運動遊び」「跳び箱を使った運動遊び」で構成され、「鉄棒を使った運動遊び」は鉄棒を使って、手や腹、膝で支持したり、ぶら下がったり、揺れたり、跳び上がったり、跳び下りたり、易しい回転をしたりする動きに挑戦し、それらができる楽しさに触れることのできる運動遊びです。
②学習のねらい
鉄棒を使った運動遊びは、運動の楽しさに触れ、その行い方を知るとともに、いろいろな動きを身に付けるようにし、中学年の器械運動の学習につなげていくことをめざします。また、鉄棒を使った運動遊びを楽しく行うために、簡単な遊び方を工夫するとともに、順番やきまりを守り誰とでも仲よく運動遊びをしたり、場の安全に気を付けたりすることなどができるようにします。
③子供の取組
鉄棒を使って手や腹、膝で支持したり、ぶら下がったり、揺れたり、跳び上がったり跳び下りたり、易しい回転をしたりして遊ぶことができます。また、友達のよい動きを見付けたり、考えたりしたことを伝えます。その一方で、鉄棒で支持したり、バランスをとったり、回転したりすることが苦手な子供がいる場合もあります。
④指導の手立て
本単元では、主運動につながる運動遊びとして、一単位時間の前半に固定施設を使って遊ぶ時間を設定します。その際、友達と関わり合いながら、固定施設を使って登り下りや渡り歩きをして楽しく安全に遊ぶことができるようにします。後半は、鉄棒を使って楽しくできる遊び方を選んだり、遊び方を友達に紹介したり、友達が選んだ遊び方で遊んだりするようにします。具体的には、子供に身に付けてほしい動きを「お話」にして取り組むことができるようにします。教師は、子供が支持やぶら下がり、振動、手足での移動、逆さ姿勢、回転などの動きを楽しく行う中で身に付けることができるように、子供の運動遊びの中からコツとなる動きのポイントを具体的に取り上げ、学級全体で共有するようにします。
⑤指導ポイント
鉄棒を使った運動遊びに没頭できるよう、動物などになりきって鉄棒に支持したり、ぶら下がったり、揺れたりする動きに楽しみながら取り組めるようにします。その際、教師は全体を見渡すことができる位置にいて助言をしたり、安全に注意させたりしていくことが大切です。また、幼児期の運動遊びの経験や発達の段階により固定施設の高さや逆さ姿勢になることに不安感や恐怖心がある子供がいる場合は、高さを変える台を設置したり、補助をして回ったりして、楽しくできる遊び方から始めるようにし、徐々にいろいろな動きができるようにします。さらに学習のふり返りを大切にし、学習を通してできるようになったことや楽しかったことを発表したり学習カードに書いたりして、次の学習につなげていくようにします。
単元計画(例)
単元の評価規準
●知識・技能
①鉄棒を使った運動遊びの行い方について、言ったり実際に動いたりしている。
②鉄棒を使って、手や腹、膝で支持したり、ぶら下がったり、揺れたり、跳び上がったり、跳び下りたり、易しい回転をしたりするなどして遊ぶことができる。
●思考・判断・表現
①簡単な遊び方を選んでいる。
②友達のよい動きを見付けたり、考えたりしたことを友達に伝えている。
●主体的に学習に取り組む態度
①鉄棒を使った運動遊びに進んで取り組もうとしている。
②順番やきまりを守り、誰とでも仲よくしようとしている。
③場や器械・器具の準備や片付けを友達と一緒にしようとしている。
④場の安全に気を付けている。
イラスト/みながわこう