「コグトレ」で身体感覚を育てよう〔Ⅰ 自分の身体(身体を知る)〕#2ダウンロードプリント付


今年度から「コグトレ」の身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)を連載します。2回目の今回は、自分の身体に向き合う機会をつくり、ボディイメージを高めるとともに身体のバランス感覚を養う「Ⅰ自分の身体」のなかの〔身体を知る(身体への意識づけ)〕にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」に着目したトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)を基にして身体的不器用さの改善を図るトレーニングを紹介します。ダウンロードプリントを活用して、ぜひ試してみてください。
監修/立命館大学教授・宮口幸治
目次
認知作業トレーニングとは
コグトレの認知作業トレーニングは、自分の身体のボディイメージを高める、物を扱う能力を高める、他者との関係の中で、多くの情報に注意を払い身体の適応力を高めるなど、身体的不器用さの改善を図るトレーニングです。下の表のように「Ⅰ自分の身体」「Ⅱ物と自分の身体」「Ⅲ人の身体と自分の身体」など3つのプログラムから成り立っています。
身体的不器用さ(以下、不器用さ)をもつ子どもは、小学生では約5% 存在すると言われています。不器用な子どもの特徴は、物によくぶつかる、ボールをうまく投げられない、物をよく壊す(手先が不器用)、姿勢が悪い、力加減ができない、じっと座っていられない、左右が分からないなどです。この子たちは、運動やスポーツが苦手だったり、身体や手先がうまく使えなかったりするだけでなく、不器用さが自尊感情の低下や周囲からのいじめの原因となることも報告されています。そのような不器用さを改善するトレーニングが、コグトレの「認知作業トレーニング」です。いわば、体育の特別支援教育とも言えるでしょう。
今回は、「Ⅰ自分の身体」のなかの〔身体を知る〕の「身体への意識づけ」の課題を紹介します。
〔身体を知る〕は、「柔軟運動」「身体への意識づけ」「バランス運動」の3つのプログラムからなります。日常生活で使用することの少ない関節や筋肉を動かすことで自分の身体を知り、ボディイメージを高めるとともに身体のバランス感覚も養います。「身体への意識づけ」には、〈身体部位の確認〉〈身体的空間イメージの確認〉などがあります。そのなかの〈身体部位の確認〉を試してみましょう。