小2国語「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」元京都女子大学教授・同附属小学校校長 吉永幸司監修
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今回の教材は、「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」です。本単元の目標は、「説明の仕方に気を付けて読み、それを生かして書こう」です。そのため、大事な言葉やまとまりを意識付けるために、カードを活用したり、組み立てや説明の順序を考えながら書くために、ワークシートと一体化させたりする板書の工夫を紹介します。

監修/元京都女子大学教授
 同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立小学校教諭・木本八千代(せせらぎの会)
 
単元名 せつめいのしかたに気をつけて読み、それをいかして書こう
教材名 「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」(光村図書出版)

単元の計画(全14時間)

第1次 学習課題を設定し、学習の見通しをもつ。(1時間)
単元扉や「といをもとう」を確かめ、単元全体の学習の見通しをもつ。
第2次 説明の工夫を見付け、まとめる。(5時間)
教材文「紙コップ花火の作り方」を読み、実際に紙コップ花火のおもちゃを作る。
(※と同様)
紙コップ花火を作るときに、どんな言葉や文に気を付けたかを話し合う。
言葉や写真など、手順を説明する工夫を見付ける。
筆者の説明の工夫について、考えたことを伝え合い、自分で使ってみたい工夫をまとめる。
第3次 おもちゃの作り方の説明書を書き、学習を振り返る。(8時間)
「といをもとう」を確かめ、おもちゃの作り方の説明書を書く学習の見通しをもつ。
「けん玉の作り方」を読み、「紙コップ花火の作り方」との共通点を見付け、説明の工夫を確かめる。
 作り方を説明するおもちゃを決め、必要な材料と道具を確かめる。
10 選んだおもちゃの作り方を説明する順序を考える。
11 選んだおもちゃの作り方を説明する文章を書く。
12(※11と同様)
13 文章を友達と読み合い、説明の工夫について伝え合う。
14 単元全体の学習を振り返る。

板書の基本

大事な言葉やまとまりを意識付けるために、カードを活用した板書

文章をまとまりごとに分けて板書したり、カードを活用したりして、文章の組み立てが分かりやすくなるようにします。6/14時間目の板書では、文章の組み立てを表す、一はじめ、<ざいりょうとどうぐ>、<作り方>、<楽しみ方>(あそび方)のカードと、順序を表す、「まず」「つぎに」「それから」「さいごに」の言葉のカードを活用します。カードを色分けして黒板に貼ることで、大事な言葉やまとまりを意識付けることができます。

〇組み立てや説明の順序を考えながら書くために、ワークシートと一体化させた板書

おもちゃの作り方の説明書を書くために、文章の組み立てや<作り方>の順序を分かりやすくワークシートに書きます。そのため、10/14時間目の板書では、子供のワークシートと一体化させた板書にします。文章の組み立てを4つのまとまりに分けて書いたり、作業の順序を①~④に分け、簡単な絵と順序を表す言葉(「まず」「つぎに」など)を使い、手順を一文で書いたりすることができるようにします。

板書を活用した授業の進め方(6/14時間目前半)

小2国語「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」板書の技術 6/14時間目前半の板書
6/14時間目前半の板書

1 本時のめあてを確かめる

月日・題名・めあてを板書し、本時では、教材文「紙コップ花火の作り方」の筆者による説明の工夫をまとめることを確認します。

2 文章の組み立てを確認し、カードを黒板に貼る

「◎文しょうの組み立て」と見出しを書き、文章の組み立てを表す、一のカードを黒板に貼ります。そのときに、4つのまとまりを分かりやすくするために、間隔を空けてカードを貼るようにします。それぞれどんな内容が書いてあるかを確認し、一の下に「はじめ」、の下に「<ざいりょうとどうぐ>、の下に「<作り方>」、の下に「<楽しみ方>(あそび方)」のカードを貼ります。

3 文章のまとまりごとに書いてある内容を書く

文章のまとまりごとに書いてある内容を子供たちと確かめ、一「はじめ」の横に「・何を作るのか。」、「<ざいりょうとどうぐ>」の横に「・よういするもの」、「<作り方>」の横に「・じゅんじょが分かることば」「・すること」「・しゃしん」、「<楽しみ方>(あそび方)」の横に「・つかい方」と板書します。

板書を活用した授業の進め方(6/14時間目後半)

小2国語「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」板書の技術  6/14時間目後半の板書
6/14時間目後半の板書

1 筆者の説明の工夫について書く

筆者の説明の工夫にはどんなものがあるかを子供たちに問いかけます。その後、説明の工夫を見付ける視点である「こんなじゅんじょで書かれていた。」「こんなことが書かれていた。」「こんなことばやしゃしんがつかわれていた。」を書いたカードを黒板に貼ります。そして、大事な言葉の「じゅんじょ」「こと」「ことば」「しゃしん」に赤色で線を引き、強調します。

2 自分が使いたい説明の工夫について書く

「◎じぶんがつかいたいせつめいのくふう」と板書し、「おもちゃの作り方の説明書を書くときに、自分が使いたい工夫は何ですか」と問いかけます。その後、子供たちに自分が使いたい工夫をノートに書かせます。子供たちの発表をまとめて、「・まず、つぎに、などのじゅんじょが分かることば」「・長さ、数、むきなどが分かる文」「・絵やしゃしん」と板書します。

3 学習の振り返りと、次時の学習の見通しをもつ

学習のめあてを確認し、学習の振り返りをノートにまとめるよう指示します。最後に、「おもちゃの作り方をせつめいしよう」で、本時でまとめた説明の工夫を使って、おもちゃの作り方の説明書を書いていくことを伝え、意欲をもたせます。

板書を活用した授業の進め方(10/14時間目前半

小2国語「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」板書の技術 10/14時間目前半の板書
10/14時間目前半の板書

1 本時の学習のめあてを確かめる

月日・題名・めあてを板書し、本時では、選んだおもちゃの作り方の説明書を書くために、教材文「紙コップ花火の作り方」で学んだ説明の工夫を使って、説明の順序を考えることを確認します。

2 文章の組み立てと作り方の順序を確かめる

①文章の組み立てを確かめる

「◎文しょうの組み立てと<作り方>のじゅんじょ」と板書し、これまでに学んだ説明の工夫は何かを子供に問いかけます。その後、子供の発言を受け、組み立てを表す、一「はじめ」、「<ざいりょうとどうぐ>」、「<作り方>」、「<楽しみ方>(あそび方)」のカードを黒板に貼り、4つのまとまりで説明書を書いていくことを確かめます。

一「はじめ」、「<ざいりょうとどうぐ>」、「<楽しみ方>を書く

教科書の「けん玉の作り方」を参考に、「はじめ」にはどのような文を書いたらよいかを子供に問いかけ、一「はじめ」の横に、「・〇〇の作り方をせつめいします。」と板書します。〇〇には、自分が説明するおもちゃの名前を書き入れるようにします。

次に、「<ざいりょうとどうぐ>」には、けん玉を作るときの<ざいりょうとどうぐ>を確かめ、「・     」と、書くスペースを空けて板書します。その際、長さや大きさ、数などを書くとよいことを想起させ、「(〇〇センチメートル)」「〇〇くらいの大きさ・〇こ」と板書します。

「<楽しみ方>(あそび方)」には、遊び方や使い方を書くことを確かめ、「・~してあそびます。」と板書します。

板書を活用した授業の進め方(10/14時間目後半)

小2国語「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」板書の技術 10/14時間目後半の板書
10/14時間目後半の板書

1 「<作り方>」を書く

黒板の一「はじめ」の下のほうに、けん玉の完成の絵を貼ります。けん玉の作り方を確かめ、作業の順番を絵に①②③④と書き入れます。そして、「<作り方>」に、①、②、③、④とスペースを空けながら板書します。それぞれの下に、順序を表す言葉を子供と確かめながら、「まず」「つぎに」「それから」「さいごに」の言葉のカードを黒板に貼ります。そして、それぞれの作業の絵を黒板に貼り、作業の工程が分かるようにします。

「まず」「つぎに」「それから」「さいごに」の下には、作業の工程を確かめながら、「〇〇を~ます。」と板書します。「〇〇」の横には、赤色チョークで線を引いて「何」と書き、「~」の横には、黄色チョークで線を引き、「すること」と書きます。

子供たちが、自分で選んだおもちゃの作り方を考えながら、ワークシートに書けるようにします。「〇〇」や「~」に言葉を当てはめて書けるよう、ワークシートと一体化した板書にします。

 

【教師が作成したワークシート例】

小2国語「紙コップ花火の作り方」「おもちゃの作り方をせつめいしよう」板書の技術 教師が作成したワークシート例
(注)具体的には、教師のワークシート例の①「まず」では、「〇〇」が「ぎゅうにゅうパックのそこ」、「~」が「切りとり」となります。

2 学習の振り返りと次時の学習の見通しをもつ

学習のめあてを確認し、学習の振り返りをノートにまとめるよう指示します。次時では、本時で書いたワークシートをもとに、おもちゃの作り方の説明書を書いていくことを伝え、意欲をもたせます。

 

構成/浅原孝子

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