小2国語科「ようすをあらわすことば」 板書例&全時間の指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、小2国語科「ようすをあらわすことば」(光村図書)の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等、全時間の授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/京都府京都市総合教育センター指導室指導主事・吉田夏紀
執筆/京都府京都市立向島秀蓮小中学校・高田裕宇
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、身近なことを表す語句のうち、様子を表す語句の量を増したり、意味による語句のまとまりに気付いたりすることを通して、語彙を豊かにします。
様子を表す語句は、話や文章の中で使うことを通して、自分の語彙として身に付けていけるようにしましょう。その中で、様子を表す語句を「形容詞・副詞」「擬態語・擬音語」「比喩」に分類し、意味による語句のまとまりに気付けるようにします。
語彙を豊かにするとは、自分の語彙を量と質の両面から充実させることです。使用する語句の量や範囲を広げながら、語句相互の意味関係を理解することで、語彙を豊かにしていくことが重要です。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
本単元では、「形容詞・副詞」「擬態語・擬音語」「比喩」などの言葉を使って、様子を表す文を書くという言語活動を位置付けます。
これらは、相手に様子を詳しく伝えるときに、よく使われる表現方法です。2年生では、品詞や用語について知るのではなく、様子を詳しく伝える言葉や表現があることを知り、理解することが肝要です。
文を書く際には、一文の意味が明確になるように語と語の続き方を考えられるようにしましょう。
書くだけではなく、グループ活動や発表を通じて、たくさんの様子を表す語句に出会えるようにしたいものです。
4. 指導のアイデア
〈主体的・対話的で深い学び〉
〇 意味による語句のまとまりを意識できるようにするために
単元の導入では、絵を見て、子供たちが雨の様子を表す言葉を自由に出せるようにします。
その言葉を分類する中で、様子を表す言葉には、「形容詞・副詞」「擬態語・擬音語」「比喩」があることを確認します(用語が子供たちにとって難解なため、それぞれ「どれくらい」「ことばのひびき」「たとえ」などに置き換えます)。
次の絵では、その中のどれかを使って、絵に表されている様子を文にします。意味による語句のまとまりを意識することで、多様な表現を集められるようにしましょう。
〇 自分で交流する相手を見つけるために
第4時では、様子を表す言葉を使って作った文を紹介し合います。
それぞれの絵の様子を、「どれくらい(形容詞・副詞)」「ことばのひびき(擬態語・擬音語)」「たとえ(比喩)」を使って詳しく表しますが、子供によって集めた言葉は異なります。
「○枚目の絵の『たとえ』の言葉が知りたい」というように、子供の思いを大事にして交流できるようにします。そのために、ネームカードを使って板書に誰がどの種類の言葉を紹介するのかを明確にします。それを参考にして交流相手を選び、進んで身近な言葉を表す語句の量を増して語彙を豊かにできるようにしましょう。
5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント
〇 様子を表す言葉を分類するために
第1時で、雨がどのように降っているかを自由に表現し、様々な表現の仕方があることを確かめます。その際、教科書を参考にしながら、「どれくらい(形容詞・副詞)」「ことばのひびき(擬態語・擬音語)」「たとえ(比喩)」に分類します。
1人1台端末上では、テキストカードの色分けを容易にすることができます。また、移動させることもでき、第2時のY字チャートのように、それぞれの種類ごとに色、場所で分類することができます。
追加や変更も容易に行えるため、言葉を集めたり整理したりすることに役立つでしょう。
6. 単元の展開(4時間扱い)
単元名: ようすをあらわすことばをたくさんつかって、文を作ろう
【主な学習活動】
・第一次(1時、2時)
① 様子を表す言葉を集め、単元の見通しをもつ。
② 様子を表す言葉を分類し、それらを使って文を書く。
・第二次(3時、4時)
③ 様子を表す言葉を使って文を作る。
④ 書いた文を読み合い、単元の学習を振り返る。
各時の板書例と指導アイデア
イラスト/横井智美