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ウェルビーイングを学校でつくる! ~SDGsの授業プラン ~#04 「Goal 2 飢餓をゼロに」|藤原友和 先生

連載
ウェルビーイングを学校でつくる! ~カリキュラム・マネジメントで進めるSDGsの授業プラン~

北海道公立小学校教諭

藤原友和

全国各地の気鋭の実践者たちが、SDGsの目標に沿った授業実践例を公開し、子どもたちの未来のウェルビーイングをつくるための提案を行うリレー連載第4回。今回からはGoal 2。提案者は、北海道の藤原友和先生です。

編集委員・執筆/北海道公立小学校教諭・藤原友和

1 はじめに

皆さん、こんにちは。北海道で小学校の教員をしている藤原友和と申します。
この連載の企画と編集を担当しています。この連載は「1つのGoalに対して2人が実践を書く」という建て付けになっています。
読者にとっては複数のアプローチによる授業づくりが見られることで、「SDGsの授業プラン」を多角的に捉えることができるという利点がある一方で、執筆者にとっては「比較検討される」というなかなかにハードルの高い企画となっております。
特にGoal 2に関しては、私が「道徳授業づくりの大先輩」と尊敬してやまない木原一彰先生とのマッチアップとなっています。正統派の授業づくりは木原先生にお任せするとして、私は変化球で迫ってみたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

2 SDGsのGoal 2についての解説

Goal 2は「飢餓をゼロに」です。
本文は「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」とされています✳︎1。日本ユニセフ協会のHPを確認すると、「深刻な食糧不安を抱える人口の割合は11.7%」、「中程度の食糧不安を抱える人口の割合は17.6%」と、実に世界の人口の4分の1以上が何らかの不安があることが読み取れます。
さらに2020年の時点では飢餓人口が7億2170万人にも上っていて、この先さらに増えることが予想されるとの説明がありました*2。 この問題に関して、SDGs Goal2では5つの達成目標と、目標達成のための3つの方法を示しています。これらをまとめて「ターゲット」と言いますが、ここでは最も大切なターゲットであると思われる「2-1」を紹介します。

2-1 2030年までに、飢えをなくし、貧しい人も、幼い子どもも、だれもが一年中安全で栄養のある食料を、十分に手に入れられるようにする。

ターゲットの1つ目に「2030年までに飢えをなくす」と高らかに宣言されています。
もちろんその道は険しいものですし、日本で生活していると飢餓の状態にある生活を具体的に想像することは簡単なことではありません。
そして子どもたちと一緒に「自分にできることを」と考えるにしても、どこか生活実感から離れた理想論を語りがちになってしまうのではないかという危惧もあります。
つまり、課題と子どもたちとの間に「距離」があるテーマだと思われます。
一般的に、テーマと子どもたちとの間に距離がある場合は、教材を工夫して身近な素材を探すというアプローチが取られることと思います。
しかし、冒頭で述べたように今回の実践は「変化球」です。距離があるなら、距離があるままで教材化し、「子どもが自ら調べたくなる」ような提示の仕方をしてみようと考えました。小学6年生、道徳の授業です。

3 SDGsのGoal 2を扱った授業の実際

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