小1 国語科「日づけとよう日」板書例&全時間の指導アイデア

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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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文部科学省教科調査官の監修のもと、小1国語科「日づけとよう日」(光村図書)の各時の板書例、発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した全時間の授業実践例を紹介します。

 小一 国語科 教材名:日づけとよう日(光村図書・こくご 一下)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科専任講師・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属小金井小学校・橋浦龍彦

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、身近な日付と曜日を表す言葉について、語彙を豊かにすることを目指しています。
日付と曜日を表す言葉については、日常的に板書し、唱えている学級も多いことでしょう。1年生の12月頃になると、日付と曜日の漢字についても学習が進み、児童も漢字で書き表すことができるようになってきているでしょう。

国語の学習では、様々な読み方をする日付と曜日を表す言葉について正しく読み書きし、児童が日常的に使えるようにしていくことが大切です。教師は、児童が声に出したり、日付歌や曜日歌を作ったりする活動を楽しみながら語彙を豊かにしていけるよう、単元をデザインしていきます。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元の前に、児童は「一」から「十」の漢字、「日」「月」「火」「水」「木」の漢字を学習しています。上巻120、121ページの「かずとかんじ」において、手を叩く挿絵と共に豚を数える様子が扱われています。「一つたたくと、こぶたが一ぴき。」というように、「一つ」(ひとつ)から「十」(とお)まで、「一ぴき」(いっぴき)から、「十ぴき」「じっぴき」までの数え方を学んでいます。

「金」と「土」については、本教材で学習する教科書の配当になっています。また、児童は、「日」(か)、「火」(か)、「木」(もく)の読み方についても、本教材で初めて出会います。
しかし、児童が漢字を書くようになってからは日が浅く、定着を図っている最中でしょう。日付と曜日の中でも、特に「日」(か)に合う読み方で日付を唱えることができるようになるには、年間を通した着実な指導が必要です。

本教材では、一月から十二月まで、一日から二十日までの日付、日曜日から土曜日までの曜日を扱っています。「二十日」(はつか)など特別な読み方をする漢字も扱われており、「にじゅうにち」などの読み方をする児童もいることでしょう。一つ一つを覚えるという単なる習熟ではなく、児童が楽しめるように読んだり書いたりする活動を取り入れていけるようにしましょう。

私たちは、日常生活で2種類の数詞が混在する中で過ごしています。生活の中には、漢語系数詞(いち、に、さん、し…)と、和語系数詞(ひ、ふ、み、よ…)に加えて、英語(one,two,three,four…)もあります。
教科書の上巻「かずとかんじ」では、「つ」と「ひき」を扱っていますが、日本語では、他にも「こ」や「人」等の助数詞によって読み方が変わります。日付と曜日を表す言葉に限らず、教師がその違いを理解した上で授業に臨むとよいでしょう。
日付歌や曜日歌を唱えたり作ったりする活動を通して、「『二つ』(ふたつ)も『二人』(ふたり)も『二』は『ふた』と読むんだ。」というように、日付と曜日を表す言葉への見方を広げていけるようにすることが大切です。

授業においては、12月頃に学習することから、読み仮名付きのカレンダーを作る活動を取り入れて翌年に使うことができるようにしたり、1月以降も継続して学べるよう、日付と曜日を表す言葉のかるたを使って冬休み明けに遊んだりするなどの工夫ができます。
長期的な視点に立った授業づくりが大切です。

児童は、算数の時間で数詞についてはじっくり学んでいるでしょう。
しかし、数詞が混在する中で生活し、数詞を学んで日が浅い児童が、すぐに日付と曜日を表す言葉を正しく使うことは難しいものです。それでも、年間を通して児童に無理なく着実な指導を続けることで、少しずつ日付と曜日を表す言葉を獲得し、生活の中で正しく使うことができるようになるはずです。
例えば、単元後は日付と曜日を表す言葉の読み間違いや書き間違いを、教師が都度指導するばかりでなく、日常的な板書や宿題等で日付や曜日を書く際、読み仮名を付けるよう習慣化しておくと、より定着が図れるでしょう。

児童は国語科や算数科の学習をもとに、生活の中で様々な数の読み方を獲得していくことになります。例えば、和語系数詞で「一人」(ひとり)「二人」(ふたり)と数えますが、「三人」(みにん)ではなく漢語系数詞で「三人」(さんにん)と数えます。上巻の「かずとかんじ」や本教材で唱え方に興味をもち、理解を図っておくと、このような数え方に疑問をもったり、調べたりして学習が発展していくでしょう。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 日付と曜日を表す言葉を使うことに関心をもつ

いきなり教科書を読んで練習することも可能ですが、日付と曜日の読み方を知っている子にとっては、ただ読むだけでは退屈な活動になってしまいます。
また、正しい読み方や書き方を学級の全員が理解していない状況で唱え歌作り等の活動に進んでも、より個人差が大きくなってしまうため、指導に悩まれるのではないでしょうか。
知っている子が飽きず、まだ理解が十分でない子が着実に日付と曜日を表す言葉を学んでいくことのできる、柔軟な学習活動が求められます。

例えば、ペアやグループでのカレンダー作りです。12月頃に扱うことを予定している教材ですから、作ったカレンダーは自宅や学校等で活用できます。カレンダーには、日付も曜日も書く必要があります。交流している幼稚園・保育園の年長児や、入学後の新1年生へのプレゼントにするなどの工夫があれば、日付と曜日に読み仮名を付ける必要感も生まれます。一から作るのは負担が大きければ、教師が印刷したカレンダーに、日付や曜日の読み方を書き込ませてもよいでしょう。

また、かるた作りもできます。読み札を読み仮名、取り札を日付と曜日の漢字にします。
例えば、読み手が「『ふつか』の天気は雪です。」と読んだら、「二日」と書かれた札を取ります。読み札は、「ふつか」と読み仮名のみを書いてもよいですし、「『ふつか』の天気は雪です。」と書いて絵を添えることもできます。一人一人の実態に応じて、どこまで書くかを選んで取り組むようにすると、個人差にも柔軟に対応することができます。複数の読み札の例を示すと、児童が自ら選択できるでしょう。
日付や曜日の読み書きが難しい子が、読み札作りにこだわり、文や挿絵まで作りたいと言うこともあるかもしれません。そのような場合は、その子が1時間に一組しか作ることができなかったとしても大丈夫です。友達が作ったものとまとめてかるたにして遊ぶようにすれば、学級のみんなで楽しむことができます。

本稿では、児童が唱え歌やカレンダー、かるたから好きな物を選んで作るようにしていますが、学級で共通した物を作ることもできます。カレンダーやかるたなど、作った物を実際に活用できるようにすることで、児童が必要感をもち、柔軟に日付と曜日を表す言葉を学べるようにすることが大切です。

〈対話的な学び〉 友達と唱え歌やカレンダー、かるたなどを作る

一から十まで、日曜日から土曜日までの全てを使った唱え歌を一人で作ることは、児童によっては負担が大きくなります。カレンダーやかるたの場合も同様です。唱え歌を作る際、習ったばかりの漢字の書字や、「お日(ひ)さま大すき、日(にち)よう日(び)。」など、同じ漢字の複数の読み方を探すことが難しい児童もいるでしょう。

唱え歌の場合は、ペアで分担して二人の唱え歌としたり、短冊1枚に一人が1日分を書き、つなげて唱え歌にしたりします。みんなで声に出して読むことで、友達が作った唱え歌の面白さも感じることができるでしょう。

カレンダーの場合は、月ごとに分担することができます。児童の実態に応じて、一人で12か月分作ったり、数人で数か月分を分担したりするなど、調整ができます。

かるたの場合は、授業の時間の中で、何組の読み札と取り札を作るかは、それぞれのペースで問題ありません。隅に名前を書いておけば、友達が作った物と混ぜてかるた遊びをしても、誰が作ったものか分かります。友達が作った色々な札があると、よりかるた遊びを楽しみながら、日付と曜日を表す言葉を身に付けていくことができるでしょう。

このように、学級の児童の実態に応じた工夫が大切です。日付と曜日の語彙は、一朝一夕には身に付きませんから、本単元後も日常的に使用したり、作った物で遊んだりしていくことを通して、無理なく楽しく学べるようにしたいものです。

〈深い学び〉 作った物を継続的に活用する

唱え歌やカレンダー、かるたを作る活動で終わってしまっては、書くことに偏ってしまいます。
作ったものを活用することで、日常的に目にしたり、声に出したりするため、読むことになります。正しく読むことと書くことを往還することで、日付と曜日を表す言葉への学びが深まっていくでしょう。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

この時期になると、1年生にも児童一人一人に端末が配付され、使用し始めているでしょう。
各学校で使用しているクラウドを活用し、児童が完成した日付歌や曜日歌、かるたやカレンダーの写真を撮って保存しておくと、共有が捗ります。難しければ、教師が撮影もしくはスキャンしたデータを保存してもよいでしょう。

かるたであれば、日付と曜日の読み札は1枚ずつ作ってクラウド上に保存しておくだけで、同じ読み札をそれぞれの端末から表示することができます。端末に保存・表示された読み札に合わせて、「二日」「三日」等を書いた簡単な取り札がいくつかあれば、場所を選ばずかるた遊びを楽しむことができます。
同じ取り札でも、友達が作った読み札との違いを楽しむこともできるでしょう。また、複数の文を通して日付と曜日を表す言葉を学ぶことができ、深い学びにつながります。

6. 単元の展開(3時間扱い)

 単元名: つくってあそぼう 日づけとよう日

【主な学習活動】
・第一次(1時
① 唱え歌を歌い、日付と曜日を表す言葉に親しむ。
・第二次(2時
② 学んだ日付と曜日を表す言葉を使って、唱え歌やかるた、カレンダーを作る。
・第三次(3時
③ 作った唱え歌やかるたで遊ぶ。カレンダーは、家に掲示したり、家族や年長児、新1年生などにプレゼントしたりする。

板書例と全時間の指導アイデア

【1時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

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