パラリンピックを疑似体験! 小学校の人権教育(障害者理解)【スライドダウンロード可】

私たちはパラリンピック選手の生き方を通して、社会における人間の多様性、前向きな考え方や生き方、そして頑張ることの大切さを学ぶことができます。パラリンピック選手はさまざまな授業で取り上げられていますが、今回は、子どもにも大好評だった、パラリンピック選手を扱ったダイナミックで楽しい実践を紹介します。
指導/大阪府公立小学校教諭・松下隼司
劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらうコーナーです。

1 パラリンピック選手を招く
東京2020パラリンピックの開催を前に、車いすバスケットボール日本代表キャプテンを務めた根木慎志氏に、私の担任する6年生への出前授業をしてもらったことがあります。

子どものころから水泳やサッカーに親しんできた根木氏は、高校3年生の冬、交通事故で脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされました。
当初は「マイナスのことしか考えられず、車いすに乗る自分を恥じていた」と振り返ります。
しかし、車いすバスケのチームに勧誘され、根木さんの気持ちは180度変わりました。代表入りを目指し、懸命に練習に取り組みました。1996年アトランタ大会は最終選考で落選してしまいましたが、プレーする仲間の姿をテレビで見ていた根木さんは、「障害がありながらも、みんなが輝いている姿に感動した」と振り返ります。
そして、4年後のシドニー大会を目指そうと決心し、36歳でその夢をかなえました。
根木氏は現在、車いすバスケを体験してもらう出前授業を通じて、パラリンピックスポーツを広く知ってもらう活動に取り組んでいます。
「健常者も障害者も一つになって、すべての人が輝ける2020年になってほしい」と、子どもたちに話してくれました。
次は、1時間の授業の流れです。
- 自己紹介
- 車いすバスケのプレーを披露
- 車いすの乗り方
- 根木氏と一緒に車いすバスケをする
- 質疑応答
授業中、何度も子どもの大歓声が講堂に鳴り響きました。やんちゃな子どもも、勉強が苦手な子どもも大満足の授業でした。
パラリンピアンを招くには、講師料が必要になります(根木氏の出前授業は、人権教育講演会の名目で予算計画を立てました)。現役で活躍するパラリンピアンは講師料が高くなります。引退したパラリンピアンの講師料も、10万円ほどからです(引退したパラリンピアンの方が、出前授業の経験も多く、話し方や見せ方に慣れているかと思います)。
パラリンピアンの講師依頼については、「一般社団法人 日本パラリンピアンズ協会」のサイトに詳しく載っています。
https://www.paralympians.jp/
次のサイトでは、様々な種目のパラリンピアンの講師紹介を映像つきで見られます。
https://www.kouenirai.com/special/sports/paralympic.htm