私のChatGPT活用アイデア:都道府県の調べ学習|宗實直樹 先生(関西学院初等部)

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ChatGPTがもたらす教育パラダイムシフト
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ユーザーからの様々なリクエストに高度で自然な回答を返すAIサービス「ChatGPT」を、教育の現場でどのように扱ったらよいのか、教室での手探りの実践が始まっています。今回は関西学院初等部の宗實直樹先生から届いた実践事例の紹介です。

実践報告/関西学院初等部教諭・宗實直樹

単元について

4年生社会科単元「わたしたちの兵庫県」の学習に関する実践紹介です。単元計画は次の「単元マップ」のような感じです。

「本時」は上段右端の「兵庫県にはどのような特産物があるのだろう?」という問いを追究する場面にあたります。

ねらいは以下の通りです。

【ねらい】
「兵庫県の日本一」(日本一の数や日本一の生産量)を調べる活動を通して、「兵庫県の産業や特産物は、土地条件や気候条件を生かして生産されている」ことを理解できるようにする。

本稿で紹介する実践は、「本時」の学習内容が終わった後の発展的な学習にあたります。本実践に至るまでの概要は次の通りです。

  1. 「本時」で子どもたちは「兵庫県の日本一」を学習する。
  2. ある子が自主学習(本学級では追究と呼ぶ。以下、「追究」)で、「奈良県の日本一」と「埼玉県の日本一」を調べてきたので、教師が全員に紹介する。
  3. 他の子どもが「他の都道府県の日本一」も調べてみたいと提案する。
  4. みんなで相談して、全員がそれぞれ選んだ都道府県の「〇〇の日本一」を「追究」ノートにまとめ、来週の社会科の時間に一斉に広げて見合うことになる。

本実践は、それぞれの「〇〇の日本一」の追究をどのようにしていくべきなのかを考える1時間です。

Aさんが埼玉県の日本一を調べてきました。

これを参考にして前回みんなが提案してくれた『〇〇の日本一』をやっていきましょう! 追究した都道府県は地図に色をぬっていくことにする?

それいい!

どれだけできているかわかる。

でもなんか、大阪とか多そう。『たこ焼きが有名です−』って(笑)

じゃあ、みんなが調べなさそうなのをやったらいいやん。

でも、意味もなくかくのもなぁー。

ちゃんと自分が選んだ意味をもたなきゃ。

それはめっちゃ大切ですね。来週の月曜日に『いっせーのーで』で出しましょうね。かぶるかなー?

どこにするかめっちゃ考えよー。

ところで、その『追究ノート』に何を書くべきですか?

やっぱり有名な物。

ぼくはグローブが作られる理由を調べたい!

わたしは兵庫県なら淡路島でなぜ玉葱が作られるのか。

『なぜ』が必要だ。

そうだね。目には見えない意味や特色、これは大切。

たしかに『調べたきっかけ』はあった方がいい。

さっき話してたように選んだ理由はいるね。

うんうん、いいですね。その他、今ちょっとうわさの『ChatGPT』なら何を調べるといいか訊いてみる? 例えば、兵庫県だと何を調べるべきなのか?

え、そんなんできるんや!

そこで次のようにChatGPTに訊きました。

「兵庫県の日本一」を自主学習ノートにまとめるとしたら、どんなことを調べるべき?

その回答が次のものです。

「兵庫県の日本一」について自主学習ノートにまとめるためには、以下のようなことを調べることが重要です。

1兵庫県の地理や人口、経済状況などの基本的な情報
2兵庫県が誇る日本一の分野とその歴史や背景
3日本一に選ばれた理由や選考基準、評価方法について
4日本一のタイトルを獲得した団体や個人、その功績や取り組みについて
5日本一のタイトルを獲得した分野における兵庫県の現状や将来展望
6日本一を目指すために兵庫県が取り組んでいる取り組みや支援制度など

具体的には、以下のようなテーマで調べることができます。

・兵庫県の地理や人口、経済状況について調べる
・兵庫県が誇る日本一の分野とその歴史や背景について調べる
・兵庫県の日本一に選ばれた理由や選考基準、評価方法について調べる
・兵庫県が誇る日本一のタイトルを獲得した団体や個人、その功績や取り組みについて調べる
・兵庫県の日本一に関連する統計データや調査結果について調べる
・兵庫県が日本一を目指すために取り組んでいる取り組みや支援制度などについて調べる

確かに人口はあった方がいいかも。

歴史もわかる。

将来展望? 支援制度? なんか、難しいな……。

続きがないか訊いてみますね。

続きは?

すると、より具体的に回答してくれます。

また、以下のような具体的な日本一の分野について調べることができます。

・神戸ビーフや但馬牛などの和牛肉の生産量や品質について調べる
・兵庫県南部地域で栽培される「播州赤こんにゃく」の生産量や品質について調べる
・世界文化遺産に登録された姫路城の歴史や文化的価値、保存・修復活動について調べる
・兵庫県北部地域の競馬場である阪神競馬場の歴史やレースの開催、施設の設備・サービスについて調べる
・兵庫県西部の淡路島で栽培される「淡路島タマネギ」の生産量や品質、地域振興活動について調べる
・兵庫県の地域ブランドである「はりまや梅」の生産量や品質、販売・PR活動について調べる

以上のように、自主学習ノートにまとめるためには、兵庫県の基本的な情報から日本一の分野に関する詳細な情報まで、多岐にわたる情報を収集する必要があります。

あ、詳しくなった!

もうちょっと訊けるのかな?

もうちょっと訊いてみるよ。

それだけ?

『それだけ?』って(笑)

もちろん、これらの情報だけでなく、以下のような視点で調べることも重要です。

・情報の信頼性や正確性を確認するために、複数の情報源を参照することが必要です。
・調べた情報を整理し、自分なりの言葉でまとめることが大切です。
・調べた情報をつなぎ合わせ、自分なりの考察や意見をまとめることが必要です。
・自分なりのアウトプット方法を考え、まとめた情報を発表することで、自分の理解度を確認することができます。

以上のような視点を持ちながら、自主学習ノートをまとめることが重要です。それにより、より深い学びを得ることができます。

調べる時の参考になりますか?

あることはある。

地理、人口、歴史は入れたらよさそう。

功績、基準、評価とか、よくわからない所もあるなぁ。

先生、何か難しいから、4年生向けにはどうか訊いてみてください!

ほんまやね。ちょっと訊いてみよう。

4年生向けに教えて
兵庫県の日本一について、4年生でも理解しやすいように以下のようなポイントを教えてあげると良いでしょう。

1兵庫県のことを知ろう
まずは、兵庫県がどこにあるか、どんなところなのかを知りましょう。兵庫県の特産品や観光地、文化、歴史なども調べてみると、兵庫県の魅力を知ることができます。

2「日本一」とは何かを知ろう
「日本一」とは、ある分野で日本で一番優れていることを表す言葉です。たとえば、「日本一の水産業都市」とか「日本一の果物生産地」といったように、さまざまな分野で「日本一」があります。

3兵庫県の日本一を知ろう
兵庫県には、たくさんの「日本一」があります。例えば、神戸ビーフや但馬牛といった和牛肉、播州赤こんにゃく、淡路島タマネギ、はりまや梅、姫路城、阪神競馬場などがあります。それぞれの「日本一」について、どのような特徴があるのか、なぜ「日本一」になったのかを調べてみましょう。

4自分なりのアウトプットをしてみよう
最後に、自分なりのアウトプット方法を考えてみましょう。例えば、まとめノートを作ったり、プレゼンテーションをしてみたり、絵を描いたり、簡単なレポートを書いたりするなど、自分に合った方法でまとめてみることが大切です。

言葉づかいがめっちゃぼくら向けになった(笑)

でも、4年生『でも』って(笑)

特産品や観光地は確かに!

それぞれの特徴を調べるのは確かに大切だね。

もっと簡単に教えてくれるのかな?

よし、じゃあそのまま訊くよ(笑)

もっと簡単に教えて!
もちろんです!4年生向けに簡単にまとめますね。

兵庫県には、いろいろな「日本一」があります。
たとえば、神戸ビーフや但馬牛、はりまや梅、姫路城などです。
それぞれが、どうして「日本一」なのか調べてみましょう。
そして、自分なりのまとめ方を考えて、みんなに伝えてみましょう!

『もちろんです!』ってめっちゃやる気(笑)

これはちょっと簡単すぎるな(笑)

でも、なぜ日本一なのかを調べるのは大切。

確かに!

他の都道府県も訊いてみたい!

『都道府県』としてまとめて訊いてみるよ。

「都道府県の日本一」を自主学習ノートにまとめるとしたら、どんなことを調べるべき?

『みんなの教育技術』では「ChatGPT」を使った授業実践の事例レポートを募集します。ご寄稿いただける先生は、お問い合わせフォームより記事原稿のデータ(Word形式)をお送りください(編集部)※ご寄稿は掲載を保証するものではありません。

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