小2算数「表とグラフ」指導アイデア《みんなのすきなことを表やグラフに表そう》

特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
小2算数「表とグラフ」指導アイデア(3/3時)《データを通じての考察》

執筆/埼玉県さいたま市立芝原小学校教諭・佐藤三喜
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫

小二算数 年間指導計画

単元の展開

第1時 整理する観点に着目して、簡単なグラフや一次元表に整理する方法を知る。

第2時 データの多少や個数に着目してデータの特徴を考える。

第3時(本時)身の回りの事象についてデータを通じて考察する。

本時のねらい

学習内容の定着を確認するとともに、数量の多少、差に着目し、データの特徴を考えるという数学的な見方・考え方をふり返る。

評価規準

  • 簡単な事柄を分類整理し、グラフや一次元表に表したり、読み取ったりできる。(知識・技能)
  • 身の回りの事象についてデータを通じて考察している。(思考力・判断力・表現力)
  • 単元の学習をふり返り、価値付けたり、今後の学習に生かそうとしたりしている。(主体的に学習に取り組む態度)

本時の展開

二年生になって1週間ですね。みんなの好きなことや得意なことは何ですか。

外遊びが好きです。

私も外遊びが好きです。鉄棒が得意で、連続だるま回りに挑戦しています。

僕も鉄棒が好きです。逆上がりができます。

私は、教室で折り紙をするのが得意です。

みんな、好きなことや得意なことがいろいろありますね。みんなの好きなことを知ると、どんなよいことがありますか。

好きなことが同じ人と一緒に遊びたいです。

私は鉄棒が好きだけど、うまくできないので教えてもらいたいです。

そうですね。せっかく同じ2年2組になった仲間です。一緒に楽しんだり、教え合ったりして学び合い、ともに力を伸ばしていきたいですね。そのために、2年2組のみんなの好きなことを調べてみましょう。



みんなのすきなことが分かる「2年2組 しょうかいブック」をつくろう。

どんな好きなことを調べれば、友達と一緒に自分の力を伸ばすことができそうですか。

好きな遊びが分かると、休み時間に一緒に遊べて楽しいです。

鉄棒が苦手だから、鉄棒が好きな人がいたら教えてもらいたいです。

どんなことを調べれば、鉄棒が好きな人が分かりますか。

好きな外遊びを調べればいいと思います。

好きな遊具を調べても、鉄棒が好きかどうか分かりそうです。

好きな外遊び、好きな遊具を調べたいのですね。ほかにありますか。

外遊びだけでなく、折り紙や算数セットみたいに、教室でやる遊びも知りたいです。

遊びだけでなく、好きな勉強も調べてみたいです。

情報共有アプリに送った『すきなことカード』に「好きな外遊び」「好きな遊具」「好きな教室遊び」「好きな勉強」を書いて提出ボックスに送ってください。4つのほかに調べたいことがあったら、教えてくださいね。

すきなことカードの例

みんなの好きなことを分かりやすく表すためには、どうすればよいですか。

前の時間に習ったグラフや表をかいて調べると分かりやすいんじゃないかな。



いつでも使える「グラフと表」名人になろう。

見通し

どうすれば、「グラフと表」名人になれそうですか。

自分が知りたいことについて、正しいグラフや表をつくる。

グラフや表から、一番多いものや一番少ないものをまとめてみたいです。

自分と同じ人はどの位いるのかを調べてみたいです。

正しくグラフや表をつくったら、どんな特徴があるか調べることが大切でしたね。今回は、友達と一緒に自分の力を伸ばすために、みんなの好きなことを調べるのでしたね。友達と一緒に自分の力を伸ばすためには、調べた後、どうすればよいですか。

分かったことから、自分はどうしたいと思っているのかも書くとよい。

例えば、一番多い好きな教室遊びが自分と一緒だったら一緒に遊んで、違ったら教えてもらう。

例えば、自分の好きな外遊びが少なかったら、自分から誘って好きな人を増やす。

そうですね。グラフや表をつくったらどんなことが分かるか、自分はどうしたいのか、考えることが大切ですね。今まで学習したことを使って、紹介ブックをつくりましょう。

自力解決の様子

A つまずいている子

  • どんなことに注目すればよいのか分からず、グラフと表から特徴を読み取れない。
  • 正しい人数をグラフや表に表現できていない。

B 素朴に解いている子

  • カードから調べる観点を選び、好きなことをグラフや表に表現することができる。
  • データの特徴を基に、自分の考えを書いている。

C ねらい通り解いている子

  • 表現したグラフや表から、数量の多少、差などに着目して、データの特徴を複数読み取ることができる。
  • データの特徴と関連付けて、さまざまな観点から自分の考えを複数書いている。

学び合いの計画

本単元では身の回りの事象に関心をもち、データを整理する観点を定め、簡単な表やグラフを通じて特徴を捉え、考察できるようになることをねらいとしています。

イラスト/横井智美

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