ピース(PEACE)! 笑って納得の仲裁指導法【動画】
劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらう本コーナー。
ケンカやトラブルが絶えない教室では、子どもたちは落ち着いて過ごすことができません。その都度教師が厳しく押さえつけても、雰囲気は悪くなるばかり……。そこで今回は、みんながハッピーな気持ちになれる、ピースサインを使った仲裁指導法のアイデアをお届けします。
指導:大阪府公立小学校教諭/松下隼司
あなたもあなたも、同じ人間やで♪
子ども同士でも人間関係のトラブル、よくありますよね。休み時間のケンカ、SNSのトラブル、ゲームの貸し借り……。
陰口やいじめ。子どもは傷つきます。保護者も先生方も、大人だって傷つくでしょう。
いろいろな人間がいます。
(子どもたちに向けて手のひらを見せる)
(ピースサインをつくり、指の根本は片方の手で隠す)
例えばよく揉めるAさん(人差し指)とBさん(中指)。もうバチバチですよ。
「別々に見えるけども、同じ人間ちゃうん?」
(指の根本を隠している手を下げていき、ピースサインの全貌を見せる)
「ほら、つながってるやん! バチバチやってる違う人間に見えても、同じ人間やねんで。よう見たらほら、ピースやん!」
「平和やん!」
話のオチにいかがでしょうか?
子どもというのは、話を聞くだけでは言葉が入りにくいけれども、視覚的に目で見ると分かりやすいので、よく聞いてくれます。
さらに、子どもたちにも同じように手を動かしてもらうと、さらに効果てきめん!
体を使って短い言葉で、目で見て分かる、動いて分かる。
事前指導でやってもいいし、トラブルがあったときに、キメ台詞としてやるのもオススメですよ。
松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、様々なジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。
イラスト/したらみ