小1算数「ちがいはいくつ」指導アイデア(6/9時)《ブロックを用いた求差の求め方》
執筆/埼玉県さいたま市立浦和大里小学校教諭・伊藤佳祐
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫
目次
単元の展開
第1時 求残の意味
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第2時 求残の式
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第3時 被減数が10以内の減法計算
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第4時 計算カードを使った減法の計算
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第5時 0を含む減法の計算
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第6時(本時)半具体物を使用した求差の求め方
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第7時 求差の意味
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第8時 お話づくりを通した減法の意味
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第9時 学習内容の習熟・定着
本時のねらい
求差の場面で、半具体物(算数ブロック)を用いて式をたて、答えを求める。
評価規準
求差の場合について、減法の意味を理解し、減法の式に表すことができる。【知識・技能】
求差の場面を、減法として捉え、ブロック操作や減法の式に表し、説明している。【思考・判断・表現】
本時の展開
きいろい おりがみが 8まい あります。みどりの おりがみが 5まい あります。きいろい おりがみは、みどりの おりがみより なんまい おおいでしょうか。
絵の女の子は、何をしようとしているでしょう。
※イラストを掲示する。
チューリップをつくろうとしています。
黄色と緑の折り紙を使っているよ。黄色の折り紙は花で、緑の折り紙は茎と葉っぱかな。
でも、なんか黄色の折り紙のほうが多そう。
それぞれなん枚ありますか。
黄色は8枚あります。緑は5枚です。
では、確かめてみましょう。数えてみますよ。
(教師が掲示した絵を指さしながら)1、2、……。
やっぱり黄色は8枚。緑は5枚だね。
黄色のほうが多い。葉っぱの折り紙が足りないんじゃないかな。
そのようですね。では、黄色の折り紙のほうがなん枚多いでしょう。(問題を黒板に書く)前回の問題と、どんなところが違いますか。
今日は、「残り」という言葉がありません。
黄色の折り紙が、なん枚多いか考えるのだと思います。
今日は「なん枚多いのか」について考えていきましょう。
黄色の折り紙が、なん枚多いのか調べよう。
見通し
折り紙を並べて比べたらどうかな。
算数ブロックが使えそう。
絵(〇)をかいてもできると思うよ。
自力解決の様子
A つまずいている子
算数ブロックを使って並べようとするが、並べ方が分からない。
B 素朴に解いている子
算数ブロックを2段(上の段を黄色、下の段を白)に並べた後、黄色と白のブロックをペアにして、黄色が3個多いことが分かる。
C ねらい通り解いている子
黄色の5個のブロックと白の5個のブロックを1対1に結び付けて、「8-5=3」と、ひき算になることを説明している。
ワークシート例
学び合いの計画
まずは導入段階で、教師が「このイラストは何をしているところでしょうか」と問うことによって、日常生活での経験を想起させ、子供が問題場面を捉えやすくなるように工夫します。
また、それぞれの折り紙の枚数を問うことによって、イラストの折り紙を数えるだけでなく、バラバラに置いてある折り紙を色別に1列に並べて考えると、視覚的にも分かりやすくなるというアイデアに気付かせることも大切です。そうすることで、子供たちが黄色と白のブロックを2段に分けて並べて考えればよいという発想が期待されます。
イラスト/横井智美、やひろきよみ