基本がわかる!家庭科指導のポイント《6年:ナップザックを作る》
安全に楽しく活動することができるように気を付けたい指導のポイントや学習環境について紹介します。今回は6年生の「生活を豊かにするための布を用いた製作」で、「ゆとりの必要性」を理解できるようにします。この題材では、日常生活で使用する物を入れるためのナップザックや手さげ袋を製作することを通して、物を出し入れするためのゆとりの分量を考え、その見積り方を理解できるように題材を構成します。
執筆/神奈川県横浜市立公立小学校教諭・小笠原由紀
監修/前文部科学省教科調査官・筒井恭子
目次
生活を豊かにするものを作ろう:マイバッグ作り
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1時間目:作りたい!を形にするために
1時間目には、何を入れる袋を作るのか考えます。その際、複数の袋の見本を参考にし、自分が作りたいナップザックや手さげ袋の大きさを考え、製作への意欲を高めます。
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大きさが違う物やポケットが付いた物を用意したり、過去の子供の作品等を提示したりして具体的な仕上がりのイメージがもてるようにします。
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2・3時間目:試しづくりで、「ゆとりの必要性」を理解する
不織布や新聞紙を使って試しづくりをし、寸法を測ったり、自分が作りたい袋に必要な布の大きさを決めたりします。
試しづくりをすることで、ゆとりの必要性を理解するとともに、製作手順の見通しをもつことができます。
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5~8時間目:自ら学ぶ場づくり ~段階見本を活用して~
子供が自ら学ぶことができるように、ナップザックと手さげ袋の段階見本を掲示します。
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段階見本を掲示することで、細かい部分の縫い方など、自分の課題に応じて調べたり、製作の手順を確認したりしながら製作できるようにします。
段階見本の工夫 ~袋の構造の理解~
製作計画において、袋の構造を理解することに難しさを感じる子供のために、透ける素材を使った見本を用意します。見えない部分を「見える化」することで、袋の構造を理解しやすくします。また、子供の実態に合わせて教材を工夫することが大切です。
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1~9時間目:次の製作につなげる振り返り
毎時間の振り返りでは、自己評価を行います。自分自身で評価・改善を積み重ねることで、次時への課題をもって製作に取り組めるようにします。
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また、題材9時間目では、袋の製作方法を生かして製作できるペンケースやブックカバー等の見本を提示し、身近な布を使った物への興味や、製作への意欲をさらに高めることができるようにします。
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『教育技術 小五小六』2019年7/8月号より