小1算数「なかまづくりとかず」指導アイデア(11/14時)《ブロックを使った10の構成》
執筆/埼玉県日高市立高萩小学校教諭・佐藤道太
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫
目次
単元の展開
第1時 「たりるかな」一対一対応による、集合の要素の個数の多少や相当の比較
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第2時 「おなじ かずの なかまを さがそう」1~5個のものの数を数えることと、数字の書き方
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第3時 1~5の数について、具体物、半具体物、数図、数字、数詞を相互に関連付けること
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第4時 「5は いくつと いくつ」半具体物の操作による5の構成
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第5時 「おなじ かずの なかまを さがそう」6~10個のものの数を数えることと、数字の書き方
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第6時 6~10の数について、具体物、半具体物、数図、数字、数詞を相互に関連付けること
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第7時 「いくつと いくつ」半具体物による6の構成
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第8時 「いくつと いくつ」半具体物による7の構成
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第9時 「いくつと いくつ」半具体物による8の構成
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第10時 「いくつと いくつ」半具体物による9の構成
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第11時(本時)「いくつと いくつ」半具体物による10の構成
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第12時 10の構成の理解 数の構造的な見方を活用して、ものの数を数えること
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第13時 1~10の数の大小や系列
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第14時 1つもないことを0と表すこと
本時のねらい
10の構成を理解する。
評価規準
10の構成を理解し、10をほかの2つの数の和として捉え、10の合成・分解をすることができる。
10この ブロックが あります。
ブロックは いくつ かくれて いるでしょう。
皆さんが、使っている算数ブロック(教師用の大きい算数ブロックを提示する)です。いくつあるでしょう。数えてみましょう。
1、2、3、……、10。10個です。
10個ありましたね。それでは、このブロックを使って「数当てゲーム」をしましょう。これから先生がある一部分を隠します。隠したブロックは何個あるかを当てるというゲームです。ちょっとやってみますよ。(下のようにブロックを提示して)さて、隠れている部分はいくつでしょう。
6です!
本当ですか。確かめてみましょう(隠したブロックをゆっくり見せる)。
やっぱり6個です。
どうして6だと思ったのですか。
全部で10個ありました。そのうち、4つが見えていているので、隠れているところは、5、6、7、8、9、10で6個だと分かりました。
ということは、隠れているところが6だから、10はいくつといくつと言うことができますか。
10は、4と6です。
そうですね。10は4と6に分けられるんですね。4と6以外にも、10を分けることができますか。
できます。もっとたくさんあります。
それでは隣のお友達と、ブロックを隠して「数あてゲーム」をやってみましょう。
10はいくつといくつか、考えよう。
見通し
お友達と同じブロックを作って、隠れている部分のブロックを数えるとできる。
見えているブロックを数えて、あといくつで10になるか数えるとできる。
自分のブロックを10にして、友達の見えているブロックを取って残りを数えればできる。
自力解決の様子
A つまずいている子
- 友達から出されたブロックを見て、隠れたブロックの数を根拠なく言っている。
- いくつ隠れているか何も答えられない。
- 隠しているほうではなく、見えているブロックの数を言ってしまう。
B 素朴に解いている子
- 見えているブロックに続き、指を折りながら数えて10にして、折った指の数で答えている。
- 指で10をつくり、見えているブロックを指で折り、折っていない指の数を数える。
C ねらい通り解いている子
- 10の補数を捉え、見えているブロックの数に着目し、すぐに隠れているブロックの数を言うことができる。
学び合いの計画
子供どうしで「数当てゲーム」をした後、10はいくつといくつに分けられたか答え合わせをします。発表する際には答えだけでなく、答えの求め方を説明させるようにします。その後、「友達と同じやり方があったか」や「友達と違うやり方はないか」と発問し、目的を明確にして話し合うようにします。
これまで6~9までを、同じように2つの数に分ける学習をしてきたので、多くの考えが出ることが予想されます。そこで、ペアで話し合う活動を設け、自身の考えと友達の考えを比べてみて、数のペアに落ちや重なりがないか考えさせます。おそらく、子供は友達と見比べる際に、思い付くまま2つの数のペアを出し合うことが予想されます。そのため、答え合わせにも苦労するでしょう。
ペアでの話合いの後の全体での比較検討の場面では、「見えているブロックが一番小さい数はいくつかな」と発問します。その後、「1の次の数はいくつかな」と発問していき、見えているブロックが一番小さい「1」から次第に大きい数にしていくようにします。
そうすることで、落ちや重なりがないか一目で確かめることができます。また、見えているブロックが1ずつ大きくなると、隠したほうのブロックが1ずつ減っていることに気付かせることにより、関数的な見方も養うことができます。
ワークシート例
イラスト/横井智美、やひろきよみ