【小三小四】創意工夫を生かした係活動
中学年になった子供たちは、係活動への意欲に満ち溢れているはずです。年度はじめの学級づくりでは、係活動など、少人数での組織を生かした人間関係づくりを意識し、学級全体の活性化につなげていくことが大切です。これまでの経験を基に、子供たちが創意工夫した活動を自分たちでつくれるように、係活動を充実させていきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・江原和宏

目次
係の設置と所属決め
学級生活を豊かにする「係の設置」
係の設置は、自分たちの学級生活に本当に必要かをじっくりと考えたうえで行います。係の種類を出し合うときには単に、これまでに経験した係を出すだけにならないようにしたいものです。
そのためには、昨今の難しい状況ではありますが、他の学年や学級に取材をしたり、休み時間に遊んだ経験や楽しかった事柄などをヒントにしたり、活動を考えられるようにします。また、教師がこれまでに担任をした学級の係を紹介するのもよいでしょう。学級のためになる係活動を自分たちで考え、楽しい係活動の発足を促しましょう。
願いや思いを尊重した「係の所属決め」
係の所属決めをするときには、子供たちの願いや思いを尊重した話合いをしていきます。
まず、学級会で話し合って設定した係は、必ず誰かが所属するようにします。そうは言っても、人間関係が所属を左右することや、人数に偏りが見られて、調整が必要になることがあります。
活動内容によっては二つに分けるなど、活動意欲を優先した所属の整理をしましょう。
また、今までに経験のない係に挑戦するなどの助言をし、子供たち同士が譲り合って決めることができるようにすることが重要です。譲り合って物事を決めた経験は、その後の人間関係や学級全体の考え方を形成していきます。
活動意欲の尊重や、譲り合いのバランスを考えた決め方は簡単ではありませんが、一人ひとりが納得し、願いや思いを尊重した所属決めができるようにしていきましょう。
係の発足(活動計画)
見通しのもてる「活動計画書の作成」
学級生活を豊かにしようとする考えをもち、活動計画を立てることが大切です。活動計画書の作成は、学級全体に向けた周知にもなります。
活動計画書の例
〇係名 〇係のメンバー
- 活動のめあて
- 活動日時(いつ)
- 役割分担(だれが)
- 活動内容(何を)
- 活動に必要な用具や場所、時間
みんなで話し合って決めたことは、一人ひとりの活動への見通しにつながります。また、学級の一員として、これからがんばっていこうという思いも高められます。
教師は、活動計画書に無理がないかを見て、必要に応じて指導をし、創意工夫を生かした活動になるよう助言していきましょう。
