小5らくらくUnit 8「Who is your hero?」①【モトヨシ先生のスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 8「Who is your hero? ~ヒーローを紹介しよう」第1時(学級の早起きチャンピオンは誰かインタビューをしよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 8「Who is your hero? ~ヒーローを紹介しよう」全8時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
○単元のゴール
自分のヒーロー、あこがれの人を発表しよう。
○本時の目標
学級の早起きチャンピオンは誰かインタビューをしよう。
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・Who is your hero? My hero is ~. Why is ~ your hero? He/She is good at ~. およびその関連語句(always/usually/sometimes/never)などについて理解している。
〈技能〉
・日常生活やあこがれの人が得意なことなどについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手のことをよく知るために、日常生活やあこがれの人が得意なことなどについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手のことをよく知るために、日常生活やあこがれの人が得意なことなどについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。
【話すこと】やり取り・発表
●知識・技能
〈知識〉
・Who is your hero? My hero is ~. Why is ~ your hero? He/She is good at ~. およびその関連語句(always/usually/sometimes/never)などについて理解している。
〈技能〉
・日常生活やあこがれの人が得意なことなどについて Who is your hero? My hero is ~. Why is ~ your hero? He/She is good at ~. およびその関連語句(always/usually/sometimes/never)などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日常生活やあこがれの人が得意なことなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日常生活やあこがれの人が得意なことなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを話そうとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本のヒーローについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。
○言語材料
(表現)Who is your hero? My hero is ~. Why is ~ your hero? He/She is~. He is good at ~. Oh, I see.
(語彙)一日の生活(get up など)、性格(active など)、頻度(always など)、スポーツ(baseball など)、楽器(recorder など)
本時の流れ(例)
- 挨拶
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- どんな家事をやっていたかなクイズ
- 早起きチャンピオンは誰?
- Starting Out
- デジタル教科書 Sounds and Letters
- ふり返り
各活動の流れ
指導書には次のように記されています。
この単元の Starting Out は、大きく分けてp.74(日課)とp.75(あこがれの人)の2種類の会話から構成されている。そのためこれまでの単元とは異なりそれぞれ1時間に分けて指導するとよい。ワークシートを使用する場合も、構成が他の単元と異なっていることに注意したい。
私は、指導書の記載から自校化して授業構成を練り直し、本単元では、前半の1時目から3時目あたりまで「日課」の言語材料を扱い、4時目から8時目に「あこがれの人」を表現するための学習を行えるようにしました。そのため、Starting Out P74(日課)を1時目に、Starting Out P75(あこがれの人)を4時目に扱っています。
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②単元のゴール、本時のめあての確認
単元のゴール、本時のめあてを確認します。
Enjoy Communication(P78)の動画を視聴し、児童が本単元で扱う表現を知り、学習の見通しがもてるようにしましょう。動画を視聴させたら、どんな内容だったかペアで話し合わせるとよいでしょう。
③どんな家事をやっていたかなクイズ
教師とALTのクイズを効果的に活用して、always や sometimes などの「頻度」の表現と教科書P74にある田中先生の日課のイラストの英語での表現を学習します。
ALTや担任の先生が小学生のときにどんな家事を手伝っていたかなどのクイズを、動画を活用して作成しました。
例えばALTのZoe先生が、 “I always ……” と英語で発話します。ここで動画を一時停止して、「Zoe先生が小学生のときに“いつも”やっていた家事は何だと思う?」と問います。教科書P74のA~Dの4つのイラストを選択肢として与え、答えはどれかをペアで予想させます。
Zoe先生が小学生のとき……、
Do you think Zoe always cleaned her room?
If you think so, raise your hand, please.(→そうだと思う児童は挙手する)
Zoe先生が小学生のとき……、
Do you think Zoe always cleaned the bathtub? ……
Do you think Zoe always went shopping? Do you think Zoe always took out the garbage? も同様に児童に聞きます。児童に4つの質問をしたら、答えの動画を流しましょう。
選択肢から選ぶ簡単なクイズですが、ちょっとした工夫で、児童は意欲を高めて学習を進めることができます。
答えの動画を視聴したら、全体で頻度を表す always や I always clean my room. の表現を発話してみましょう。また、掃除の頻度を always, usually, sometimes, never で実際に児童に聞いてみるとおもしろいです。Do you always clean your room? Raise your hand, please. と聞いていきましょう。usually, sometimes, never でも同じように児童に質問してみましょう。
見本の動画を非表示スライドにして挿入してあるので、担任の先生やALTの動画に差し替えて活用してください。パワーポイントにはクイズの2問目(never)、3問目(sometimes)も準備してあります。参考にして作成してみてください。
③早起きチャンピオンは誰?
Picture Dictionary P20「一日の生活」には、児童が行うことが多い行動を表す語がたくさん収録されています。この中の get up を使って「友達が何時に起きるか」をインタビューすると、楽しい活動になると思います。題して「誰が早起きかF1レース」です。
スライドに説明動画、アニメーションが入れてあるので、これを使って行い方を説明してください。
まず、ワークシートを使って、本好先生、ALTのZoe、Timの起きる時間を児童に予想してもらいます。その際に英語の表現をなぞる「書く」活動も行えるようにしてあります。教師は、児童が記入している時刻を見て、You think Tim gets up at 5. I see. などと声かけをしながら机間指導を行いましょう。
児童が、3人の先生の起きる時刻の予想を終えたら、書いた内容を隣同士のペアで伝え合ったり、誰が一番早起きかを全体で予想させたりしてもよいでしょう。答え合わせの動画も用意してあるので、参考にして作成してみてください。順位発表のときに、表彰式ではおきまりのBGM、ヘンデルの「見よ、勇者は帰る」を入れてあります。ぜひ活用してください(笑)。
ALTと常にTTで授業をすることができない場合に、事前に録画しておくと単独でも授業を進めやすくなり、とても有効な方法です。動画に登場する先生は、担任やALT以外では、学年の先生や専科、教頭先生や校長先生にお願いしてもよいと思います。児童との関係性や関わりの深い先生などにお願いして、事前に録画しておきましょう。
私はクイズの最後に、早起きの理由に家から学校までの通勤方法の違いがあることを児童に説明しました。非表示スライドにして挿入してあるので、参考にしてください。
次は、児童同士で「クラスの早起きが誰か」についてインタビューしていきます。
まず、ワークシートに自分が起きる時間を記入します。ワークシートの一番下にある表彰台の図のところに、1位から3位までの予想を記入させておきましょう。
インタビュー活動に入る前に、全体で何度か発話しましょう。
インタビューしたら、友達が起きる時刻をワークシートに記入します。ワークシートは、表裏両面あって12名分を書き込めるように作成してあるので、活用してください。
中間指導に向けて、教師は児童の活動の様子を見取りましょう。どんな点を中間指導で扱うか、1つだけではなく、いくつか考えながら机間巡視を行います。
例えば、リアクションが上手に言えていない場合は、それを扱うのもよいでしょう。少し自由度を上げたい場合は「どんなやり取りを増やせるかな」「どんなやり取りをしてみたい?」と児童に問うてみましょう。
後半のインタビュー活動を終えたら、ワークシートのメモを見ながら、友達が何時に起きるかを他己紹介していきます。まず、スライドを活用して、児童に他己紹介の仕方を伝えましょう。
私の授業では、gets の発音のところでダンディ坂野さんの「ゲッツ」のギャグを入れてみました(笑)。今の小学生は「ゲッツ」のギャグを知りませんが、インパクトがあり印象には残ったようです。
教師は、児童の発表を聞きながら、黒板に児童の名前とその児童の起きる時刻を書いていきます。その際、最終的に誰が早起きチャンピオンか分かりやすいように板書していきましょう。時間がない場合は、何人かの児童が発表を終えたら、「○○さんより早く起きている人?」と挙手してもらい、挙手した児童に “What time do you get up?” と聞いていく方法で終えることもできます。
④Starting Out(P74)
教科書の Starting Out のリスニングです。本時にP74(ABCDの「日課」の4問)を扱い、第4時でP75(EFGHの「あこがれの人」の4問)を扱うようにするとよいと思います。
デジタル教科書には、映像用のクリックと音声用のクリックがあります。どちらを活用するかも先生の判断になります。私は、1問目を映像で見せ、2~4問目は音声のみという使い方をよくします。しかし、本時は③「早起きチャンピオンは誰?」クイズで登場人物の田中先生の日課を扱うので、すべて音声で行うこともできると思います。
Open your textbooks to page 74. Let’s try A, B, C and D today.
Now let’s listen.(通し再生をクリック)
通し再生のNo.1~No.4を再生し終えたら……
Now, let’s check the answer. No.1’s answer is A, B, C or D?
C.
Excellent. How about No.2’s answer?(No.1のときと同じ要領で進めましょう)
⑤デジタル教科書 Sounds and Letters(P93)
3文字の小文字のアルファベットを続けて聞いて書く活動です。本時はbbbの3文字とvvvの3文字を扱います。音声を録音してあるのでそのまま使ってください。実態に応じて複数回聞かせたり、Picture Dictionary P42 を開かせて児童がアルファベットを参考にできるように手立てを講じたりしましょう。
⑥ふり返り
本時の学習をふり返り、全体で共有しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
5年Unit8-1パワーポイント(57スライド)、ワークシート(2点)
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子