小3らくらくUnit 8「What’s this?」④【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」。今回は、Let’s Try! 1 Unit 8「What’s this? これなあに?」第4時の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材ひとつで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校3年生の「Let’s Try! 1」のUnit 8「What’s this? これなあに?」全5時の4時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本時の目標】
クイズ大会の準備をしよう!
【単元のゴール】
クイズ大会をしよう!
【単元の目標】
〇外来語とそれが由来する英語の違いに気付き、身の回りの物の言い方や、ある物が何かを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇クイズを出したり答えたりし合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に伝わるように工夫しながら、クイズを出したり答えたりしようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
〇What’s this? Hint, please. It’s (a fruit). It’s (green). It’s (a melon). That’s right.
〇it, hint, sea, 動物 (elephant, horse), spider
[既出]I like (blue). Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. No. Sorry. 数(1〜30)、果物・野菜、飲食物、動物、色、形、状態・気持ち、what, is, this, please
本時の流れ(例)
- 挨拶
- めあて
- チャンツ(ノーマル版、スピードアップ版)
- 足あとクイズ
- 3ヒントクイズ①
- 3ヒントクイズ②
- クイズの準備
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
②めあて
本時のめあてを確認しましょう。
③チャンツ
前時に行ったチャンツです。チャンツを行う時はアカペラで手拍子に合わせて一度やってからチャンツを行うことをお勧めします。今回は、スピードアップ版は前時の3時間目よりさらに速いものを用意してあります。活用してください。
④足あとクイズ(デジタル教科書P33 Let’s Play ②)
デジタル教科書と同等の問題です。クリックしながら進めてください。これまでに学習してきた What’s this? It’s ~. の形で児童とやり取りをしながら行いましょう。
⑤3ヒントクイズ①(デジタル教科書P32、33 Activity)
教科書と同等の3ヒントクイズです。児童自身がクイズを考える活動⑦につながるようにしましょう。まずは教科書の問題で英語の表現をたくさん聞かせ、クイズに挑戦させます。ここではクリックを1回すると1文の音声が流れるようになっています。大きな「まとまり」としていくつかの文を聞かせることも大事なので、実態に合わせてクリックのしかたを考えて使ってください。
1文ずつ聞かせる時のメリットとしては、児童の反応を見ながら進めることができるということです。また、聞かせた後に教師が繰り返すこともできます。さらに本時の授業で考えると、ここで聞かせている英語の1文1文をゆっくり丁寧に聞かせたいという意図もあります。
先に述べたように、ここでの表現が児童がクイズを出す際の例になります。上に記したように、児童自身がヒントを考える次の活動につながるようにしましょう。
:What’s this?
:Hint 1. It’s a fruit. (fruit などのカテゴリー).
:Hint 2. It’s red. (色など)
:Hint 3. It’s a triangle. (形など)
:It’s strawberry.
:That’s right. Thank you.
⑥3ヒントクイズ②
3ヒントクイズの出題のしかたを、より児童が理解しやすいように、スライドを準備しました。教師がヒントを3つ与え、児童に考えさせましょう。ここでも、教師が考えなければいけないのは、児童自身がヒントを考える次の活動につながるかということです。
板書にカテゴリー、色、形などと書いておき、教師がヒントを出す度にどのヒントを出しているかの指さしなどして、ヒントのつくり方を児童がイメージできるようにしましょう。また、次の活動がイメージできるような言葉かけを適宜行うのもよいでしょう。
⑦クイズの準備
実際に児童にクイズを考えさせていきます。学習形態はグループ、ペアなどが考えられます。私が実施した際は、3人のグループ活動として行いました。3ヒントクイズなので1人に1回ヒントを発話する機会を与えたかったからです。
グループの編成についても教師は配慮する必要があります。教え合いができるグループになっているかなど、グループ活動が成立するように考慮しましょう。
教師はALTと協力して、机間指導を行いましょう。使用できる語彙、つまり児童が理解できる語彙も限られているので、なるべくシンプルに考えさせるようにします。
スライドの3ヒントクイズの1つは、実際に3年生が考えたクイズも入れてあります。私たち大人が考えるよりも柔軟な発想から素敵なクイズを児童は考えることが多いと思います。そのたびに豊かな児童の発想の素晴らしさを感じます。
机間指導の際の指導のポイントを2つ紹介します。
・あるグループが「正方形だよって言いたいんです」と教師に聞いてきた場合はどうすればいいでしょうか?
この場合は、既習事項から考えられるか否かがポイントとなります。「正方形だよ」。この場合はUnit7の This is for you. ですでに学習しています。ここでALTが日本語を理解して「It’s square. だよ」と言ってしまっては答えを教えているだけで、児童の思考する機会をなくしてしまいます。グループ活動している児童の手を一度止め、教師は、「今、ここのグループのみんながヒントを出すときに『正方形だよ』って言いたいんだって」「みんなどうやって言えばいいかな」「近くの人と相談してみよう」などと問いかけるといいでしょう。児童から正しい表現を引き出し、言えなかったグループの児童たちに一度発話させましょう。
既習事項から考えられない場合は、教師やALTが表現を教えることはできます。できるだけシンプルな表現で伝え、児童がジェスチャーを付け加えることができるかなど考える必要もあるでしょう。
この単元の評価の1つに「相手に伝わるように工夫しながら、クイズを出したり答えたりしようとする。」とあります。言葉だけでなく、ジェスチャーなどを取り入れることができるか児童に考えさせる機会を設けましょう。
・クイズ大会で自信をもって発表できるように支援しましょう
ある程度ヒントを考え終わった時に、児童がクイズ大会で自信をもって発表できるように、相手に伝わるヒントクイズを出せるようになる支援を行いましょう。教え合いができるかを見取り、それでもできない場合はそっと教えていきます。
児童の豊かな発想を生かしつつ、実態に応じた柔軟なサポートができるようにして、最終的に児童が達成感を味わえるようにできるといいですね。
また、進度はグループ差もあるので、この時間内で終わらないことも考えられます。授業以外で時間を確保するなど手当てしましょう。
●クイズを出したり答えたりし合う。(思考力、判断力、表現力等)について評価しましょう。
⑧ふり返り
本時のめあてからふり返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称賛しましょう。また次時にクイズ大会を行うことを知らせておくと学習に継続性が生まれます。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子