小2国語「お手紙」指導アイデア

関連タグ

教材名:「お手紙」(光村図書 二年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)ク 〔思考力、判断力、表現力〕C(1)エ
言語活動:(2)エ

執筆/千葉大学教育学部附属小学校教諭・時田裕
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、千葉大学教育学部附属小学校副校長・大木圭

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元は、「お手紙」を音読劇で発表する活動を通して、「場面の様子に着目して、登場人物の行動を具体的に想像すること」をめざした単元です。音読劇の発表に向けて練習を重ねることで場面の様子を想像し、想像したことを音読で表現する機会をもつことになります。また、声に出して読むことで、内容を理解することをめざします。

②言語活動とその特徴

音読劇の方法はさまざまですが、ここでは三人班を編成し、役割を分担して読む形態を取り上げます。①かえるくん、②がまくん、③地の文、の三役を分担します。向かい合っての演技が難しい場合は、アイデア①のイラストで示したような向かい合わない方法で活動に取り組むとよいでしょう。

音読には、「自分が理解しているかどうかを確かめる働きや自分が理解したことを表出する」など、とても重要な役割があります。しかし残念ながら、音読が家庭学習に漫然と委ねられているのが実情です。音読を言語活動の中心に据えることで、子供たちが目的をもって音読を行うことができます。

単元の展開(10時間扱い)

主な学習活動

第一次(1・2時)

①『ふたり』シリーズには多くの本があることを伝え、「お手紙」の読み聞かせを聞く。
・教室の一角にシリーズ本を置き、いつでも本が手に取れるようにし、読書をすすめる。
・「お手紙」を読み聞かせし、感想や疑問を話し合う。

②活動の見通しをもつ。
・音読劇を行うことを伝え、必要な準備について考える。
・音読をし、登場人物や話者を確認する。

第二次(3~7時)

③音読劇に向け、登場人物の様子や行動について考える。
・二枚の挿絵(p.14〜15とp.22〜23)を並べて掲示し、物語の変化に気付くようにする。
・ほかの場面についても場面の様子を想像し、読み方を工夫する。

④⑤音読劇のリハーサルをする。
→アイデア1
・登場人物の「様子」や「読み方」について、実際に声に出しながら考える。
→アイデア2

⑥⑦ペア班をつくり、音読劇を聞き合う。
・音読劇の発表に近い形でのリハーサルを行う。

第三次(8~10時)

⑧⑨音読劇の発表を行う。
・自分が工夫した点について、発表する。
→アイデア3

⑩活動についてふり返る。

【発展】この本、読もう 『ふたり』シリーズの読書をすすめる。

アイデア1 両手を空けて音読することで、簡単な演技ができるようにする

音読劇では三つの役を分担して行うとよいことは既に述べましたが、役割によって極端に差が出ることは避けたほうがよいでしょう。「③地の文」の担当になった子供は、気持ちを込めて音読する場面が少ないことが予想されます。そこで、「がまくん」「かえるくん」の心情を想像し、それらを加えながら音読するとよいでしょう。

▼音読のスタイル

音読のスタイル

音読劇は、アニメのレコーディングスタジオの様子を子供たちに話しながら、イラストのような形にします。ブックスタンドや譜面台などを使うことで、両手を空けることができます。そうすると、両手を使って簡単な演技をする子供が出始めます。こうした子供たちを取り上げ、価値付けることで、多くの子供たちが、演技を行うことでしょう。

なお演技を行うことができない子供がいたとしても、国語科の学習としては音読が中心ですので、問題ありません。

アイデア2 登場人物の「様子」や「読み方」について、声に出しながら考える

子供たちは実際に声に出すことでアイディアを生み出し、音読のしかたを工夫します。最初に読み方を考える活動だけを行うと、子供たちの思考は固くなってしまいます。声に出しながら、登場人物の様子や読み方を考えたほうがよいと考えます。

読み方は、教科書に書き込みをさせながら考えてもよいでしょう。子供にとって少し難しいのは、〈場面や人物の様子〉と〈どのように読むか〉の二つの書き込みが、一緒とは限らないということです。
 
例えば、「ひょっとして、だれかが、きみにお手紙をくれるかもしれないだろう」という会話について、「元気付けようとして明るく読む」と考えたとします。このとき、「元気付けよう」が想像した場面の様子になり、「明るく」が音読のしかたになります。

大人は両者の区別が付きますが、子供は付かないことも多く、この違いに固執すると、かえってアイデアが出なくなってしまうことが予想されます。授業者が意識することは大切ですが、子供に求めすぎないほうがよいと思われます。

アイデア3 自分が工夫した点について発表する機会を設ける

音読劇の発表に向け、子供たちは一生懸命、練習を重ねます。しかし、場面の様子を想像して読み方を考えたとしても、実際の音読に反映されないことも多々あります。読み方のバリエーションは三通りくらいかもしれません。

そこで音読劇の発表を終えた後、自分が工夫した点について発表する機会を設けるとよいでしょう。例えば、「がまくんの『ああ。』『とても いいお手紙だ。』という台詞は、感動したことが分かるように読みました」などのような発表です。たとえ感動したことが音読劇の発表で充分に表現できていなかったとしても、場面の様子を想像したことを称賛してあげることができるのです。

なお、単元計画では、『ふたり』シリーズの本の紹介を単元の一時間目に行っています。このシリーズでは、二人の関係はいつも似ており、「お手紙」のなかに登場する「しんゆう」の意味を考えるのに役立つと考えるからです。

ですから読書活動でも、二人の「しんゆうエピソード」を見付けながら読むとよいでしょう。「お手紙」の二人の関係を考えるのに、役立つと考えます。

イラスト/川野郁代

『教育技術 小一小二』2020年10月号より

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
関連タグ

授業の工夫の記事一覧

雑誌最新号