小1生活「あきをみつけて、 あきとあそぼう」指導アイデア

執筆/大分県公立小学校指導教諭・武田文子
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智、大分県教育庁義務教育課指導主事・後藤竜太

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

秋の自然や昆虫を観察したり関わったりする活動を通して、秋の自然の様子や夏から秋への変化、季節によって生活の様子が変わることに気付く。

思考力、判断力、表現力等の基礎

秋の自然や昆虫を観察したり関わったりする活動を通して、秋の特徴や他の季節との違いを見付けることができる。

学びに向かう力、人間性等

秋の自然や昆虫を観察したり関わったりする活動を通して、それらを取り入れて自分の生活を楽しくしようとする。

単元の流れ(24時間)

こんな声や姿を学習につなげたいですね。

~図画工作科・国語科との合科的・関連的な指導~  

合科的・関連的な指導を行う際は、関連した教科の目標が、生活科の目標とともに実現されていくように活動を構成します。この事例のように、生活科の活動を基に表現活動を行うときには、国語科及び図画工作科の目標も効果的に達成できるようにすることが大切です。

学習の流れ

○「秋」について話そう(1時間)

・自分が知っている夏との違いや秋の特徴を出し合い、秋を見付けて遊ぼうと投げかける。

評価規準等
 これまでの経験や身近な自然の様子から、夏から秋へ季節が移り変わっていることに気付いている。

※評価規準等の=知識・技能、=思考・判断・表現、=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

○秋の自然や昆虫と遊ぼう(20時間)

※生活…9時間、図画工作…7時間、国語…4時間

落ち葉や松ぼっくりなどを拾う子供たち

・図画工作科との合科的・関連的な指導を行う。

図画工作科との関連の表

・国語科との合科的・関連的な指導を行う。

国語科との関連の表

評価規準等
 諸感覚を生かして、身近な秋の自然に関わったり遊びを楽しんだりしている。   

 自分たちの生活が身近な自然や季節の変化と関わっていることを実感し、それらを取り入れて生活を楽しくしようとしている。

「見付けた秋」について話そう(3時間)

① 「私が見付けた秋」を書き出す(絵でも言葉でも文でもよい)。

② ①の中から一番楽しかったことを「お気に入りの秋・おすすめの秋」として選ぶ。

③ 自分にとっての秋を「秋は〇〇」として伝え合うとともに、楽しかった活動や思いをふり返り、自分なりに表現する。

評価規準等
 「お気に入りの秋」について、活動をふり返りながら伝え合っている。  

 「秋」の特徴を言葉で表すとともに、自分たちの生活は季節によって様子が変わることに気付いている。

活動のポイント1 身近な自然や季節の「違いや特徴を見付ける」指導計画の工夫を!

低学年の子供は、初めから「秋は〇〇」と概念的に理解していないまでも、秋のものや季節の違いについて無自覚ながら気付いています。そこで諸感覚を働かせて「秋」を感じたり遊んだりするなど、対象へ直接働きかける活動を通して、秋の共通点や特徴、他の季節との違いを見付けることを大切にしましょう。

その際、気付いたことを多様に表現して考えたり、見付ける、比べる、たとえる、試す、見通す、工夫するなどの多様な学習活動を行ったりして、気付きの質の高まりを意図した指導計画を工夫しましょう。

活動のポイント2 生活科を中心とした合科的・関連的な指導で、一層の学習効果を!

イラスト/高橋正輝

『教育技術小一小二』2020年9月号より

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