小3・4外国語活動:グリーティングカードを送るアクティビティのポイント
グリーティングカードを送るアクティビティで思考・表現を促すポイントは? 小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生の好評連載です。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子
目次
Q1 グリーティングカードを作って友達に送る活動で思考・表現を促すためには、どのような手立てが有効ですか。
(『Let’s try1』P. 29 Activity)
A.事例を見せながら、一人ひとりが考えを膨らませられるような時間を確保して、作成したいという気持ちを高められるようにしましょう。
3年生の12月、低学年の頃よりも、周囲に目を向けることができるようになっています。子どもたちは、クラスメイトや同じ学年の友達、担任以外にも、日頃お世話になっている先生、習い事関係など、様々な人間関係の中で過ごしています。
教科書ではカードを送る相手は友達となっていますが、余裕のある子どもには、友達以外に宛てたものにも取り組ませてあげたいところです。
クラスの友達に向けたものは、おおかた、「サンキューカード」になるかと思います。
相手を友達以外に広げると、子どもそれぞれの状況が異なるため、
おばあちゃんに早く元気になってほしいから、カードをあげたい。
ダンス教室の友達にシーズングリーティングカードを出したいな。
など、いろいろ考えていくことになります。
カードを相手に送る活動まで行いたいので、1枚はクラスの友達に渡すとことにして、その他にも取り組めるようにするとよいでしょう。
送る相手が決まり、内容がイメージできてくると、どんな内容でどうやって作成しようかと、あれこれ思考・判断することになります。
3年生なりに主体的に行動できる活動とするため、子どもたちのやる気を刺激してあげましょう!
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Q2 音声を聞いて絵と英単語を線で結ぶ活動で、思考・判断を促すには、どのような手立てが有効ですか。
(『Let’s try2』P.29 Let’s Listen)
A.聞こえたことをメモにとることから、気付きを促すことができます。
ここでは、フルーツの缶詰めが “T-O-M-A-T-O. I’m tomato.”というように、『私は何缶でしょうクイズ』をしています。スペルを聞きとり、缶詰めの絵とtomatoの表記を線で結んでいきます。
音声は、聞けば一度は耳に残りますが、気付くところまで意識が向かなければ、すぐに記憶から消えていってしまいます。
そこで、子どもたちにメモをとるように言います。
聞こえたことをメモにとろう。一文字でもよいのでメモにとってみよう。
“T-O-M-A-T-O. I’m tomato.”と聞いてメモできるのは、初めは「T」だけかもしれません。でも、Tが聞き取れれば、それがヒントとなり、線つなぎに取り組んでいくことができます。1回目に聞いた時は頭文字しか聞き取れなかったけれど、2回目には、他の文字も聞きとれた。そんな子どもも出てきます。
何度か聞く中で、聞いたことをメモに残し、文字を頭の中で繰り返してみると、
次の文字は○○かな。
と、思考・判断できるようになります。
また、聞こえた文字の数で単語の長さを予測するなど、様々なことを考え始める子どもも登場すると思います。
さらっと流してしまえば、あっという間に終わらせられるアクティビティですが、メモを取ることから気付きを促す展開にすることで、子どもが思考・判断するきっかけとすることができます。
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長沼久美子
神奈川県公立小学校教諭。小学校英語教科書CROWN Jr. 編集委員。
(イラスト/本山浩子)
イラスト/横井智美