小1道徳「120てんの そうじ」指導アイデア

北海道公立小学校教諭

藤原友和

執筆/北海道公立小学校・藤原友和

小1道徳「120てんの そうじ」指導アイデアのイメージ画像
写真AC

内容項目

勤労、公共の精神

みんなのために働くことの喜びを知ったゆうやたちが、さらに意欲的に掃除に取り組む姿を通して、みんなのために働こうとする心情を育てる。

趣旨

働くことの意義は、何よりもまず「生活の糧」を得ることです。健康で文化的な最低限度の生活を送るために、働いて収入を得ることは必要条件です。しかし、収入があって生活が安定しているだけでは心身共に健康ではいられません。

働くことのもう一つの大切な意義は、自分の仕事が誰かの役に立ち、喜ばれることです。働くことで社会的責任を果たし、人間としての生活を成立させることができるということです。

こうした「勤労」の価値の指導に当たっては、教材をきっかけとして、日々の「みんなのために働くことのよさ」を感じた経験を話し合い、やりがいやそのことを通した自分の成長に目を向けさせるようにします。

清掃や給食などの当番活動、学級生活を充実させるための係活動などが考えられるでしょう。このような指導を通して、集団の一員として自分の役割を積極的に果たそうとする態度を育成し、将来の望ましい勤労観・職業観につなげていきます。

使用教材

「120てんの そうじ」(日本文教出版 一年)

ゆうやさんの班が教室掃除の担当になった週。班のみんなは掃除が大好きなので、がんばってそれぞれの仕事をした結果、いつもよりも早く終わります。「ほかにすることはないかなあ」と考えたゆうやさんは、乱雑に置かれた学級文庫の本をきれいに片付けることにしました。

ゆうやさんがやり始めると班のみんなも一緒にやり始めます。きれいに片付いた棚を見たゆうやさんは満足そうです。翌日の掃除の時には、ぞうきんを丁寧に洗います。

こうした様子を見ていた先生が「いつもは100点だけど、今日は120点の掃除だね」と嬉しそうに言います。ゆうやさんは、にっこりしながら「明日は、どこをきれいにしようかな」と教室を見回します。

この教材のポイントは、ゆうやさんたちが、

①もともと掃除が大好きであるということ
②自分から進んで仕事を見つけていること
③もっとやろうという意欲があること

という各点にあります。仕事だからやる、課せられた義務だからやるというのではなく、積極的に働くことの価値を見いだし、喜びを感じているということを押さえることが大切です。

つまり「自分が嬉しい」という心情に焦点を当てることで、ねらいがより明確になるでしょう。それに加えて先生の「嬉しそう」な様子にも目を向けさせ、働くことが「自他のため」になるということの意味を考えさせます。

本時の展開

①掃除当番で「働くこと」についての気持ちを共有する。

掃除当番の仕事が好きな人と嫌いな人は、それぞれどんな気持ちなのでしょうか

・きれいになると気持ちがいい
・めんどくさい。早く遊びに行きたい
・あたりまえのことだから別に考えない

今日の道徳は、どうやって考えたらいいのかな、という学習をします

②教材文を読み、話合いを通して「働くこと」についての考えを深める。

『ほかにすることはないかなあ』と言ったゆうやさんは、どんな気持ちなのでしょうか

・もう終わっちゃうのか。まだやりたいな
・ひまだな

ここでは、ゆうやさんが「進んで働きたい」と思って「楽しみながらやっている」ことを押さえます。遊びのような気持ちがある、というような意見もそのまま受け止めて聞きます。

先生に『120点のそうじだね』と言われた時、ゆうやさんたちはどんな気持ちでしたか

・嬉しいな。もっとやろう
・どうしてほめてくれるんだろう
・先生も喜んでいるからよかったな

自分が好きでやっていることが、ほかの人からも喜ばれることである、ということに気づかせるための発問です。

ゆうやさんはどんな思いで『明日は、どこをきれいにしようかな』と言ったのでしょうか

・もっと学校中をぴかぴかにしよう
・またほめられたいな
・そうじは面白いな
・先生、見ててね

先生が嬉しそうな表情になったことを受けてのゆうやさんの言葉です。子どもたちの意見には、掃除そのものに向かう気持ちと、先生にほめられたり喜ばれたりしたことに関わることの二種類が出るでしょう。

「どっちなんだろうね」と重ねて聞き、両派の意見をよく聞きます。意見を出し合ううちに、「どっちもあるんじゃない?」と気づく子どもが出てくるでしょう。

そうかー。じゃあ、『働くこと』って、自分がすっきりしたり、一生懸命にやって満足できたりするだけじゃなくて、周りの人を喜ばせることもできるんだね

③「一生懸命に働いた経験」について話し合う。

みんなのために働いて、自分も嬉しいし、ほかの人も喜んでくれたことはありますか

毎日の「仕事」の中で、どのような姿がこの価値に迫るものなのかについて考えを広げます。

板書例

板書例

評価

働くことが誰かのためになることについて考えを深められたか。

イラスト/小泉直子、横井智美

『教育技術 小一小二』2020年2月号より

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