小1生活「ふゆとあそぼう」指導アイデア
執筆/神奈川県公立小学校教諭・羽生大輔
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫
目次
期待する子どもの姿
知識及び技能の基礎
季節によって自然の様子や生活の様子が変わること、冬の自然物を使って遊ぶ面白さや自然の不思議さに気付いている。
思考力、判断力、表現力等の基礎
冬の自然の特徴や他の季節との違いを見付け、冬ならではの遊びや遊びに使う物を工夫してつくっている。
学びに向かう力、人間性等
冬の特徴を生かして生活を楽しくしたり、みんなと楽しみながら、冬の遊びを創り出そうとしたりしている。
子どもの意識と指導の流れ
(12時間)
こんな声や姿を学習につなげたいですね。
冬休みの思い出を話そう(1時間)
遊びや食べ物、行事など、冬休みの思い出について紹介し合う
冬休み、外で凧揚げをしたよ。
私はスキーに行ったよ。山は雪で真っ白だったよ。
みんなでおせち料理やお雑煮を食べたよ。
目指したい子どもの姿・気付き
ぼくも雪遊びをしてみたいな。
お正月にお餅を食べた人が多いね。
学校の周りにも、冬のものがあるのかな。
冬になって変わったところを見つけに行こう(校庭2時間+地域2時間)
校庭や地域(公園など)に、冬になって変わったところを見つけに行く
秋と比べてどんな様子だったかな。
中庭の池に氷が張っていたよ。
木には葉っぱが全然ないね。
目指したい子どもの姿・気付き
風が冷たくなったね。
桜の枝の先に、つぼみが膨らんでいるよ。
秋と比べて、生き物が少ないね。
見付けた冬について話そう(1時間)
校庭や地域で見付けた自然の様子、服装などの変化について紹介し合う
寒いから、みんな暖かそうな服を着ていたね。
池が凍るなんて、びっくりしたよ。プールにも氷が張るのかな?
目指したい子どもの姿・気付き
冬はほかの季節と違って、一番寒いね。
面白い氷をつくってみたいな。
みんなで冬の遊びや昔の遊びを楽しみたいな。
冬と遊ぼう(5時間)
冬の自然を生かした遊びや、寒くても楽しめる遊びをする
ビニール袋で凧をつくろう。
どうやったら凧が高く揚がるかな。
風でひらひらするように、凧にいろいろな色のテープを付けてみたよ。
おしくらまんじゅうをしてあったまろう。寒さに負けないぞ!
雪だるまをつくるよ。どこにつくろうかな。
雪が積もっているよ!雪合戦をしようよ。
目指したい子どもの姿・気付き
凧に風を当てるようにしたら、高く揚がったよ。
校庭で鬼ごっこをしたら、耳が冷たくなったけど、体はぽかぽかしたよ。
雪だるまは日陰に置くと長持ちするよ。
冬は寒いけれど、いろいろな遊びができて楽しいね。
四季の変化をまとめよう(1時間)
これまでの学習を振り返り、1年を通した季節の変化について話し合う
春は桜の花が咲いていたね。木の様子も変わっていったね。
夏は暑かったけれど、みんなでプールに入って気持ちよかったよ。
秋には虫がたくさんいたよね。
目指したい子どもの姿・気付き
生き物や植物、みんなの食べ物や服装が変わっていったね。
どの季節にも、楽しいことがあったよ。
私は菜の花が咲くから春が好き。次の春が来るのが楽しみだな。
活動のポイント1
子どもの体験や実感をもとに単元を始める
登下校中の様子や服装、食べ物など様々な話題の中に、冬を感じられる言葉が出てきます。普段から子どもたちの様子を観察したり、子どもたちと会話したりしましょう。
また、冬休みの思い出などを交流する中で、冬ならではの体験、伝統行事や昔の遊びなどの話題が出てくることも考えられます。そんな子どものつぶやきや発言をきっかけにして、単元を始めていきましょう。
子どものつぶやきを逃さない
教師も会話に参加し、身近な出来事から冬の言葉を引き出すのもよいでしょう。
冬休みの思い出を交流する
各家庭の状況などを踏まえ、交流することで嫌な思いをする子どもが出ないよう配慮します。 はじめに教師が、みんなに共通するような日常的な話題を話すことで、誰でも話しやすい雰囲気をつくります。
活動のポイント2
多様な活動を通して気付きの質を高める
イラスト/熊アート
『教育技術 小一小二』2020年1月号より