小6理科「てこの規則性」指導アイデア

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執筆/大阪府公立小学校教諭・土井智史
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿

小6理科「てこの規則性」指導アイデア
写真AC

単元のねらい

加える力の位置や大きさに着目して、これらの条件とてこの働きとの関係を多面的に調べる活動を通して、てこの規則性についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主により妥当な考えをつくりだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成します。

単元の流れ (三次 総時数 8時間)

一次 棒を使った「てこ」(4時間)

① 身の回りにある、小さな力で楽に作業ができる道具を用いて活動し、気付いたことを話し合う。

道具は、バール(釘抜き)などの道具が考えられる。角材に釘を打ち付けたものを用意し、どんなときに楽に釘が抜けるのか、手ごたえはどうかなど、調べる視点を確認しながら活動をし、気付いたことをまとめていく。

② なぜ、バールを使うと楽に釘が抜けたのかを説明しようという活動の中で、自分たちで調べていく問題を見いだす。

なぜ、バールの端を使うと楽に釘が抜けたのだろう。何かきまりがあるのかな。

③ 「てこ」「支点」「作用点」「力点」などの用語を確認し、棒を使って、てこのしくみを調べていく。

てこの仕組み

単元デザインのポイント

単元の導入は、主体的に学習に取り組むきっかけとなる大切な場面です。そのため、子供一人ひとりが直接体験できる場面を設定し、様々な気付きや疑問をもてるようにしていきましょう。一次の②のような活動の中で問題を見いだし、子供と共に学習計画を立てるようにします。

棒を使った「てこ」の実験では、位置を変える点、変えない点といった条件を決めることが大切です。その条件の基で実験を行い、手ごたえがどのように変化したのかを話し合わせていきます。

二次 てこのうでを傾ける働き(2時間)【活動アイディア例】

① 左右のうでで、おもりをつるす位置や重さを変えると、どんなときに水平になるかを予想する。

② 実験用てこを用いて調べ、てこの規則性を見つける。

三次 てこを利用した道具(2時間)

① 導入で行ったバールのしくみについて説明する。

② バール以外に、てこを利用した道具を探し、そのしくみについて話し合う。

道具の支点、力点、作用点はどこにあるのかな。

本単元は「エネルギー」を柱とした領域に位置付けられており、子供が自然事象を主に「量的・関係的」といった見方を働かせて追究することが大切です。実験用てこを用いた活動などを通して、おもりの数やおもりをつるす位置に視点を当て、それを変化させていくことで、左右に働く力(エネルギー)が変化していくことを捉えさせます。
また、身の回りには、小さな力で大きな力を生み出すことができる便利な道具がたくさんあり、てこの規則性が生活に生かされていることにも気付かせましょう。

単元の終わりに期待される振り返り

てこの仕組みを使ったいろいろな道具

てこのしくみを使った道具がたくさんあるんだね。小さな力でいろいろなことができて便利だね。

てこのうでを傾ける働きには、「おもりの重さ」×「支点からの距離」で表せることがわかったよ。支点からの距離が等しいとき、てこが水平だったら、左右の重さも等しいということになるね。

活動アイディア
~資質・能力の育成を目指して~

力の大きさを手ごたえだけでなく、おもりを用いて数値化し、てこの規則性を明確にしたいという意欲をもたせ、主体的に問題を解決できるようにしましょう。実験用てこの左右のうでがつり合うとき、支点からの距離とおもりの重さとの関係を表に整理し、その事実からてこがつり合うときの左右の関係性について、より妥当な考えをつくりだし、表現できるようにしましょう。

授業の展開例

自然事象への関わり(二次①の場面)

力点や作用点、支点の位置の違いで、手ごたえが全然違ったね。

手ごたえには個人差があるね。てこの仕組みをはっきりできないかな。

問題
左右のうでのおもりをつるす位置やおもりの重さを変えると、どんなときに水平につり合うのだろうか。

予想

左右のうでのおもりをつるす位置と、おもりの重さを反対にしたらいいと思うよ。

左右のうでを傾ける働きが等しいときに、水平につり合うと思う。

指導のポイント

学習のつながりを意識して

てこの規則性を手ごたえだけでなく、より明確にするための方法はないかを話し合う中で、支点からの距離や力の大きさを数値化することが必要であることに気付くことができるようにします。そこで、実験用てこやおもりを紹介し、てこの規則性を明確にしていくための学習へとつなげていくようにしましょう。

解決方法の立案と結果の見通し

手順がはっきりする実験方法を考えよう。左のうでのおもりの位置と数の条件は、そろえておこう。

条件制御の考え方で
教師からはポイントを提示し、子供が実験方法を考えていけるようにしましょう。


ここから二次②の場面

実験

おもりを使った実験

結果

おもりを使った実験の結果表

考察

支点からの距離が2倍になると、おもりの重さは1/ 2になっているね。反比例しているのかな。

結論
てこは支点の左右でうでを傾ける働きが等しいときにつり合い、その働きは、「おもりの重さ×支点からの距離」で表すことができる。

自分の考えを班や全体で話し合い、より妥当な考えをつくりだし、結論へと結び付ける
班によって支点からの距離や重さが違う複数の実験結果を基に話合いをします。班によって数値は違っても、数の増え方、減り方など、結果から見えてくる共通性を捉え、より妥当な考えをつくりだし、結論へと結び付けていくようにしましょう。

「量的・関係的」な視点で捉える見方や学習の有用性を意識させるポイント!

「量的・関係的」な視点で捉える見方については、単元デザインのポイントで示していますが、見方を豊かにしていくためには、子供が学習の中でその見方に気付いたり、発言をしたりしたときに、教師がそれを「よいことに気付いたね」と価値付けていくことが大切です。

また、この単元では、てこの規則性を利用した道具がたくさん紹介されます。学習の有用性を意識させるには、実際に自分で探したり、触れたりして、その道具の仕組みをてこの規則性と結び付けて考えることが必要です。


イラスト/高橋正輝、横井智美

『教育技術 小五小六』2019年12月号より

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