小3国語「つたえよう、楽しい学校生活」指導アイデア

教材名:「つたえよう、楽しい学校生活」(光村図書 三年上)

指導事項:話すこと・聞くこと オ ア
言語活動:イ

執筆/香川大学教育学部附属坂出小学校教諭・尼子智悠
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、京都府公立小学校校長・藤本鈴香

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、自分たちが伝えようとすることについて、司会や提案の役割を理解するとともに、全体やグループといった話合いの規模に応じて、それぞれの考えの共通点や相違点を考えながら進行に沿って話し合い、結論として意見をまとめていく力を付けることがねらいです。

②言語活動とその特徴

本言語活動では、家の人に、自分たちが楽しいと感じている学校生活の様子を伝える際に、何をどのように伝えれば、より家の人に分かってもらえるかを、グループで話し合う言語活動を位置付けます。

学校生活の様子は、子供たちにとって身近な話題であり、話合いをするうえで大切な意見や理由が容易に想像でき、その妥当性や代案も吟味しやすくなります。このように話合いに深まりが出ることで、より付けたい力の育成につながります。

また、司会者だけでなく参会者もそれぞれの意見の共通点や相違点を意識しながら話し合うことで、話合いに深まりが出ることを感じられるでしょう。

小3国語「進行を考えながら話し合おう」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元の展開(14時間扱い)

主な学習活動

(1~2時)

①学校生活のなかで、家の人に伝えたいことは何があるか、意見を出し合う。

②どの活動のどのようなことを家の人に伝えるかを決めて、実際に伝えるための学習の計画を立てる。

(3~12時)

③相手や目的を確認し、学習発表会で発表することを決める。

④話合いで必要な役割と、よい話合いのしかたについて考える。
→アイデア1 主体的な学び
・それぞれの役割を理解する

⑤~⑧グループで、どのように説明するかを話し合う。
・自分の役割を自覚し、意見と理由を明確にしながら話合いを進める。
→アイデア2 対話的な学び

・役割を交代しながら、どの子もそれぞれの役割を経験できるようにする。
→アイデア3 深い学び

⑨話合いのしかたについてふり返り、まとめる。

⑩~⑫発表するためのメモを作成し、練習する。
・内容に合うようにインタビューしたり、見せる資料を探したりする。

(13~14時)

⑬家の人に発表する。

⑭単元のふり返りをする。

アイデア1 これまでの話合いをふり返り、課題をつくる

主体的な学び

これまでに学級でしてきた話合いのしかたについてふり返ります。そのなかで、「時間を守って話合いがまとまっていたか」「発言力が強い人の意見に取り込まれていなかったか」など、うまくいったこと、いかなかったことを想起させましょう。

話合いの様子をデジタル機器で撮影していて、見せることなどしても効果的でしょう。自分たちの話合いのしかたについて課題意識をもたせることで、よりよい話合いのしかたを学ぼうとする必要感が生まれてくるでしょう。

話合いの様子をデジタル機器で撮影していて、見せることなどしても効果的でしょう。

▼話合いの様子を映像で見た後の振り返り

このときは、意見がたくさん出たことはよかったね。でも、決められた時間ではまとまらなくて困ったよ。

どうすれば、時間内にまとめることができるのかな。時間の使い方がぼくたちの課題だね。

たくさん意見は出たけれど、何度も意見を言っている人の考えに決まったね。ほかの意見も、生かせなかったかな。

アイデア2 よい話合いのしかたに気付く

対話的な学び

ここでは、話合いの基本的な役割を理解させ、その役割に応じていつでも話合いが行えるようにしましょう。話合いの基本的な役割として、「司会者」「記録者」「発表者」「タイムキーパー」が挙げられます。

下表のような役割を理解し、それぞれの子供が責任をもって役割を果たすことで、問題を解決したり話合いを深めたりできます。そして、役割を果たしながら対話することを繰り返すことで、子供たちがそのよさを実感でき、国語のみならずさまざまな場面で、自分たちの話合いに生かしていこうとするでしょう。

【話合いの基本役割】

イラスト/佐藤道子、横井智美

『教育技術 小三小四』2019年9月号より

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