小4理科「天気と気温」指導アイデア
執筆/福岡県公立小学校教諭・黒川裕之
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・福田修二
目次
単元のねらい
天気と気温の変化に着目して、それらを関係付けて、一日の気温の変化を調べる活動を通して、天気の様子と気温との関係についての理解を図り、観察・実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。
単元の流れ(総時数 6時間)
一次 天気と気温の関係について話し合う
① 天気によって気温が違うことをこれまでの経験を基に話し合う(1時間)
②③ 一日の気温の変わり方と天気を調べる(2時間)
④ 観察した記録を折れ線グラフに表す(1時間)
⑤ 天気によって、一日の気温の変わり方にどのような違いがあったのかまとめる(1時間)
⑥たしかめよう 学んだことを生かそう(1時間)
気温の測り方
- 周りがよく開けた風通しのよいところで測る。
- 地面から1.2~1.5mの高さで測る。
- 日光が直接、温度計に当たらないように測る。
単元デザインのポイント
『気温の測り方・記録を正しく』
温度計の正しい読み取り方を指導し、正確に気温を測ることや、折れ線グラフの表し方と読み方を押さえ、子供に観察の見通しをもたせよう!
『グラフの変化の違いに着目』
経時変化や天気による変化に着目し、気付きや疑問をもたせよう! 「問題」が生まれ、学びが主体的に!
〔見方〕
主として「時間的・空間的」
数日間観測、定点観測する場所
(運動場・百葉箱など)、観測方法(温度計・自記温度計)
「時間的・空間的」というメガネで見てみよう!
〔考え方〕
「晴れた日」と「曇りや雨の日」の気温の変化を「比較し」考える。
- 「晴れた日」→日中に気温が上がる山型のグラフ
- 「曇りや雨の日」→高低差の小さい型のグラフ
一日の気温の変化のしかたと天気とを「関係付けて」考える。
単元の導入はこうしよう!
運動場のタンポポの様子です。どう違いますか?
午前9時ごろは開いていないね。
お昼ごろには開いているね。
★時間ごとの生き物の「違い」に目を向けて
曇りや雨の日の12時ごろはどうですか?
太陽が出ていないからかな。
前の学習で、暖かいと花が咲いたから、気温も関係しているのかな。
天気と気温の変化に何か関係があるのかな?
活動アイディア
資質・能力の育成をめざして
一日の気温の変化と天気を正確に記録するために、温度計の読み取り方やグラフの表し方・読み方の指導を大事にしていきましょう。
また、百葉箱や自記温度計を活用することで、定点観測をするのに都合がよいことや長期にわたって継続して観測ができることのよさなども指導できます。
正確な観測記録という事実に基づき、天気と気温の変化を関係付けることで、根拠のある予想を発想する力や、より妥当な考えをつくりだす力の育成につながります。
授業の展開例
天気と気温 第一次 2~5時
イラスト/横井智美、たなかあさこ
『教育技術 小三小四』2019年5月号より