小1算数「いくつといくつ」指導アイデア
執筆/富山大学人間発達科学部附属小学校教諭・屋鋪善祐
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、富山県公立小学校教頭・萩中泰弘

目次
本時のねらいと評価規準
[本時 3/7 5や6の構成について学習した後]
ねらい
5や6の構成をもとにして7の構成について調べ、7を他の数の和や差としてみるなど、他の数と関連付けて考える。
評価規準
7の構成について調べ、一つの数を他の数の和や差としてみる見方について考えている。[数学的な考え方]
問題場面

今日は、「合わせて7文字をつくろうゲーム」をしましょう。例えば、「けしごむ」だと何文字ですか?
「け」「し」「ご」「む」で、4文字です。
「けしごむ」と何を合わせれば、7文字になるでしょう。
「えんぴつ」を合わせればどうかな。「えんぴつ」は4文字だから、「けしごむえんぴつ」で、合わせると8文字になってしまいます。
「けしごむ」なら、3文字のものじゃないといけません。
「ぼおる」なら3文字だよ! 4文字と3文字で、合わせて7文字ができるのですね。
他にも、合わせて 7文字になるものがたくさんありそうですね。
本時の学習のねらい
どうすれば、合わせて7文字になるものを見付けられるかな。
見通し
学校内で見付けたものを「名前カード」に書き、その文字数を合わせて7文字をつくることを問題として提示します。言葉を対象とした活動の場を設けることで、念頭による数の合成・分解に慣れさせることを意図しました。数の構成では、ともすると数の組み合わせの暗記が中心になりがちですが、具体的な操作を繰り返し行いながら、徐々に念頭での操作へと移行していく過程が大切です。
前時には、5や6の組み合わせについて、算数ブロックを操作して確かめたり、組み合わせを数図に表して確かめたりしました。本時でも、子どもから挙がったものの名前を1文字ずつます目の中に書き入れて示したり、算数ブロックに置き換えたりしながら、文字の数を量的に捉えられるようにします。その際、7文字の枠を示しておくと、片方の文字数がわかれば残りの文字数がわかるようになり、見通しをもって調べられるようになります。
自己解決の様子
A つまずいている子
指を折って文字数を数えながら見付けているが、全ての数の組み合わせを見付け出せていない。

B 素朴に解いている子
7文字になるものをたくさん見付けているが、順 序を考えていないため、 同じ数の組み合わせのものもある。

C ねらい通りに解いている子
1と6、2と5など、順々に見付け出している。

学び合いの計画
子どもたちが見付けたペアを板書します。マス目の中に1文字ずつ書いて、どれも全部で7文字であることが捉えやすいようにします。また、「1と6で、7」「2と5で、7」のように組み合わせを数で表しておくなど、数の合成・分解が念頭でできることに向けた手立ても大切です。
学び合いでは、「合わせて7文字になる組み合わせは全てあるかどうか」について、全体で確認します。見付けた組み合わせのカードを並び替えたり、 数を観察したりしながら、子どもたちが規則性に気付くことができるようにしていきます。
板書例

全体発表
どんなものを合わせて7文字にしましたか?
「ほん」と「らんどせる」です。
「2と5で、7」になるものですね。
ぼくも「ほん」と「らんどせる」 を見付けたけれど、「5と2で、7」の仲間にしました。
「2と5」を入れ替えれば 「5と2」になります。
前と後ろの数を入れ替えると、どうなるでしょう?
前と後ろの数を入れ替えても、合わせて7になるのは同じです。
合わせて7になるものが見付けやすくなります。
ぼくは、「2と5で、7」の「2」を「1」にして、代わりに「5」を「6」にして、「1と6で、7」のものを見付けました。「え」と「きゅうしょく」です。 前の数を1小さくして、後ろを1大きくしました。
だったら、「3と4で、7」もあるんじゃないですか? 前の数を1大きくして、後ろを1小さくします。
本時のまとめ
前と後ろの数を入れ替えても、同じになる。 ペアの数の片方が1大きくなると、もう一方が1小さくなる。
学習のまとめでは、どうすると合わせて7になるものがうまく見付けられるようになったかについて、子どもの言葉でまとめていきます。
評価問題では、学習したことを生かすと、うまく考えられるようになったことが実感できるような問題場面を設定します。
評価問題
あわせて7もじになるペアをつくりましょう。

解答例

感想例
- 前と後ろを入れ替えたり、前を1大きくして後ろを1小さくしたりすると、とても便利でした。
- 合わせて7文字になるものが、簡単に見付けられるようになりました。次は、合わせて8になるものも見付けたいです。
イラスト/コダシマアコ 、横井智美
『教育技術 小一小二』 2019年5月号より