ページの本文です

【中1・国語「レポートを書こう(出典の書き方)」】自分で決める、学びの姿──生徒自身が学びをデザインする授業〈デジタル×深い学び〉

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

板橋区立志村第一中学校では、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実をめざし、「自由進度学習」を積極的に実践しています。生徒自身が自己調整を図りながら学習を進めることで、主体的な学びを実現するとともに、デジタルを活用した他者参照などによって、対話的な学びにも取り組んでいます。今回は、自由進度学習による授業実践のなかから、中学1年生・国語科「レポートを書こう(出典の書き方)」の授業(小島一樹教諭)を紹介します。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の10回目です。記事一覧はこちら

板橋区立志村第一中学校

教育内容の特色の一つに「ICT社会を生き抜く総合的な学力育成」がある。令和2年度より、板橋区による保幼小接続・小中一貫教育を実践している。

[授業のはじめ]
「学び方シート」への記入で学習方法や使う資料をチェック

今回、中学1年生の国語科の授業を担当する小島先生は、かねてより、積極的にデジタルを活用した自由進度学習の実践を行ってきました。この日の授業では、「レポートを書こう」の事前学習として、「出典の書き方」について調べ、スライドにまとめる授業を行いました。

授業冒頭、小島先生から、レポートや出典・引用についての概要や、授業の流れとゴールについて簡単な説明があった後、「学び方シート」と呼ぶスプレッドシートに生徒が記入します。シートには、「今日の学び方」「その学び方をする理由」「使う資料」の3つの項目があり、生徒自身で学習計画を立てます。

学び方シートにおける「今日の学び方」欄には、個人での学習と、友達との学習をどのくらいの割合で行うのかを入力する。なお、学び方は途中で変更してもよい。

生徒が学び方シートを記入している間、小島先生は「著作権」という重要なキーワードを出しつつ、レポートや出典、引用、参考文献などについてミニ解説を行います。

レポートを書く際、出典を示さずに文章や図などを無断で使用すると、「著作権」に引っかかってしまう場合もあるから、注意が必要なんだね。

学び方シートの記入が一通り終わったところで、小島先生の声かけによって学習がスタート。生徒は各自、調べ学習とスライドの作成に取り組みます。

一人で進めても、席を移動して誰かと進めてもいいよ。好きな形を自分で選んで始めよう。「どうしたらいいかな?」と迷う人は、先生に聞きに来てね。

●指導のポイント
学び方シートの「学び方の理由」欄に、「まずは自分の力だけでスライドを作ってみて、迷ったり困ったりすることがあったら、友達の意見を参考にしたい」と記入した生徒がいました。こうした、生徒自身で学習を計画、進行を管理できるようにする仕組みが、主体的な学びの実現につながります。また「著作権」といったキーワードをヒントとして出すことで、生徒の調べ学習を促進し、学習内容の理解を深めることもポイントです。

[授業のなか]
資料の選択や他者参照によって、複線型学習も実現

生徒は、小島先生から提示された「なぜ引用する際には出典を明示しなければならないのか」「出典の書き方」「引用するときの注意点」の3点について調べ学習を行い、スライドにまとめます調べ学習は、教科書、小島先生が用意したプリント、インターネットの3つから、自分自身に合った資料を選択し、各自学習を進めます。

インターネットとプリントを組み合わせて、調べ学習およびスライドの作成を進める生徒も。

調べ学習と並行して、スライドの作成も進めます。文章でまとめる生徒がいれば、図や写真、イラストを使ってまとめる生徒もいました。

スライドは、「わかりやすく、美しく」を意識しよう!

自分のスライドに、誰かの言葉や図、イラストを使うときは出典元を示さなくちゃいけないよね…?

写真やイラストも活用して、わかりやすいスライドを作成する生徒。
この記事をシェアしよう!

フッターです。