【個別最適な学び】3つのステップで進める「単元内自由進度学習」
子供が自ら学習計画を立てて自分のペースで進める「単元内自由進度学習」。この学習方法の研究を20年以上行い、全国の学校の指導に当たる東京学芸大学非常勤講師・佐野亮子先生に「単元内自由進度学習」の特徴や準備の仕方、進め方、教師の関わり方などを伺いました。
監修/東京学芸大学非常勤講師・佐野亮子

目次
単元内自由進度学習とは
単元の学習のはじめに行われるガイダンス(導入)と、単元の終わりに行われるまとめの時間を除いた、その単元の授業時間のほとんどを子供が1人で学び進める学習方法のことを単元内自由進度学習と呼びます。そのため、「教科の1人学び」「教師が直接的に教えない(間接的に指導する)授業」とも表現できます。
また、実践の特徴から、自分のペースで学べるので「自由進度学習」、1人で学ぶので「個別学習」、自分が立てた計画に沿って進めるので「マイプラン学習」、教師に頼らず自分で頑張るので「チャレンジタイム」など、実践者や実践校で独自の呼称が付けられています。個別最適な学びを実現する授業としても注目されつつあります。
単元内自由進度学習の特徴
子供にとって
・自分のペースで学習ができる。
・様々な選択の機会があることで学習意欲が高まる。
・自分にとっての学習効果が上がる。
教師にとって
・単元を見通した教材研究ができる。
・子供を「見取る」機会を得て、児童理解が深まる。
・直接的な指導がない分、事前準備に時間と労力が必要となる。
どのような資質・能力の育成を期待できるか
・メタ認知を高め、学習の自己調整力が育つ。
学習の計画を立てたり、学習の見通しがもてたりする。うまくいかないときや予定通りにいかないときにはリカバリーできる。また、子供が困ったときには助けを求めることができる。
・メタ認知を高め、自己肯定感を上げる。
自分の得意なこと、自分らしい学び方があることに気付く。他の人と自分との違いを尊重できる。