小6国語「あの坂をのぼれば」板書の技術

今回の教材は、「あの坂をのぼれば」です。本単元の目標は、「情景描写に着目し、主人公の心情を考えよう」になります。そのため、登場人物の心情の変化が分かる心情曲線や色チョークなどを使って課題に迫りやすくする板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立学校教諭・新藤美和子(野っ原詩の会)
単元名 情景描写に着目し、主人公の心情を考えよう
教材名 「あの坂をのぼれば」(教育出版)
目次
単元の計画(全3時間)
- 全文を読み、感想を交流し、学習計画を立てる。
- 繰り返し出てくる表現について、そのときの主人公の心情を考える。
- クライマックスの場面を探し、主人公の気持ちの変化を考え、感想を交流する。
板書の基本
〇登場人物の心情の変化が分かる板書
教材「あの坂をのぼれば」は、登場人物である「少年」の心情を想像しながら読むことで、思春期独特の感情について考えていきます。2/3時間目の板書では、「少年」の態度やしぐさ、心の声から繰り返しの表現である「―あの坂をのぼれば、海が見える。」のせりふに込められた「少年」の心情を時系列でまとめていきます。上段が描写、下段に「少年」の心情をまとめていきます。その際、山道の続く過酷な道筋が分かるように、曲線で表し、海が見えないことでくじけそうになる心情変化を視覚的に捉えるようにしていきます。また、心情が大きく変わったところがどこなのかを分かるようにしていくことで、「少年」の最後の心情につながる板書にしていきます。
〇クライマックスの1文から主人公「少年」の最後の決意への変化が分かる板書
「必ず行き着いてみせる」という強い意志に向かう「少年の心情」がどこで生まれたのか、クライマックスの1文を探し、その前後の心情の変化が分かるように板書していきます。本文の描写から考えられる心情を黄色で表していきます。きっかけとなる事柄を中心に書くことで、前後の変化を比較しやすくします。「海鳥」と「ひとひらの羽毛」が視覚化しやすいよう、作画で板書します。
「少年」が再び自分の意志を確認することは、どのようなことなのかを考えやすく、自分の考えを交流しやすい板書にしていきます。