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低学年でも取り組める「アンプラグド・プログラミング」授業とは

2020年度から全面実施の小学校プログラミング教育について、低学年向け授業状況を紹介します。今回は、茨城県つくば市立春日学園義務教育学校で実践されたアンプラグド・プログラミングについて、茨城県つくば市立春日学園義務教育学校教諭&つくば市ICT教育推進委員・藤原晴佳先生に教えていただきました。

藤原晴佳●前任校の茨城県公立小学校時代より、教科の中でプログラミングやICTを活用し、児童の思考と理解を深める授業を実践、書籍や講演会などで事例を多数紹介している。2018年度からはつくば市立春日学園義務教育学校でプログラミング部会のリーダーを務める。

プログラミング授業風景

低学年におけるプログラミング教育の意味

今回は実践編として、授業事例とともにプログラミング教育の授業設計を紹介していきます。

これまで4年にわたりプログラミング教育を実践してきた、つくば市立春日学園義務教育学校の藤原晴佳先生は、プログラミング授業を実施するうえで注意すべきことが2点あると言います。

1つ目は、「学校内で1人の先生が率先して授業を行うのではなく、学校全体の方向性として、『何のためのプログラミング教育を行うのか。ゴールをどこに定めるのか』という目的をしっかり定めておくこと」です。小学校におけるプログラミング教育は、多くのコンピュータやプログラミングに囲まれている現代において、これからの未来を作っていくために必要な知識として学び、また問題解決のための能力として「プログラミング的思考」を身に付けるという目的があります。

しかし、低学年においては、プログラミング的思考を育む以前の段階として、まずプログラミングの楽しさを感じ、中学年以降へのきっかけを作っていくことが大切です。

2つ目のポイントは、「プログラミングの授業を型にはめすぎないこと」です。型にはめて正解に寄せすぎることで、本来の「課題に対して考える過程」や、「プログラミングを体験し楽しむこと」から外れる恐れがあります。プログラミングは正解が1つとは限りません。「児童が間違えたときこそがチャンスです。『なぜ、うまくいかなかったか』ということを考えるきっかけになります」と、藤原先生は話します。

アンプラグド・プログラミングのメリット・デメリット

アンプラグド・プログラミング
コンピュータを使わずに、プログラミング学習を行うこと。カードやボードゲームを使って、プログラミング的な思考に基づいて問題解決を図るなどの学習方法。

メリット

・考えていることを可視化できる。
・順序立てて考えることで、相手にわかりやすく説明ができるようになる。
・自分の考えを発表し、友達と共有することで、児童全員に活躍の場を作ることができる。

デメリット

・型にはめすぎてしまう。
・「手順」を優先しすぎると、本来の課題を見失いがちになり、中途半端に授業が終わってしまう。
・アンプラグドの授業だけで満足してしまい、コンピュータを使ってのプログラミングに結び付かない。

アンプラグド・プログラミング授業事例

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