小2国語科「絵を見てかこう」全時間の板書&指導アイデア

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国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
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1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小2国語科「絵を見てかこう」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等を示した授業実践例を紹介します。

 小二 国語科 教材名:絵を見てかこう(光村図書・こくご二上)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/埼玉県上尾市教育委員会学校教育部指導課指導主事・𠮷野竜一
執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・笠原雅広

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、教科書の絵を見て、様々なことに着目しながら、自由に想像を広げたり、自分の経験と結び付けたりしながら、楽しんで書くことを見つける力を育てていきます。
また、p18の「つづけてみよう」にふれながら、書くことの意味を考えることで、年間を通して継続して、書くことを見つけたり、記録をしたりしていくことのよさを感じられるようにしていきます。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、書いた文章を友達と読み合うという活動を位置付けます。
その際、書くことについて、子供によって様々な課題があることが想定されます。課題のある子に対しては、ワークシート等を活用して適切な支援を行い、どんどん書ける子については、活動を委ねていく。そのような柔軟な活動になるように、言語活動を設定することが大切です。
具体的には、書く文章の量で、児童が重圧を感じないように、罫線のみのワークシートにしたり、絵のどこに着目して書いたか分かるように、絵を入れたワークシートを活用したりするなど、書くことへの抵抗感を取り除くような支援を行います。

また、「もう書けたよ、他の部分の様子を書いてもよいですか」や「友達と書いてもよいですか」等の児童の発言を認めることで、書くことを楽しめるようになります。
児童一人一人を大切にする言語活動を設定し、2年生の書くことの学習をよりよくスタートできるようにしていきましょう。

4. 指導のアイデア

本単元で重点的に身に付けたい指導事項は、「『書くこと』において、想像したことなどから書くことを見つけ、必要な事柄を集めたり確かめたりして、伝えたいことを明確にしている。…B(1)ア」というものですが、2年生の書くことの学習をよりよくスタートしていくためにも、書くことが楽しいという意欲をかき立てることを第一に考え、主体的に学習に取り組めるようにしていくことが大切であると考えられます。

具体的には、導入において、これまでの「書くこと」の経験を引き出すような問いかけを行います。
そうすることで、「1年生での学びをいかせば、2年生の学習へも取り組むことができる」という見通しをもつことができるようになります。前学年の学びとゆるやかに接続することで、児童が安心して学習に入っていけるような雰囲気づくりを心がけていくとよいでしょう。

展開の前半部分では、教科書の絵を見て、子供たちの反応を自由に引き出し、分かることや想像したことを目一杯書き出すようにします。書きたいという思いを大切にするため、子供たちの意見を聞きながら、それをいかした授業展開とするとよいでしょう。
後半部分では、前半で膨らませた材料を基に、文章に表していきます。ワークシートやICT端末も活用しながら、子供たちが自分の特性に合った学び方を選択できるように、整えておくことが大切です。
学ぶことに興味や関心を抱き、見通しをもって学習を進められるように、子供たちが自ら選択する場面を設定することは、今後の国語の授業を進めていくことで常に大切であると言えます。

終末には、p18の「つづけてみよう」にふれながら、書くことの意味を考えることで、年間を通して継続して、書くことを見つけたり、記録をしたりしていくことのよさを感じられるようにしていきます。併せて、ICT端末の効果的な活用方法を示すことも大切です。自分に適した方法で、書く材料を集めていくとよいと伝えることで、国語の学習だけでなく、他教科や日常生活でも書くことのよさを感じられるように支援していくとよいでしょう。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

(1)絵を見て分かったことを出し合う

展開の部分で行う、絵から見つけたことや想像したことを広げていく活動では、1人1台端末を活用することも有効です。文字入力が可能であれば、付箋アプリ等を活用して、見つけたことや想像したことを、1枚の共有の絵に貼っていき、全体で共有することもできます。
場合によっては、色分けして出し合うことで、同じ人や物であっても、児童によって少しずつ見方が違ったり、言葉が違ったりするかもしれません。そういった一人一人の感じ方の違いも感じさせていく上でもとてもよい活動になると思います。児童の1人1台端末の活用状況に応じて柔軟に行っていきましょう。

(2)書くことの材料をためていくために。個に応じた言語活動の充実のために

今後、書くことの材料を見つけた際、端末の写真アプリ等を使って記録していくこともできます。例えば、生活の野菜を育てる学習と関連させながら、自分の育てた野菜を写真で収め、そこに日付や気付いたことをためていくことで、立派な観察記録文になります。もちろん児童によっては、手書きの方がやりやすい場合もあります。児童自身が選択できるようにしながら、みんなが学びやすいように一人一人に合った学び方ができるように柔軟に取り組めるようにしていきましょう。

6. 単元の展開(1時間扱い)

 単元名: 楽しくかこう「絵を見てかこう」

【主な学習活動】
・第一次(1時
① 絵を見て気付いたことを発表する。〈 端末活用(1)〉
② 伝えたい様子を文章にする。
③ 読み合って感想を伝える。〈 端末活用(1)〉
(事後)日常的に書くことを見つけたり、記録をしたりしていくことのよさを感じられるような活動を設定する。

全時間の板書例と指導アイデア

イラスト/横井智美

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