小6らくらくUnit 3「Let’s go to Italy.」①【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 3「Let’s go to Italy. ~行ってみたい国や地域と、その理由を伝え合おう~」第1時(世界遺産ツアーに行こう!)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学校6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 3「Let’s go to Italy. ~行ってみたい国や地域と、その理由を伝え合おう~」全9時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

単元のゴール
旅行代理店でおすすめの国(場所)を紹介しよう!
○本時の目標
世界遺産ツアーに行こう!

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉

~ is …. You can ~. It’s~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
~ is …. You can ~. It’s ~. およびその関連語句などについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
〈技能〉
~ is …. You can ~. It’s ~. およびその関連語句などについて、書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。

【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉

~ is …. You can ~. It’s ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
~ is …. You can ~. It’s ~. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、世界の国について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉

~ is …. You can ~. It’s ~. およびその関連語句などについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
~ is …. You can ~. It’s ~. およびその関連語句などについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝えたりするために、相手のことをよく知るために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝えたりするために、行ってみたいおすすめの国や地域と、その理由について、例文を参考に書こうとしている。

○言語材料
(表現)
~ is …. You can ~. It’s ~. など
(語彙)国(Americaなど)、様子(goodなど)、食べ物(riceなど)、味(bitter)など

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. ウォームアップ
  3. デジタル教科書 Enjoy Communication
  4. 単元のゴール、本時のめあての確認
  5. 世界遺産ツアーに行こう
  6. 世界遺産の復習
  7. デジタル教科書 Starting Out
  8. 神経衰弱
  9. Picture Dictionary
  10. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などの質問を児童に聞いてみましょう。

②ウォームアップ

簡単な数字の活動でウォームアップを行いましょう。3年Unit 3第2時でも行ったCount to 20 gameです。このゲームは20を言ったほうが勝ちになります。

【ルール】
1から順番に数字を言っていく。
1度に言える数字は、1つか2つか3つ(4つ以上は言えない)。
 (例:A児 1 2 3→B児 4 5→C児 6 7 8……)
20の数字を言った人が勝ち。

③デジタル教科書 Enjoy Communication(P26)

Enjoy Communication (P26) の動画を視聴し、児童が本単元で扱う表現を知り、学習の見通し(旅行代理店でおすすめの国を紹介しよう)をもてるようにします。動画を視聴させたら、どんな話をしているかペアで話し合わせるとよいでしょう。

④単元のゴール、本時のめあての確認

⑤世界遺産ツアーに行こう

スライドには世界遺産ツアーの国の地図、国旗、その国の世界遺産が挿入してあります。Google Earthを活用すると、国の地図の部分をよりリアルに提示することができます(スライドには、その世界遺産へのリンクが貼ってあるので、クリックして表示させてください。もしくは、パワーポイントの録画機能を活用してスライドに挿入しておくこともできると思います)。

Google Earthで、地球上での日本の位置を映し出したり、児童とやり取りをしながら、上空から学校の場所を見せたりすると、児童の興味関心が高まり、世界遺産ツアーをうまくスタートさせることができると思います。

Let’s go to on a 世界遺産 tour!! What country is this?

アメリカ付近の地図を入れたスライドを表示します。

America.

That’s right. This is America. You can see stars on a flag. How many stars? Do you know?
Talk with your friends.

Fifty….(自由に答えさせてみる)

The answer is fifty. 星の数が50って、意味があるのかな?

州の数です!(知っている児童ははりきって答えます)

How many red stripes are on the American flag?

7!

Very good. How about white stripes?

6!

星は、現在の州の数でしたね。では、赤と白を足すと13……、これにはどんな意味があると思う?

分からないな。

この13という数字は、アメリカがイギリスから独立したときの州の数を表しています。

今は50州で、昔は13州だったんですね。

ちょっとしたやり取りですが、新しい知識を得る児童がいたり、もしくは知っているから答えたい児童がいたりすると思います。英語の授業とはいえ、このようなやり取りも大切にしていきたいですね。

O.K. Do you know any world heritages in America?
What world heritage is this?

自由の女神。

ALTの先生、How do you say “自由の女神” in English?

The Statue of Liberty.

(児童たちに)Let’s say it together. 

The Statue of Liberty.

The Statue of Liberty.

In America, you can see the Statue of Liberty. Let’s say it together.

In America, you can see the Statue of Liberty.

Let’s go to the next country.(次の国の地図のスライドを見せる)

同じような進め方で、世界遺産ツアーを進めていきましょう。

①どこの国かを考える。
②その国の世界遺産を考える。
③世界遺産を英語で言ってみる。

スライドには、ブラジル→イグアス滝、フランス→エッフェル塔、インド→タージマハル、イタリア→ピサの斜塔、スペイン→サグラダファミリア、オーストラリア→エアーズロック、それぞれの地図、国旗、世界遺産の画像が挿入してあります。また、いくつかの世界遺産にはYouTubeへのリンクを入れてあるので、クリックして視聴させるとよいでしょう。児童たちは、興味をもってすてきな景色やすばらしい建築を見ると思います。

⑥世界遺産の復習

スライドを使って、世界遺産の復習をしましょう。クリックすると、国の場所を示す○印、国旗、世界遺産の写真が順番に出てきます。

世界遺産の名前を英語で言うのは、児童にとってなかなか難しいことです。そこで、ちょっとしたユニークな方法を紹介します。
エッフェル塔とピサの斜塔の英語の発音は、児童は、他のものに似ていると感じるようで、クスクスと笑ったりすることが多いです。そこを逆手にとり、児童の言いたいように発音させてしまいましょう。
エッフェル塔(The Eiffel Tower)には「え? iPhone!?」、ピサの斜塔(The Tower of Pisa)には「ピザ!?」とつぶやく児童がどの学級でもいます。そこで、正解と不正解を思いっきり発音させてしまいましょう(笑)。
iPhone tower や tower of pizza で検索すると、ユニークな写真を見つけることができます。本スライドには入れてありませんが、ご自身でスライドに追加して、楽しく発話させるのもよいですね。もちろん児童はニコニコしながら、そして日頃より声がよく出ます! たまにはこんな時間があってもよいのではないでしょうか。
さらにエジプトとオーストラリアのスライドでは、小ネタを挿入してあります。ダウンロードしたパワーポイントで確認してみてください(笑)。

⑦デジタル教科書 Starting Out(P22)

世界の有名な建物や食べ物などについて、聞こえた順に□に番号を書こう!

P22~P23で10問ありますが、本時はP22の5問だけ扱いましょう。

児童は世界遺産ツアーのスライドで、意図的に You can see ~. という表現に慣れ親しんでいます。デジタル教科書の映像では、旅行代理店のスタッフがその表現を使って、いろいろな国やその国の食べ物などを紹介していきます。単元のゴールで必要な表現をたくさん聞かせましょう。そのための手立てとして、音声と動画を両方使うことをお勧めします。No.1とNo.2は動画で視聴させ、No.3~No.5までは最初に音声のみで聞かせましょう。答え合わせをしてから、聞き取れなかった部分をより理解させる意味で、動画を視聴させるとよいと思います。

最後のNo.5では、下のスライドのあとに、ラクダの乗り方について紹介するとおもしろいです。

実際にラクダに乗るときには、注意が必要です。なぜなら、ラクダは後ろ足から立ち上がるため、前に落ちてしまう観光客は少なくないそうです。そんなシーンを動画で視聴すると、より提示した英文の意味も理解しやすいのではないでしょうか(スライドでは非表示になっていますが、ここにご自身で探したラクダの乗り方の動画を入れて、児童に視聴させるとよいでしょう)。

授業からは少し脱線しますが、1、2分でできる、ほんのちょっとしたアイデアです。分かる授業も大切ですが、楽しい授業があってよいと私は思っています。興味がある方はぜひチャレンジしてみてください!

ここでの usuallysometimes の表現は、児童がUnit 2で学習した英文です。単元が終わった後でも、教師は意図的に使っていくことが大切です。

⑧神経衰弱

国旗のカード10種類(20枚)を使って神経衰弱を行います。カードを裏にして、めくったときに発音させることがポイントです。カードは、パワーポイントといっしょにダウンロードできますので、活用してください。国旗のカードでも、本日習った世界遺産を言う活動に変化させることもできます。

⑨Picture Dictionary(P16)

Picture Dictionaryには、本時に出てきた以外の国、世界遺産、その国の食べ物などの言葉が収録されています。学習したもの以外を紹介することもできます。

⑩ふり返り

単元のゴールを設定したらCan-Doリストを作成して、ふり返りを行うとよいでしょう。⑨のPicture Dictionaryの活動と⑨のふり返りを逆にして行ってもよいと思います。先生方のやりやすいように行ってください。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。


本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


パワーポイント(スライド)ダウンロード

6年Unit3-1パワーポイント(92スライド)、ワークシート(2点)

パワーポイント見本
国旗カード
世界遺産カード

下記ボタンをクリックして、データをダウンロードしてください。

構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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