1年の最後の授業 ~児童一人一人に成長を実感させる~

関連タグ

1年の最後の授業をどのような授業にしたいですか? 5年生では、「今年はよく頑張ったな! 6年生になったら、もっといろんなことにチャレンジして頑張ろう!」と意欲をもてるような授業、6年生では、小学校6年間の頑張りをふり返って自信をもち、「中学校でも頑張ろう!」と希望をもてるような授業にしたいものです。

執筆/沖縄県公立小学校教諭・我那覇ゆり子

子供も教師も成長の機会に

子供たちが、授業を通して成長したことをふり返り、「どのように頑張ったのか」「どうやってできるようになったのか」「どのような力が付いたのか」などを自覚できるような機会を設けてみましょう。

すると、授業では学習内容の理解だけではなく「粘り強さ」「協力する力」「説明する力」「自分の意見を述べる力」など、様々な資質・能力が成長したことを感じることができます。

また、そのような子供たちの成長の様子から、教師はどのような指導や支援が効果的であったのかに気付くことができます。

「グループ活動が効果的だったのか」「自力解決タイムを設けたことで、最後まで粘り強く取り組み、達成感を感じることができたのだな」と指導をふり返り、次に生かすことができます。

まとめの授業アイデア

最後の授業では、5年生にとっては1年間、6年生にとっては6年間を振り返り、学びを生かしてまとめたり、表現したりする活動に取り組みましょう。学びの成果を発揮することで、達成感を感じたり、学ぶことの意義を感じたりすることで、次年度への意欲の向上につながっていきます。

授業にチャレンジ

自分たちで授業をやってみましょう!  グループに分かれ、担当する教科を決め、子供たちが授業を行い、学び合ってみましょう。

教える側は、学習内容を理解するとともに、授業を構成するなかで様々な工夫に取り組み、教える喜びを感じることができるでしょう。学ぶ側は、友達が教えるということだけでわくわくして、意欲的に取り組むことができるでしょう。もちろん教師が適切な指導や支援を行いながら取り組みましょう。様々な成長を感じることができる機会となります。

算数 私と算数の話(オリジナル問題集づくり)

これまでの学びを生かし、自分と算数をつなげる問題をつくってみましょう。互いに解き合い、解答や解説をし合って交流する活動を取り入れ、楽しく学習のまとめができます。

国語 私が語るみんなの物語文集

これまでの国語の学びを生かし、一人一人の集大成を文集にまとめましょう。自分の1年間(5年生の場合)または6年間(6年生の場合)の出来事を「表現の工夫を使う」「他者の視点で語る」「習った漢字はすべて使う」などの条件のもとで、物語文を書いてみましょう。小学校生活の思い出にもなります。

社会 みんなで偉人事典(ポスターづくり)

歴史の登場人物をみんなで分担し、絵や図などを工夫しながら紹介するポスターを書きましょう。書いたポスターを掲示すれば、復習することができます。最後にそれを集めて事典を作りましょう。おもしろいエピソードや偉人の好きなところなど、自分の思いを込めて書くことで、世界に1つの自分たちで作った事典になります。

英語 イングリッシュスピーチ大会

タブレット型端末のプレゼンテーション機能を活用し、絵や写真などを示しながら、英語でスピーチしましょう。

みんなに聞いてもらう緊張感、英語で話す難しさ、よりよい発音、ジェスチャーの工夫など、学びの集大成の発表となり、伝わったときの喜びが感じられます。

イラスト/北澤良枝

『教育技術 小五小六』2022年2/3月号より

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
関連タグ

授業改善の記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました