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子供たちが「くじらぐも」に乗って空を飛ぶ!~郡山ザベリオ学園小学校・大和田伸也先生のICT実践

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2020年に、「タブレットのカメラ機能活用アイデア10選〜郡山ザベリオ学園小学校・大和田伸也先生のICT実践例」でご登場いただいた大和田伸也先生。今回紹介していただくのは、ICTを活用して1年生国語の「くじらぐも」の“実写化”にチャレンジした取り組みです。

大和田先生が、1年生の担任になったら絶対やろうと決めていたというこの実践で、子供たちは実際にくじらぐもに乗って空を飛んだように感じる体験をしました。そして、その過程では、さまざまな深い学びがありました。

大和田伸也(おおわだ・しんや)
郡山ザベリオ学園小学校教諭
21世紀に必要とされる力、4 C’s(クリティカルシンキング、コラボレーション、クリエイティビティ、コミュニケーション)を授業の中で大切にし、未来を見据えた授業づくりを模索中。福島県の中央に位置する郡山市から、ICTを活用し「楽しい」を学びに変え、世界と繋がっていく子どもたちを目指している。今年はICT活用が難しいとされる小学1年生を担任しながら、様々な実践を学校HPなどで発信している。Apple Distinguished Educatorとして2019年に認定される。

実写化することで創造的に学びがふくらむ

「くじらぐも」は、私自身も小学生の時に学習した、とても思い出深い作品です。子供心に、この作品のように、本当の雲に乗りながらいろいろなところを見て回りたいと強く思ったのをいまだに覚えています。

そんな夢のような作品だからこそ、子供たち自身には、「国語」という枠を超えて、純粋に物語を楽しみ、また作品の世界にどっぷりと入り込んでほしいと思いました。大人は、「雲になんて乗れない」と決めつけてしまいますが、子どもたちは本当に乗れるかもしれないという気持ちで、心から「くじらぐも」を楽しんでいます。この作品を学ぶ時は、そんな純粋な子どもたちの心を大切にし、そこから何か新しいものを生み出す力を身につけてもらいたいと考えています。

通常、「くじらぐも」では、音読発表会という形で、くじらぐもに乗ったつもりで音読し、それを体で表現するという取り組みが多く行われています。私は、ICTの力を使って、子供たちが本当にくじらぐもに乗って空を飛んだように感じられる学びに発展させたいと思いました。つまり、子供たちと「くじらぐも」の映像を作るということです。

想像の世界の実写化を体験することで、子供たちは、より創造的に学びを膨らませていくことができます。その過程では、自分の音読や表現の良し悪し、そして、登場人物の行動の動作化について、主体的に、客観的な視点で真剣に考えることもできるようになるのではと考えました。

音読の役割分担は子供たち同士で相談して決める

郡山ザベリオ学園小学校の1年生は、2クラスです。そこで、もう一つのクラスの担任の先生と相談して、それぞれのクラスで実写化に取り組むと決めました。そして、その映像は、他の学年の子供たちにも見てもらえるように、お昼の放送の時間を利用して全校に配信することにしました。

実写化の方針が決まり、1年生の子供たちに、映像を作ることを伝えました。その時、 “実写化”ということばはむずかしいので、「みんなで実際にくじらぐもを演じてみよう」と声をかけました。といっても、この段階ではみんな、どんなものができるのか、ゴールのイメージは明確ではなかったと思います。ここから、映像制作のチャレンジが始まりました。

まず子供たちと取り組んだのは、「くじらぐも」の物語を読み込むことです。物語はどんな内容なのか、登場人物は誰なのかを、みんなで読みながら確認していきました。

次に、全員で全文の音読練習を繰り返し行いました。映像での音読はみんなで分担します。どうやって担当部分を決めようか悩みましたが、自分の読みたいところを読むからこそ頑張れるだろうと考え、本人たちの意思を尊重して自分たちで決めてもらいました。

好きな部分が重なることもありましたが、くじらのセリフ以外は1人2回ほど読めるように割り振ったので、1つ目のすごく読みたいところの役割分担が決まると、その後はお互いに譲り合ったりしながらスムーズに決定することができました。

動画に音声が入って実写化の目的が明確になる

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