「読むこと」【小6外国語科 中学で「英語嫌い」にさせない! アイデア3】
3回目の今回は五つの領域のうちの「読むこと」です。英語のアルファベットの名称読みや簡単な語句などを読む活動を紹介します。外国語科の小中連携がとても重要になっています。外国語科は、中学校で一気に難しくなり、ついていけない子が出て、英語嫌いにつながると言われています。そこで、小学6年生の今の時期に行える、中学につながる活動のアイデアをお届けします。小学校の学習範囲で行うので、無理のない活動になっています。外国語科の授業でぜひ試してみてください。
監修/沖縄県公立小学校教諭・平良優
目次
二つの基本
- 中学の内容の前倒しの学習はしません。
- 小6の外国語科の中には、スモールトークやチャンツなど、教科書内の活動がさまざまにあります。その活動を基本にして特別に新しい活動は入れないようにします。
読むこと
(1) 文字について
ねらい:活字体で書かれた文字(大文字/小文字) を識別し、その読み方(名称読み)の発音の定着を図る。
文字指導について、高学年では、文字の「名称」と「音」についての学習を行っています。例えば、A(a)は、/ei/という名称があり、語の中では/æ/(例: bag,apple)と言う音をもっているという学習です。
前者の文字の「名称」の学習については、中学年の外国語活動において、文字の読み方の発音を聞いて、どの文字であるかが分かるという学習をしてきました。その学習を踏まえて、高学年では、その文字の読み方の発音の定着を図ります。
中学ではすでに定着していることが必要となります。定着はなかなか大変です。いろいろな活動でくり返し行うことによって定着につながる工夫をしましょう。
<中学年>
<高学年>
活動実践例1
ランダムにアルファベットが並んでいます。一つ一つの文字を読んでいきましょう。文字を読んだ後は、文字を読みながら線でつなぐ活動をしましょう。
A~Zの順、さらにz~aの順に文字を読みながら線でつないでいきましょう。
(2) 語句や表現について
ねらい:簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにする。
音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにします。
活動実践例2
絵カードなどに添えられた語句を読んだり、パンフレットや新聞などの中から好きな英語の語句を探したり、英語の語句を読んだりします。
旅行やスポーツのパンフレットの中には国名やスポーツ名など、部分的に英語が載せられているものがあります。それらのパンフレットを教師が用意したり、子供たちに持ってきてもらったりして準備します。そのパンフレットの中から、子供が好きな語句や読める語句を探します。写真やイラストを参考にして語句を読むことに挑戦してもよいでしょう。
活動実践例3
各単元で子供たちがそれぞれ自分のことを書いたカード(ワークシート)を活用します。このカードには、“I’m 名前.”“ I like dogs.”“I like soccer.”“I can run fast.”といった各単元で学んだ情報が入っています。終わった単元のカードを学級の子供たちにランダムに配ります。一人ずつ読んでいって、誰のカードかを当てるゲームをします。名前が書かれている場合は、名前を隠しておいてもよいでしょう。
また、友達のカードを読んだ感想を書く(日本語)活動を加えても楽しくなります。
取材・文・構成/浅原孝子
イラスト/嵯峨根明日香(オーデザインチャンネル)、やひろきよみ