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5年国語 図書すいせん会をしよう

2019/11/18

話し合う四人の子供

領域/読むこと・読書
教材名/雪わたり・「図書すいせん会」を開こう(教育出版 五年下)

執筆/沖縄県那覇市立安謝小学校教諭・與那のぞみ
編集委員/文部科学省 教科調査官・菊池英慈、那覇教育事務所指導主事・上里 亮

単元で付けたい資質・能力

①言語活動とその特徴

本単元では、「図書すいせん会をしよう」という言語活動を位置付けます。

本を推薦するには、推薦者が対象となる作品の特徴をよく理解し、その面白さを他の読み手にも伝わるように表現することが大切です。その際に、人物の性格や相互関係、優れた叙述などに着目しながら読みすすめ、関連する作品や同じ作者の作品と関連付けたりして読んでいくことも大切です。

単元のゴールである「本のすいせん」に向け、「雪わたり」を読む学習と並行して自分が推薦したい本を選び、読み比べることができるようにします。

②言語活動を通して付ける資質・能力

ここでは、文学的な文章の優れた表現を意識しながら作品の面白さを捉え、自分の考えをまとめる力を育成します。また、自分が推薦したい本の面白さを伝える方法を工夫させることで、主体的に取り組む態度を育てていきます。

③指導のポイント

・始めにどのように推薦するのかを捉え、単元全体の見通しをもった後に「雪わたり」を読む学習に入り、作品の面白さを推薦するという視点で読んでいきます。

・教室に「雪わたり」と並行して読みたい本のコーナーを設け、どの子も読書に親しむことができる環境を整えます。

【指導事項:C(1)エ・カ 伝国(1)イ(ケ)  言語活動:C(2)エ】

単元の展開(11時間扱い)

単元の展開
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アイディア① 物語の面白さを推薦する方法は?

単元の導入では、これまでの学習で本の紹介を行ってきた経験を振り返るとともに、『「図書すいせん会」を開こう』の中で紹介されている作品を提示し、見通しをもちます。

その際、新聞、帯紙などにはどのような特徴があるのかを明らかにし、本の推薦をする時の視点を捉えさせておきます。また、教師も新聞、帯紙などの作品を実際に作り、お手本を示すことで子供の意欲を喚起し、子供の反応も想定することができます。単元の導入では、これまでの学習で本の紹介を行ってきた経験を振り返るとともに、『「図書すいせん会」を開こう』の中で紹介されている作品を提示し、見通しをもちます。

その際、新聞、帯紙などにはどのような特徴があるのかを明らかにし、本の推薦をする時の視点を捉えさせておきます。また、教師も新聞、帯紙などの作品を実際に作り、お手本を示すことで子供の意欲を喚起し、子供の反応も想定することができます。

先生も皆さんに推薦したい本があります。

先生の推薦本
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ポップは、作品のテーマに合うように絵を目立たせたり、形を工夫したりできます。

帯紙は、書くスペースも小さいから、絵も作品のモチーフを選んだり、背表紙に合わせて割り付けしたりする必要があります。

この新聞では、宮沢賢治という作者を特集しています。

ポスターに挿絵が大きく入ると、一目で注目して欲しい場面の様子が伝わります。

物語の面白さを推薦するポイントは、いろいろありそうです。

「雪わたり」を読んで面白いと感じたことを初発の感想として書き、話し合います。初発の段階では作品の構造がつかめない、面白さをどう捉えればよいのか分からないなどの子供の声もあることでしょう。子供の反応を基に、面白さを見付ける視点を示し、学習計画を立てます。

「物語の面白さ」を見付ける視点
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子供のノート例

子供のノート例4つ
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5人の子供

アイディア② 人物関係図を作り、登場人物の関係の変化を捉えよう

学習計画の3時間目に物語の設定を読む際に、人物関係図を書き、登場人物の人物像やそれぞれの関係性を捉えておきます。それを踏まえて、4時間目には、登場人物の気持ちや相互関係がどのように変わったのかを考えるため、変化後の人物関係図をまとめます。複数の叙述を挙げながら登場人物の心情の変化や相互関係、変化したきっかけについて、自分の考えをまとめることができるようにします。これを用いてグループで話し合います。

ワークシート・ノート例/人間関係図

ワークシート・ノート例
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丸の中に登場人物の名前を書き、矢印や線などで登場人物同士をつないだり、対立化させたりして、相関関係を図に表し、登場人物の特徴や相互関係が分かる叙述を書き込んでいきます。また、自分の推薦したい作品も関係図に書いてみようと呼び掛け、並行読書にも活用できるようにします。

板書例/4時間目

板書例_4時間目
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関係が変わったきっかけは、四郎たちが団子を食べたことだと思います。

私は、幻灯会に二人が参加したことがきっかけだと思います。

四郎とかん子は、初め紺三郎のことを疑っていたと思います。「四郎はぎょっとして」や「きつねのだんごはうさのくそ」と歌った様子から分かります。

「四郎もかん子も、あんまりうれしくてなみだが」や「きつねの生徒は、みんな感動して」から両者の心がつながったように感じました。

推薦するとき、登場人物が変化する前のことまでを書くと、続きが気になって読んでみたくなりますね。変化のきっかけもキーワードとして使えるかもしれませんね。

アイディア③ 「雪わたり」の面白さとその理由を交流し、考えを深めよう

これまでの学習を基に、「雪わたり」の面白さについて、その理由を挙げて推薦を行います。面白さの視点は第一次で示した「物語のおもしろさを見付けよう」を基に、4観点ほどに絞ります。そして、一人ひとりの視点が分かるように、ネームプレートなどで示し、自分と違う視点の人と集まって交流します。違う意見に触れることにより、作品を多面的に捉え、推薦する視点が広がったり考えが深まったりすることでしょう。

板書例

推薦するとき、登場人物が変化する前のことまでを書くと、続きが気になって読んでみたくなりますね。変化のきっかけもキーワードとして使えるかもしれませんね。

板書例
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雪わたりを推薦するときに、短い言葉で表すなら…

子供のノート例

子供のノート例
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第三次では、自分の選んだ本について新聞、帯紙、ポップ、ポスターなどに書いて推薦会を開きます。単元の初めに「自分は新聞に挑戦したい」「学級の図書コーナーのあの本を推薦したい」など、三次に向けて意欲付けを図り、第二次と三次のつながりを意識した取組になるようにします。教科書では、グループで一つの作品について推薦する形態になっていますが、子供たちの実態に応じて個人で取り組ませるなどの工夫も可能となります。

教科調査官からのアドバイス

国立教育政策研究所 教育課程調査官・菊池英慈

ポイント① 推薦のポイントを明らかにして伝えよう!

本事例では「図書すいせん会をしよう」という言語活動を取り上げています。本を推薦するためには、その作品の特徴を他の読み手にも納得できるように根拠を挙げて説明することが求められます。

推薦する際には、魅力を見付けたり、魅力である理由をはっきりさせたりするためのポイントを意識し、作品を読んで考えをまとめられるようにします。

高学年では、登場人物の相互関係とその変化や、情景描写、心情を暗示させる描写などに着目できるようにします。

ポイント② 交流の場を設定しよう! 

本事例では、これまでの本の紹介の学習を振り返り、新聞、帯紙、ポスター、ポップなど、それぞれの表現の特徴を明らかにし、本を推薦する時の視点を捉えさせるようにしています。その視点を基に物語の面白さの理由を挙げながら推薦していくようにしています。

さらに、アイディア③では、自分が気付かなかった面白さに気付いたり、同じ表現を読んでも人によって感じ方が異なることに気付いたりする交流の場を設定しています。このような交流場面は、もっとじっくり読んでみようとする主体的な読みへとつながっていくでしょう。

イラスト/和久田容代 横井智美

『小五教育技術』2018年12月号より

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