小1算数「3つのかずのけいさん」指導アイデア(1/3時)《三つの数の加法の計算》

特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
小1算数「3つのかずのけいさん」指導アイデア

執筆/埼玉県富士見市立水谷小学校教諭・石川真成
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫

小一算数 年間指導計画

単元の展開

第1時(本時)三つの数の加法の式の意味を理解し、その計算ができる。

第2時 三つの数の減法の式の意味を理解し、その計算ができる。

第3時 三つの数の加減混合の式の表し方や計算のしかたを、操作や図を用いて考え、説明する。

本時のねらい

三つの数の加法の式の意味を理解し、その計算をすることができる。

評価規準

三つの数の加法の式の意味を理解し、一つの式に表し、答えを求めることができる。

本時の展開



バスに ねこが 3びき のって います。さいしょの バスていで 2ひき のります。つぎの バスていで 4ひき のります。ねこは みんなで なんびきに なりましたか。

ねこは何匹になりましたか。(①②のみを提示する。)

はじめにねこが3匹乗っていて、後から2匹乗ったので、合わせて5匹です。

なるほど。どのような計算になりますか。

3+2=5です。答えは5匹です。

お話には続きがあります。(③を提示する。)次のバス停で4匹乗ってきました。全部で何匹になったか求めたいと思います。今までと違うところはありますか。

今までは、数が二つだったけれど、このお話は三つの数が出てきます。

今までは1回の式で答えが出たけど、もう1回式が要ります。5+4=9で、答えは9匹です。

なるほど。2回たし算をして答えを求めるのですね。答えは求められたけれど、お話がよく分かるように式で表せないでしょうか。

できます。

それでは、お話の場面がよく分かるようにするためには、どんな式で表せばよいか考えていきましょう。



お話がよく分かるように、式で表そう。

見通し

お話の順に、式を立てられないかな。

初めのバス停で乗っているねこの数を求めて、その後、次のバス停で乗ったねこの数を足せばいいんじゃないかなあ。

初めに乗っていたねこに最初のバス停で2匹、次のバス停で4匹と増えるから、一つのたし算の式に表せないのかなあ。

自力解決の様子

A つまずいている子

  • お話から、どのような場面なのかを理解することができない。

B 素朴に解いている子

  • 最初のバス停を出るとき5匹乗っていて、次のバス停で4匹増えたから5+4=9と一つの式で考える。
  • はじめに3匹乗っていて、最初に2匹増えるから3+2=5。次に4匹増えるから5+4=9、と二つの式で考えている。

C ねらい通り解いている子

  • 3匹乗っていて、最初に2匹増えて、その次に4匹増えるから、順番通りにたし算をして、3+2+4=9 と一つの式で考える。

学び合いの計画

問題場面を捉えやすくするために、順番に場面絵を見せながら、問題提示をします。場面ごとにねこの数を求めていき、全部のねこの数は求められたけれど、うまく場面が表せるように式を立てることを課題とします。

その後の自力解決では、自分の考えを発表する際には答えだけでなく、どのような式で考えたのか、なぜそのような式にして考えたのかを、場面と結び付けて説明できるように指示します。

予想される反応として、場面に合わせて二つの式を用いて一つずつ答えを求めていくやり方や、三つの数を使って一つの式に表し、答えを求めるやり方が出るでしょう。

比較検討の場面では、「自分と同じ考えの式がありましたか」や「自分と違う考えの式がありましたか」と発問し、友達の考えと比べながら聞くように指示をします。

これまでのたし算の学習では、二つの数と「+」という記号を用いて考えてきているので、二つの式で考える子供が多く出ることが予想されます。そこでペアや小グループで考えを共有する時間を設け、答えは同じであっても式は違う表現であることや、三つの数を一つの式にまとめている考えに気付けるようにしていきます。

子供の実態によっては、三つの数を一つの式に表す子供が出ないことも予想されるので、その際は教師から一つの式に表すやり方を提示して話し合うようにします。

イラスト/横井智美、やひろきよみ

小1算数「3つのかずのけいさん」指導アイデア(3/4時)

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