小1算数「3つのかずのけいさん」指導アイデア(3/4時)《たし算とひき算が混じった場面を1つの式に表す》
執筆/富山県公立小学校教諭・大崎智子
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、前富山県公立小学校校長・中川愼一
目次
本時のねらいと評価規準
[本時 3/4 : 3つの数のたし算と3つの数のひき算を学習した後]
ねらい
たし算とひき算が混合した3つの数の式の意味を理解し、その計算の仕方について考える。
評価規準
3つの数のたし算や3つの数のひき算をもとに、たし算とひき算が混合した3つの数の計算の仕方について考えている。[数学的な考え方]

問題場面

- エレベーターに5にんのりました。
- エレベーターから3にんおりました。
- エレベーターに4にんのってきました。
空のエレベーターに、5人が乗り込みました。扉が閉まりました。おもちゃ屋のある階に着いたら、扉が開いて、3人が降りました。
まだ、エレベーターに人が乗っているよ。
2人だよ。
次の階で扉が開いたら、今度は4人乗ってきました。
さっきは2人で、4人増えたから…
本時の学習のねらい
エレベーターに乗っている人の数を式に表して考えよう。
見通し
エレベーターの扉を閉じると、中の人の数は分からなくなります。 その様子を動画にしたり、実際に扉を開閉できる模型を用意したりすることで、子どもたちの興味を引くことができるでしょう。
子どもたちは、前時までに問題の場面の通りに1つの式に表すことについて学習しているので、容易に答えを導き出すことができると考えられます。しかし、たし算とひき算を混合した計算を初めて学習するので、答えを出すだけではなく、ブロック等の具体物を自ら操作することで、乗る(たし算)、降りる(ひき算)という理解が深まるようにしましょう。
1つの式にたし算とひき算が混ざることに抵抗を感じる子どもがいるかもしれません。しっかりと式と操作を一致させ、答えだけでなく式の立て方についても考える時間を確保し、一人一人の理解に合わせてゆっくりと問題解決に当たるとよいでしょう。
自力解決の様子
A つまずいている子
①乗る=たし算、降りる=ひき算の場面把握ができない。
②計算する際に、5ー3=2+4=6 「=」の左右が等しくなっていない。
B 素朴に解いている子
問題場面に合わせてブロックを動かし、段階を追って2つの式で考えることができる。

C ねらい通りに解いている子
問題場面に合わせて1つの式にすることができる。
5ー3+4=6 6人
ノート例
学び合いの計画とそれぞれの考えの関連付け
場面を理解する
先生がお話する通りに、ブロックを動かしてみましょう。
答えは6人です。
ペアで交互にブロック操作をし、互いに説明してもよいです。
場面を式に表す
ここまでの話を式に表してみましょう。
「3人降りる」はひき算、「4人乗る」はたし算です。 だから、5-3=2 2+4=6です。
表した2つの式について考える
今、2つの式が出ていますね。
これまでは、数字が3つあっても1つの式にしていました。
今日は、たし算とひき算の両方があるから、1つにはできないよ。
たし算、ひき算の両方が混ざった計算をするのは初めてなので、2つの式に分けたいと考える子ども、1つの式にしてもいいのだろうかと迷う子どもがいることも予想されます。
1つの式に表すことを考える
たし算とひき算が混ざっていると1つの式にできないですか?
お話の通りにすると、5ー3+4になるよ。
前から順番に計算すると答えは6になります。 2つの式の時と答えは同じになっています。
前時の学習を生かした考えが出れば、大いにほめましょう。
本当ですね。たし算だけ、ひき算だけの時と同じように考えているところが素晴らしいですね。
お話がまだ続いたら、もっと長い式にできそうだね。
それは面白い。3つの数だけでなく、4つの数でもできるか試してみたいな。
学びを生かして意欲を高める子どもの気持ちに寄り添うようにしましょう。
本時のまとめ
たし算とひき算が混じった時も、1つの式に表すことができる。
評価問題
エレベーターに6人乗っていました。 4人乗ってきました。次の階で3人降りました。1つの式に表しましょう。
期待する解答の具体例
ブロックに表すと

1つの式に表すと
6+4-3=7 7人
感想例
- 1つの式にすると、すっきりしました。
- たし算とひき算が混ざった長い式をつくって、計算してみたいです。
イラスト/コダシマアコ 横井智美
『教育技術 小一小二』2019年9月号より