小1国語「ききたいな、ともだちのはなし」指導アイデア

教材名:「ききたいな、ともだちのはなし」(光村図書 一年上)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)ア 〔思考力、判断力、表現力等〕A(1)エ
言語活動:ア

執筆/東京学芸大学附属大泉小学校教諭・山下美香
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、東京学芸大学附属小金井小学校教諭・成家雅史

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

夏休み明けというのは、一年生にとっては楽しかった出来事を話したい、誰かに聞いてもらいたいという意欲が増す時期です。そのような一年生の意欲を大切にした単元づくりをしていきます。しかし、話し手の知らせたい事柄を集中して聞くことはまだまだ不慣れです。

そこで、本単元のねらいは、話し手の知らせたいことを集中して聞き、話の内容を捉えて感想をもつ力を育みます。そのために、話し手の伝えたいことを考え、話の内容を具体的に想像しながら聞く力が必要となる場の設定を工夫していきます。

② 言語活動とその特徴

「友達の夏休みニュース(夏休みの出来事)をよく聞き、質問や感想を述べる」という言語活動を位置付けます。友達の夏休みの出来事を「夏休みニュース」と捉え、聞くことへの意識を高めます。友達の話したい、とっておきの夏休みの出来事を聞き落とさないように集中して聞きます。その学習の様子から「夏休みニュースの時間です」という単元名にしています。

活動方法としては、国語の授業時間内に、全員の発表をするという方法だけでなく、朝の会などの時間に、継続的に発表するという方法も考えられます。学級の実態に合わせて選択し、継続的な取り組みになるとよいでしょう。

発展的な学びとしては、朝の会などで「ニュースの時間」として、ほかのテーマで継続的に友達の話を聞くという活動が想定できます。

単元の展開(2時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

◎学習の見通しをもち、夏休みの出来事を想起し、発表することを決める。
・夏休みの出来事を話す活動への見通しをもつ。
→アイデア1 主体的な学び
→アイデア3 深い学び

【学習課題】クラスの みんなの なつやすみの ニュースを きこう

・夏休みの出来事をふり返る。

・ペアで夏休みの出来事を話して話題を決める。
→アイデア2 対話的な学び

・「夏休みニュース」にしたい出来事を選び、文にし、練習する。

第二次(2時)

◎学級全体で夏休みの出来事を発表して、聞き合う。
・「夏休みニュース」を全員の前で発表して聞き、質問や感想を伝え合う。
・「夏休みニュース」を聞き合った感想を発表し合う。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 活動のモデルを見て、学習の見通しをもつ

主体的な学び

見通しをもって学習に取り組むことが子供の主体的な学びへとつながります。教師の「夏休みニュース」の動画を撮影し、「夏休みニュースの時間です」と番組風に制作できるとよいでしょう。

一人だけでなく複数の教師での質問や感想のやり取りの動画にすることで、この単元で身に付けたい力も明確になります。また、子供は「面白そう」「私もやってみたい」という気持ちになります。

▼教師が作成した「夏休みニュース」動画

教師が作成した「夏休みニュース」動画

どのように話を聞いたら、○○先生のように質問できますか

アサガオの水やりをしていることを考えながら聞きます

様子を思い浮かべながら聞きましょう

この単元で大切にしたいことは、話し手の知らせたいことを集中して聞き、話の内容を捉えて感想をもつ力を育むことですので、どんな聞き方が大切なのか、聞き方の観点を子供と一緒に考えていくと、単元のふり返りにもつながっていきます。

アイデア2 ペアで夏休みの出来事を話して話題を決める

対話的な学び

まず、ペアで「夏休みニュース」の題材を探すために、夏休みの出来事を話します。十分に距離を取って、ペアで話すように伝えましょう。

夏休みの宿題で、絵日記を出しているクラスも多いと考えられますので、夏休みの絵日記を活用していくと、話題が豊富になります。それから、ペアで話した話題をいくつかノートに書いていくとよいでしょう。話しながら付け加えてもよいことにします。

その後、決めた話題に赤丸を付けます。

夏休みに何をしたの? 僕は、花火をしたよ

おじいちゃん家に行ったよ。せみ取りをしたよ

イラスト/川野郁代 横井智美

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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