小1国語「はなのみち」京女式板書の技術
今回の教材は「はなのみち」です。小1の板書は子供たちが見てわかるように見やすい大きさで丁寧に書きましょう。学習した順序がわかるようにすることも大事です。
監修/元京都女子大学教授・同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教諭・酒井愛子
「はなのみち」(光村図書)
目次
単元の計画(全6時間)
1「くまさん」が登場するお話を聞く。(絵本の読み聞かせ)
2「はなのみち」のおはなしを、絵を見て話し合う。
3 くまさんがしたことを見つける。
4 くまさんのお話を楽しく読む。
5「はなのみち」で扱われている文字や文を正しく読む、正しく書く。
6 いろいろな「くまさん」のお話を聞く。(読み聞かせ)
板書の基本
〇入門期の板書の基本は次の3つです。
1つ目は、見やすい文字の大きさで丁寧に書くこと。
2つ目は、学習をした順番がわかるように、右から書くこと。
3つ目は、何を書くかということを説明し、文字が見えるように書くこと。
〇板書で留意することは次の2つです。
1つ目は、板書を見て、今、何を学習しているかという目的が理解できるようにすること。
2つ目は、絵やカードは、貼る前に学習内容を理解させておくこと。
板書のコツ(3/6時間目)
板書のコツ①
「めあて」を板書するときは、まず、「今日のめあては」と言いながら、「今日の」の次の言葉まで間をとります。入門期においては、先生の話を聞き間違いのないように指導することが大事です。
次に、「くまさんがしたことをみつけよう」と伝え、この言葉を板書することを伝えます。その後に、板書の文字を、全員で音読させます。
板書のコツ②
場面の絵を活用して、絵から見つけたことを発表させます。教科書の挿絵を活用すると効果があります。
「くまさんが、なにかをさがしている」「ふくろをみつけました」ということを話題にして教科書を音読させます。次の場面も、絵を基に話し合いをすすめ、教科書の音読へつなぎます。3枚目の絵も同じように指導します。
板書のコツ③
3枚の絵の中に、出てくるのは「くまさん」であることを見つけさせます。「くまさんが」という語を板書します。大事な語なので、黄色のチョークで書きます。
繰り返し出てくる「く・ま・さ・ん」の文字は、正しく覚えるようにすることと「くまさん」という語句を、「くまさんが」という主語として、話せるように指導することが大事です。板書のはたらきは、大事な語句に着目させるところにあります。
板書のコツ(4/6時間目)
板書のコツ①
入門期の板書は、子供に集中力を育てるうえで大事な役割を果たします。教師の指先から、魔法のように、文字が生まれる不思議さを、初めて経験するからです。
子供は、教師の指先を注目して見ています。 板書を書くときは、書いているときの文字が見えるようにすることです。そのために、手を伸ばし、腰を低くして、頭で見えないということがないように1文字ずつ丁寧に書くようにします。
板書のコツ②
板書する内容のうち、学習をした日と題名、めあては必ず書くようにします。授業の始まりを意識させるためです。板書の通り、ノートに書かせることを継続します。その意図は、学習したばかりの文字やひらがなが役立っていることを教えるところにあります。
板書のコツ③
入門期は、板書と併用して、カードや絵、あるいは、ノートを拡大した用紙を貼ることがあります。これは、文字をまだ覚えていない子が学習に参加できることを配慮するという意味があります。絵の説明や見方、そして、絵にあるものを文字にするという過程を丁寧に指導し、絵と言葉の関係を理解するように導くことができます。
板書とノート指導
黒板の左端はノートのお手本です。授業の後半は、ノートを書く時間にします。
板書したことを全部ノートに書かせたいと思わないことです。ノートに書かせるうえで留意することは次の通りです。
①板書の文字数(たてのマス)のノートの文字数に合わせる。
②1文節ずつ、区切って、書かせる。
③書くことに時間を必要とする子に合わせて文字を書く。
④促音や濁音を学習していないので、1文字ずつ、丁寧に指導する。
構成/浅原孝子