小5算数「算数で読みとこう  国土をくわしく調べよう」指導アイデア

執筆/埼玉県公立小学校教諭・石坂仁志
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫

本時のねらいと評価規準

(本時の位置 2/2時)

ねらい
既習事項を活用したデータを考察し、問題解決能力や情報処理能力を伸ばす。

評価規準
目的に応じて情報をデータから読み取り、それらを活用して問題を解決したことを振り返り、価値づけている。

問題
日本全体の土地利用の様子と、それぞれの都道府県の土地利用の違いを調べるために、まず森林面積が広い北海道と、森林率が高い高知県の土地の利用の特徴を考えよう。

データ4と5
※データ1、2、3は前時に使用。

前時には、森林面積と森林率について都道府県ランキングを調べました。
私たちが住んでいる学区に森林はありませんが、日本の国土の多くが森林でしたね。どれくらいでしたか。

半分より多い、66%です。

分数でいうと国土の3分の2が森林でした。

2位は何でしたか。

農地で12%です。約8分の1でした。

今日は、算数で学習した割合やグラフの読み方を使って、土地の利用の様子について考えていきたいと思います。今回は「森林」に注目し、前時で学習した森林面積の広い北海道と森林率の高い高知県の2つの土地利用の特徴を考えます。

本時の学習のねらい

データ4とデータ5から、北海道と高知県のそれぞれの土地の利用の仕方について、気づいたことを話し合いましょう。

見通し

土地の面積が北海道と高知県では違うから、割合で比べるとよいと思います。

利用の仕方を割合で求め、円グラフや帯グラフに表すと、わかりやすいんじゃないかな。

北海道と高知県の利用の仕方のグラフを並べて比べるとわかりやすいと思います。

自力解決の様子

A それぞれの表の面積をもとに比べている
北海道も高知県も森林が一番ということがわかる。
北海道と高知県の土地の利用の様子の順位はほぼ一緒といえる。

B 土地利用の仕方を分数を用いて大まかに特徴を書いている
北海道の森林の割合は、3分の2。それに対し高知県の森林の割合が5分の4以上もある。高知県はほとんど森林として利用している。

C 2つのグラフを見比べ、新たな疑問なども書いている
グラフに表すと、北海道の農地の割合は高知県の3倍以上だ。北海道に農地の割合が多いのは農業が盛んだからだと思うけれど、高知県も野菜作りが盛んだと学習した。農地の割合が全然違うのはなぜだろう。

学び合いの計画

見通しの場面でも触れていますが、北海道と高知県のそれぞれの面積の違いに注目させていきます。「土地の利用の仕方」を読み取ることがねらいであり、互いの面積の違いが大きいため、「量」ではなく「割合」で考えることが大切です。

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』 2021年3月号より

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