小3国語「三年とうげ」指導アイデア

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教材名:三年とうげ(光村図書 三年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)オ 〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)イエ (2)イ

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

登場人物の気持ちの変化について、場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像することができる力を育成します。子供は、本単元までに行動や会話、地の文などの叙述を基に登場人物の気持ちを捉えてきています。

本単元では、組み立てに着目し、移り変わる場面ごとの行動や気持ちについて、叙述を基に捉えます。さらに、複数の叙述を結び付けながら考えることで、大きく変化する気持ちやそのきっかけを多様に具体的に想像し、そこに作品のおもしろさを感じ取り、読み深めていくことができるようにします。

②言語活動とその特徴

本単元には、「民話や昔話の紹介カードを作る」という言語活動を位置付けます。紹介カードに盛り込む内容や形式を子供とともに話し合うことで、教材を主体的に読み取る視点へとつなげることができます。

また、カードのなかに、「おもしろいと思うところ」を紹介する部分を設定することで育てたい資質・能力の育成を図ることもできます。本教材は、民話特有の語り口や言い回し、繰り返しや対比の構造などという民話・昔話のおもしろさを感じ取ることができます。

また、どの叙述とどの叙述に着目し結び付けるかによって、変化やそのきっかけの捉え方が異なり、多様なおもしろさを伝え合うことができる作品でもあります。「三年とうげ」で民話や昔話のおもしろさを味わい、ほかの作品の紹介へと生かします。

単元の展開(6時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①紹介カードを基に、これまでに読んだ民話や昔話についてふり返り、「三年とうげ」を読み、学習計画を立てる。

【単元】組立てをとらえて、民話をしょうかいしよう。

第二次(2~5時)

②民話や昔話の基本的な組立てを知り、「三年とうげ」の組立てを考え、カードにまとめる。

③登場人物の気持ちの変化のおもしろさに着目している子供の考えを取り上げ、誰が、何によって、どのように変わったのかを考える。
→アイデア1 主体的な学び

④「三年とうげ」で一番おもしろいと思ったところをカードにまとめ、グループで交流する。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(6時)

⑤選んだ民話や昔話のおもしろいところを紹介する、紹介カードを作る。

⑥作品のおもしろさ、一人ひとりの感じ方の違いに気付くために、紹介カードをグループで交流する。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 言葉を吟味し、複数の叙述を結び付けて考えを形成する場の設定

主体的な学び

初読の感想の交流などを通して、この作品のおもしろさを「転ぶことを恐れていたおじいさんが、自ら何度も転ぶおじいさんに変わったところ」などと捉えている子供の意見を生かす場を設定します。

おじいさんにかかわって、場面が移り変わるごとに出てくる「転ぶ」という行動に関係する言葉に着目し、意味・働き・使い方などを吟味する場面を設けることで、複数の叙述と結び付けて考えるという主体的な学びの場にするとともに、叙述に基づいて想像を広げておもしろく読めるようにします。

そのために、おじいさんの様子が分かる表現に線を引き、おじいさんの気持ちの変化を考えるという手立てを取ることとします。

ふとんにもぐりこんでいたおじいさんが、トルトリの話を聞いた後は、ふとんからはね起きるくらい元気だったね。

アイデア2 民話や昔話のおもしろさに気付くためのグループ学習

対話的な学び

民話や昔話の特徴として次の五点が挙げられます。

  1. 明快な人物設定や場面設定
  2. 単純明快なストーリー展開
  3. リズミカルで民話特有の語り口や言い回し
  4. 効果的な擬声語・擬態語の効果
  5. 繰り返しや対比の構造

アイデア1の活動を通して、着目する叙述などの違いによって感じるおもしろさに違いがあることをグループで交流し、感じ取れるようにします。

この活動を通して、子供が感じたおもしろさを「物語の組立て」「登場人物の行動や様子の表し方やその変化」「言葉の使い方や文の調子」のどれに着目したかを教師が分類することによって、民話のおもしろさを見付ける観点として学び取らせます。

そして、見付けたおもしろさを友達と共有し、民話や昔話には、さまざまなおもしろさがあることに気付かせます。この活動を通して学んだ視点を、自分が選んだ民話のおもしろさを見付ける際のヒントとして活用することができるようにします。また、一人ひとりの感じ方などに違いを認め、各自の考えを深めることにも役立てます。

僕は、三年とうげを越えるときやおじいさんが元気になったときに歌っていた歌が、とてもおもしろいと思いました。

アイデア3 学習したことを生かし、おもしろさを見付けるための紹介カードの工夫

深い学び

単元設定前に、紹介カードを作りたいという思いをもたせるために、教師が事前に紹介カードを作っておき、民話とともに教室に掲示するコーナーを設置しておきます。それによって、子供が学習の第一次から第三次まで見通しをもって学習に取り組むことができると考えます。

紹介カードのように、文章を短くまとめ、相手に分かりやすく伝えるためには、民話や昔話のおもしろさをどのように伝えたらよいか言葉を吟味し、調整することが大切です。そのため、子供は紹介する作品を何度か読み返したり、自分の書いた文章を推敲したりします。

また、登場人物の気持ちの変化や場面の移り変わりに着目し、おもしろさを紹介することができるよう、あらかじめ紹介カードに書く観点を示しておきます。

▼作品しょうかいカード

作品しょうかいカード
作品しょうかいカード

イラスト/佐藤道子、横井智美

『教育技術 小三小四』2020年12月号より

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