小4算数「面積」指導アイデア

執筆/新潟県公立小学校教諭・樋浦教之
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟県公立小学校校長・遠藤昇

本時のねらい

本時6/11時 

複合図形の面積について、長方形の数に着目することで、より効率のよい求積方法を自ら選択できる。

評価規準

凹型複合図形や凸型複合図形について、求積する長方形の数が少なくなる方法を自ら選択している。

問題
次のA・B、2つの図形の面積を求めましょう。

図形A
図形B

前時(第5時)に、L字型複合図形の求積方法を学習します。「分けて足す」「全体から引く」という方法があることを確認します。
第5時の最後に「別のL字型の面積を求めるとき、どちらの方法を使いますか」と、子供たちに質問します。そこで、「どちらでもいい」「どちらでも簡単に求められる」という発言を引き出しておきましょう。

Aの図形から面積を求めます。この箱の中に入っている「くじ」に書いてある方法で求めます。くじは「分けて足す」「全体から引く」の2種類です。どちらのくじが出てほしいですか。

自由に面積の方法を求めさせるのではなく、「くじ」に書いてある方法で面積を求めさせます。このことにより、Bの図形を求めるとき、「『全体から引く』というくじが出てほしい」という子供の発言を引き出します。

どっちのくじが出ても大丈夫です。

どっちが出ても簡単に面積が出せます。

(くじを引く)「分けて足す」が出ました。この方法で面積を求めましょう。

できました。縦に分けて、2つの長方形にします。
2×4+5×3=23 答えは23㎠です。

横に分けてもできます。
2×7+3×3=23

もし「全体から引く」が出ても、面積を求めることはできましたか。

できます。5×7−3×4=23 答えは23㎠です。

やっぱり、どっちのくじが出ても簡単に面積を求めることができました。

求積における「簡単」という意味を押さえておきます。ここでは「より少ない式で求められる」「効率がよい」ということを「簡単」とします。

次にBの図形の面積を求めます。どちらのくじが出ても、簡単に面積を求めることができそうですか。

どっちが出ても大丈夫です。

「全体から引く」が出たほうが「簡単」にできそうです。

えっ、どうして? 「分けて足す」でも、面積は出せそうだけど。

学習のねらい

Bの図形は、「分けて足す」より「全体から引く」ほうが、簡単に面積が求められるのか。

見通し

Bの図形を「分けて足す」もしくは、「全体から引く」なら、どのように考えて求めますか。

こうやればよいと思います。

Bの図形①
Bの図形②
Bの図形③

実際に「分けて足す」「全体から引く」どちらの方法でも面積を求めてみましょう。そして、どちらの方法がよいのか、自分の考えをまとめてみましょう。

自力解決の様子

A つまずいている子
Bの図形の面積を求めることができない。

B 素朴に解いている子
どちらの方法でも面積を出すことができたが、「全体から引くほう」が簡単な理由が分からない。

C ねらい通り解いている子
どちらの方法でも面積を求めることができ、式の数や長方形の数に着目して、図形Bは「全体から引く」が簡単なことに気付いている。

学び合いの計画

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2020年11月号より

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