小6体育「体つくり運動」指導アイデア

執筆/埼玉県公立小学校教諭・神保敏久
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・塩見英樹、埼玉県教育委員会主任指導主事・河野裕一

授業づくりのポイント

体の動きを高める運動は、中学年までに身に付けた体の基本的な動きを基に、体の様々な動きを高める運動です。直接的な体力の向上を目的として行いますが、必要感のないまま運動を繰り返すのではなく、体を動かす楽しさや心地よさを味わいながら、自己の体力に適した課題に取り組んでいけるようにしていきましょう。

授業以外でも進んで運動に取り組もうとする態度を育成するために、すべての子供に達成感や充実感を味わわせ、主体的に運動に取り組めるような学習にしましょう。

単元前半は教師が提示した運動に取り組みながら、動きのポイントを学びます。単元後半は運動の工夫を考えながら楽しく取り組み、体力向上につなげます。仲間と互いに考えや取り組みのよさを認め合いながら、運動に取り組めるようにしましょう。そして、中学校での体つくり運動の学習につなげていきましょう。

4・5月は体の柔らかさや巧みな動きを高めました。この単元では、力強い動きや動きを持続する能力の向上をねらいとしています。

単元計画(例)

単元計画(例)

※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、授業前後の手洗いを徹底しましょう。使用した縄跳びや手指の消毒をすること、手で顔などを触らないことを確認しましょう。また、適宜水分補給もしましょう。

楽しむ① 力強い動きや動きを持続する能力を高めるための運動にチャレンジしよう

力強い動きを高めるための運動では、感染症拡大防止の観点から、個で取り組める活動や、ペアでの接触のない活動を行い、それらの運動のポイントを見付けていきます。動きを持続する能力を高めるための運動では、同じペースで5分間走ることを目指すペース走「ぴったりマイペース走」を行います。

ペアを組んで励まし合ったり、アドバイスをし合ったりしながら、自分に適したペースや距離、走り方を見付けられるようにしましょう。

力強い動きを高めるための運動の例

ロープ引き相撲

ロープ引き相撲

安全に配慮し、手袋や軍手をしましょう。急に縄を離したり、力を抜いたりしないように注意しましょう。重心を低くしたまま引くのがポイントだね。

登り棒や雲梯でのぶら下がり

登り棒や雲梯でのぶら下がり

じゃんけん腕立て伏せ

5本の指を使って順手でしっかりつかむよ。視線を遠くにして、背筋が伸びた姿勢を保つことができるといいね。

じゃんけん腕立て伏せ

背筋を伸ばし、体を一直線にしよう。腕立て伏せが難しい場合は、膝を着いてもいいよ。また、腕を曲げるのではなく、10秒程度姿勢を保持することを目標としてもいいよ。

動きを持続する能力を高めるための運動の例

ぴったりマイペース走

ぴったりマイペース走

スタートゾーンから自分が決めた折り返し地点を往復する5分間の持久走。

片道30m~60mの範囲内で自分の距離を決定し、折り返しマーカーを置く。

往路15秒、復路15秒を目標とし、30秒で1往復を10回繰り返す。

ペアがペース(△、〇、×)を記録し、得点を計算して伝える。

走り終わった後、学習カードに主観的な運動強度(以下の①~⑤)を記録して、次回の参考にする。

※運動強度:①かなりきつかった、②きつかった、③少しきついけれど、気持ちがよい(ぴったりマイペース)、④楽だった、⑤かなり楽だった
※距離や走り方を工夫し、③の自分に合った「ぴったりマイペース」を目指す。

5mごとに目安の線を引きます。子供たちは折り返す地点にマーカーを置きます。15秒間隔でタイムを伝えながら子供たちに励ましの言葉を掛けましょう。タイマーを利用したり、CDを作成して活用したりしてもよいです。子供たちの体調に留意し、健康観察や健康状態のチェックをこまめに行いましょう。

腕を振り、走るリズムと呼吸のリズムを合わせて、姿勢よく走れるようにしよう。最後に急にペースを上げたり、下げたりして調整しないようにし、早めにスタートゾーンに戻ってしまった場合は、ゾーン内でその場かけ足をして待とう。

学習カードへの記録例

学習カードへの記録例

楽しむ② 自分に合った体の動きを高める運動を考え、チャレンジしよう

イラスト/畠山きょうこ、横井智美

『教育技術 小五小六』2020年11月号より

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