小4道徳「日曜日のバーベキュー」指導アイデア
使用教材:「日曜日のバーベキュー」(東京書籍)
執筆/千葉県公立小学校教諭・髙雄智子
監修/千葉県公立中学校校長・大舘昭彦、文部科学省教科調査官・浅見哲也
目次
授業を展開するにあたり
2019年8月、新聞に、利用者の迷惑行為が原因で神津島のキャンプ場が廃止や休止に追い込まれる事態となっているという記事が掲載されました。そこには、関係団体から「一部の利用者のマナー違反によって多くの利用者の楽しみが奪われるのはとても残念だ」とあり、マナー向上を呼びかけるための記事として掲載されていました。
この例に挙げられるように、マナーやルールを理解し、わきまえているはずの大人も、「分かっているのにできていない(やっていない)」こと、自己中心的な考えにより、周囲の迷惑を考えようとしないことが世の中にはあふれています。
同様に、児童の生活の中でも、「いけないと分かっているが、できていないきまり」が多く存在しているように感じられます。例えば、廊下は走ると危険だと分かっているのに、休み時間になると早く校庭に行きたくて走ってしまう…というようなことです。
今回の授業の内容項目は「規則の尊重」です。大半の児童は、「きまり」は守らなくてはならないものだということは理解しています。しかし、きまりがなぜ必要なのかを理解し、きまりができた意味について考えたことのある児童は少ないのではないでしょうか。
また、そのきまりが大切であることは分かっていても守れない場面も多く見られます。このことから、生活の中で自分自身の行動に対して迷いが生じたときに、きまりを守る意義を考え、規則を尊重しようという実践意欲を育みたいと考え、今回の授業を構想、展開しました。
展開の概略
1 「規則の尊重」について児童の意識を確認する
①どんなきまりがあるか考える。
②きまりを守れない理由を考える。
2 新聞記事「神津島キャンプ場 2カ所廃止へ 夜に騒音■ごみ散乱」(後掲の資料参照)で考える
3 本時のテーマを確認する
「きまりはなぜあるのだろうか。」
4 教科書教材「日曜日のバーベキュー」を基に、テーマについて考える
①母さんの自転車のかごにごみが捨てられていることに気付いたぼくの心情を考える。
②1回目と2回目のぼくの心情の変化を考える。
③「分かっているのにやってしまう」人の心の弱さを考える。
④きまりを守るために大切な気持ちは何かを考える。
5 授業のふり返りを行い、授業で気付いたことや感じたこと、自分の考えをノートにまとめる。
▼資料(新聞記事)
東京新聞2019年8月31日「神津島キャンプ場 2カ所廃止へ 夜に騒音、ごみ散乱」
▼資料(児童がまとめたノート)
資料(児童のノート)のPDFはこちらよりダウンロードできます