「異なり力」を引き出す ~ デザイン思考~

ビジネス界のマインドや手法を教師の仕事に落としこむエッジの効いた発信で多くの若手教師に支持される、”さる先生”こと坂本良晶先生の連載。子供の創造力が爆発する、「デザイン思考」を重要視した授業とは、どんなものなのでしょうか。
執筆/京都府公立小学校教諭・坂本良晶

目次
子どもの創造力を刺激する
先日、4年生の算数科『調べ方と整理の仕方』という単元の授業で、面白いシーンがありました。「デザイン思考」という見方を伝えた途端、子どもたちの創造力が一気に爆発したのです。
今回は、デザイン思考という見方・考え方を生かした授業の在り方へのゲームチェンジについてお話しします。
ロジカル思考 × 学校
学校現場では、多くの場合において、「ロジカル思考」に価値づけがされます。要するに「論理的な答え」が良しとされます。しかしそれは、言うなれば「ありがちな優等生的答え」とも捉えることができます。
例えば、算数の授業における課題『自分の学校の保健室の来室状況のデータを整理し、問題を見つけて、その解決策を考える』において、ロジカル思考に基づく答えを例示するなら、
「低学年の廊下での怪我が多いから、高学年が委員会で廊下は歩こうと注意喚起する」「体育館でのねんざの怪我が多いから、準備体操をしっかりとする」
といったものが考えられます。
これらの答えは、複数のデータを整理・分析した上で論理的に答えを導き出すことができているので、評価されるべきだと思います。また、指導と評価の一体化という面から考えても、こういった答えを出す子どもをゴール像として授業を考えることが一般的だとも思われます。