小3国語「モチモチの木」指導アイデア

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教材名:「モチモチの木」(光村図書 三年下)

指導事項:読むこと ウ、オ
言語活動:エ

執筆/東京都公立小学校主幹教諭・市川明日香
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、東京都公立小学校校長・河村祐好

小3国語「モチモチの木」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、物語の叙述を基に登場人物の人物像を捉え、自分の言葉で表現する力を付けます。

低学年で学んだ言動に着目して、その人物の様子を具体的に想像することに加えて、人物の境遇や状況、まわりの人物とのかかわり、語り手からの捉え方などが表れている複数の叙述を根拠とすることで、より具体的にその人物らしさを捉えることができるようにします。

②言語活動とその特徴

本単元では、お気に入りの登場人物を友達に紹介するために、人物像を捉えてカードに書くという言語活動を設定します。本単元で「モチモチの木」の作者である斎藤隆介の作品五冊を扱ったように、物語を何冊かに絞っておくことで、同じ物語を読んだ友達と交流する場を設定することができます。

お互いが捉えた人物像の交流を通して、その人物を多面的に見ることができるようになるでしょう。このような読みのおもしろさを知って、読書への興味・関心を高めていけるようにします。

単元の展開(13時間扱い)

主な学習活動

第一次(1・2時)

①教師のお気に入りの登場人物の紹介を聞き、登場人物について紹介することへの意欲を高めた後、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

②斎藤隆介作品五冊を読み、紹介したい登場人物を決める。

第二次(3~8時)

③共通教材『モチモチの木』を読んで、見出し「おくびょう豆太」と叙述とのつながりを考え、登場人物の人物像の捉え方を学ぶ。

④~⑧『モチモチの木』の叙述を基に、豆太がどんな人物なのかをまとめ、友達と交流する。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(9~13時)

⑨~⑫自分が選んだ本の登場人物について友達と話し合い、人物紹介カードを書く。
→アイデア3 深い学び

⑬人物紹介カードを読み合い、感想を伝え合う。

アイデア1 お気に入りの登場人物を紹介することへの意欲を高める

主体的な学び

教師が作った「人物紹介カード」を紹介し、単元の最終ゴールのイメージをもたせます。紹介する登場人物は、『名前を見てちょうだい』(二年生)の「えっちゃん」や『サーカスのライオン』(三年生)の「じんざ」など、子供たち全員がそのイメージを共有している人や動物を取り上げ、子供たちからもどのような人や動物だったかを発表させて、それがどの叙述から捉えたものかを考えさせるとよいでしょう。

こうして人や動物に特化して読むことが新たな読みの楽しさにつながることを実感した後、学習計画を立てます。

▼教師が作った人物紹介カード

教師が作った人物紹介カード

▼子供たちから出た人物像

子供たちから出た人物像

皆さんは、えっちゃんはどんな人物だと思いましたか。

アイデア2 人物像を捉えるために着目するポイントに気付く

対話的な学び

前時で子供たちは、語り手の捉えた「おくびょう豆太」について、行動や会話文に着目して、その根拠を見付ける学習をしています。本時ではそれを基に、物語全体から、豆太がどのような人物なのかが分かる叙述を見付けて線を引き、その横に人物像を書いた付箋を貼っていきます。

交流の際には、自分の考えの理由を示しながら話し合うようにします。グループや全体で交流するなかで、以下のような「人物像を捉えるポイント」を見付けていきます。

▼人物像を捉えるポイント

■会話や行動
・気持ち、表情、様子などを想像する
・他の場面と比べて、同じところや違うところ
■語り手の思いが入った言葉
■周りの人物との関係
・境遇、家族構成、親密さ

※自分の経験と比べて考える

友達との交流を通して、捉えた人物像は同じでも違う叙述から得ていたり、叙述が同じでも違う豆太を捉えていたりしていることを知り、一人ひとりの考えの違いにも気付けるようにします。

▼人物像がわかる叙述

人物像がわかる叙述

「大すきなじさまの…」のところから、豆太は「おくびょう」だと思ったよ。豆太にとって家族はじさまだけだったから、一人ぼっちになることが怖かったと思うよ。(人物の境遇からの気付き)

なるほど。僕は同じところで「一生懸命」な豆太だと思っていたけれど、じさまはたった一人の家族だから「一人になるのは嫌だよ」という気持ちで必死だったのかもしれないね。(気持ちを想像する)

アイデア3 自分が選んだ物語の「登場人物紹介カード」を書いて、友達と読み合う

深い学び

斎藤隆介作品五冊の中から一冊を選んで書いた「登場人物紹介カード」を友達と読み合い、感想を交流します。物語ごとにまとめて掲示すると、登場人物を多面的に捉えやすくなるでしょう。

①まずは同じ物語を読んだ友達と交流して、自分の考えと同じところや違
うところを見付けることで読みを深めます。

②その後、ほかの本の紹介カードを読んで、再び読書に親しむ時間を設定します。

自分が気付いていなかった登場人物の新たな一面が見付かると、もう一度その本を読んでみたいという読書への意欲を高められると思います。

▼同じ物語を読んだ友達と交流

「優しいあや」や「心のきれいなあや」など、人物像の捉え方が違うんだな。もう一度『花さき山』を読んで、自分でもいろんな「あや」を探してみたいな。

▼再び読書に親しむ時

友達の「心のきれいなあや」というカードを見て、『花さき山』をもう一度読んでみたよ。私も紹介カードを書いたから、貼り付けたいな。

ぼくは、みんながカードに書いていない「家族思いのあや」を見付けたよ。

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2020年3月号より

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