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小三・小四の国語教科書「正しい読み方・使い方」

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学習指導要領のキーワード「主体的・対話的で深い学び」を完璧に理解するのは難しいもの。ただ、教科書をよく読めば、そのポイントがイラストなどで分かりやすく提示されています。国語科(光村図書)を例に、「読み方・使い方」を解説します。

お話を伺ったのは…
光村図書第一編集部国語課・野田由美子さん

小三・小四の国語「教科書の正しい読み方・使い方」
国語科(光村図書)

教科書会社各社の教科書は、子供の指導に資するためにさまざまな工夫がなされています。ここで取り上げる以外の教科書を使われている学級でも、ここでの工夫ポイントを参考にして、ぜひお手持ちの教科書をじっくりとお読みください。

最初のページに重要なことが書かれている

なんのためにその課題に取り組んでいるのか、子供が意識しながら学習を進められるように工夫

野田さんは、教科書の読み方・使い方を次のように説明します。

「まず教科書の教材を見る前に見ていただきたいのが、冒頭にある『三年生(四年生)の国語の学びを見わたそう』です。これは国語をどのように学ぶのか、何を学ぶのかということを示したもので、教科書に新しく位置付けたものです。

最初のページは『どのように学ぶか』を示したものです(下図参照)。

最初のページは『どのように学ぶか』を示した

まず、学習に入る前に『こんなことがしたい』という課題意識をもつ耕しを行い、そのうえで『話す・聞く』『書く』『読む』学習を行い、それをふり返って自分の学びを見つめ直し、それを他の学習や生活にも生かすという流れが確認できるようにしています。

それは同時に、先生方にもぜひこんな国語の学びをしていただきたいということをお示ししたものでもあります。

それに続く折り込みページは、『何を学ぶか』を領域ごとに整理してまとめたページです。ここで各教材名の左側に赤い双葉マークで示してあるのが、その教材を通してどんな大切なことを学ぶのか(「たいせつ」の見出し)で、その下にオレンジ線で囲んだ言葉は、その学習で押さえる国語の学習用語です。

加えて下段ではその領域について、前の巻までにどのようなことを学んできたか、学習過程に沿ってまとめてあります。

その巻の学習を行う際、新しく単元が始まるたびにここをふり返り、これからの学びに生かせるようにしています」

小三 国語教科書の読み方・使い方

子供たちの声を拾いながら進めるための活用ページ

三年国語の個々の単元に関わる部分について、野田さんは続けて説明します。

「文学単元のつくりを説明するために、『三年とうげ』を基に説明してみましょう。単元冒頭の扉ページは新しく設けたもので、ここには大きく三つの要素があります(下図参照)。

『三年とうげ』

右上の“読む”というマークの下にある『組み立てをとらえて、民話をしょうかいしよう』は単元の目標で、指導事項と言語活動を組み合わせる形で示したものです。

その下にある『これまでの学習』は、既習事項をふり返り、それが『この単元でも生かせるかな』と考え、学びの積み重ねを意識できるようにしたものです。題名の左側にある4行の文章はこの学習にいざなうためのもので、作品への導入と読みの着眼点を示すことで、学習への見通しと意欲をもたせようとしています。

これらを使いながら作品内容に興味をもたせるだけでなく、これまでどんな学びをしてきたか、そこで身に付けた力をどう生かせるのか、子供たちの声を拾いながら学習を進めるために、このページを活用していただければと思います。

作品の後には3ページの『学習』というページがあり、最初の見開き2ページでは、学習の一連の流れを示しています(下図参照)。

『学習』というページ

冒頭の『見通しをもとう』が目標を確かめるところで、中盤の上下2段で整理をしてあるのが課題に取り組むところ、最後が学習をふり返るところになっています。

中盤の課題の上部には、『とらえよう』『ふかめよう』…といった言葉を添えています。これは、学習指導要領で「読むこと」の学習過程が明確化されたことを受け、『構造と内容の把握』『精査・解釈』『考えの形成』『共有』という学習過程を、子供に分かる言葉にしたものです。なんのためにその課題に取り組んでいるのか、子供たちにも意識しながら学習を進められるようにしているところですし、先生にもそれを意識して授業をしていただきたいと思います。

『ふりかえろう』は、その学習を通して身に付けた力を子供自身が評価するところで、新しい評価の観点に対応して整理してあります。

説明文の場合も、基本的な『学習』ページの構成は変わりません。ただし他の短い教材との2本立てになっていたり、複合単元になっていたりと、単元の構造を多様に工夫することでめざす資質・能力を育めるようにしています」

小三「教科書の読み方・使い方」ポイント

  • 「国語の学びを見わたそう」でまず学習を俯瞰
  • 扉ページを使って、学習の見通しと学びに向かう意欲を醸成
  • 「学習」ページを活用して力を付け、ふり返る

小四 国語教科書の読み方・使い方

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